Twitterであるイラストが16000RTされているというニュースが彼女を知ったきっかけでした。宮﨑駿の肖像画コラージュ…部位は全てジブリキャラ!SNSを渡っていって作者にコンタクト、インタビューさせていただきました。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/10/07
Twitterであるイラストが16000RTされているというニュースが彼女を知ったきっかけでした。宮﨑駿の肖像画コラージュ…部位は全てジブリキャラ!SNSを渡っていって作者にコンタクト、インタビューさせていただきました。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/10/07
ジブリっていいですよね!
ベトナムでは「Z」の発音が無いため、ジブリのことをゴブリと呼ぶそうです嘘です。
皆さんの多くもWebやテレビでご存知になったと思いますが、9/6にスタジオ・ジブリの創設者である宮崎駿監督が会見を開き、自身の引退を発表しました。
過去に何度も引退発言をしてきた宮崎駿監督ですが、会見を開くということは初めてであり、監督自身も「何度も言っているからまたかと思われるかもしれませんが、今回はマジです」と発言しているところから、今回ばかりは本当の本当に引退するようです。ちなみに、その時の「公式引退の辞」がなかなか粋な言い回しなので、もしお時間があるようでしたら一度読んでみてください。
宮崎駿監督「公式引退の辞」全文 – ITmedia ニュース
さて、そんな宮崎駿監督の引退会見。
衝撃を受けたのは日本ばかりでなく、台湾を筆頭に他の国々でも同様だったようです。
そして、その会見の翌日のニュースサイトで、このような記事が公開されました。
よくよく見るとリンク先のサイトが防災関連情報のニュースサイトだと知って、扱っているネタとのギャップに軽く戸惑っているのですが、ひとまずそれは置いといて、リンクを辿らないめんどくさがり屋さんのためにこちらの記事内容を要約するとこういうことです。
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宮 崎駿の引退会見を受けて、Twitterで宮崎駿監督への感謝のメッセージと共にある画像がなんと16,000件ものリツイートをされている。その画像の クオリティが高すぎるのだが、なんとそれを描いた人物は日本人のプロのイラストレーターではなく、ベトナムのホーチミン市在住のC3nmtさんという方ら しい。
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えっ、ホーチミン市在住?
という訳で、作者のC3nmtさんに会ってきました。
右がC3nmtさん…お、女の子だったのか!しかも学生らしい。
左は、同じ大学でイラストレーションを学ぶ友達のAnhさんです。
ち なみに、通訳として別のAnhちゃんという女性に手伝ってもらいました。余談ですが、読者の方の中に、私が三ヶ月間だけ配信していた「日越文化雑誌」とい うメルマガを読まれていた方がいるかもしれません。あの中で私とやりとりしていた、Anhちゃんです。ちなみに彼女は日本からベトナムに戻って来ていま す。
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ネルソン 「はじめまして!今日はお時間を取っていただき有難うございます。」
C3nmtさん「いえいえ。」
ネルソン 「それにしても、高いクオリティですね。何より面白いイラストです。」
C3nmtさん「有難うございます。」
C3nmtさんが描いた宮崎駿の肖像画。
この絵で驚くべきことは、ジブリのキャラクターのコラージュというところ。
よく見てほしい、至るところに見覚えのあるキャラクターが配置されている。
ニュースサイトの記事を改めて確認する。
なお、これを見た瞬間、Anhちゃんが「すげー!すげー!」と連呼しまくり。「有名になっても私のこと覚えておいてね!facebookのアカウントは~」としょっぱなからインタビューが止まる、おま…へ……!!
ネルソン 「C3nmtさんは、自分のイラストが日本のニュースサイトに取り上げられていることはご存知でしたか?」
C3nmtさん「いえ、ネルソンさんに教えてもらって初めて知りました。ただ、Twitterで16,000リツイートもされていることは今知ったのでとても驚いています。(記事上では漢数字表記だったので分からず)」
ネルソン 「ベトナム国内ではこのイラストは話題になっていなかったんですか?」
C3nmtさん「ベトナム人でもジブリが好きな人は好きだけど、若い世代しか知りません。これはコラージュですから、やはりそのキャラを知っていないと面白いと思わないのだと思います。」
そもそもジブリを知っているベトナム人の方が少ないらしい。
日本や台湾と違って、まだまだ若者のサブカルチャーの域を出ていないようだ。
ネルソン 「ちなみに、このイラストを描いた経緯はどういうものなの?」
C3nmtさん「私は大学でイラストレーションを専攻しているのですが、その課題だったんです。」
ネルソン 「えーそうだったの!評価も高かったんじゃない?」
C3nmtさん「確かに…先生は『優』をくれたけど、ジブリを知っている訳じゃないのでそれだけでした。」
ネルソン 「そうなんだ…知る知らない関係無しにすごいと思うけど、日本人にとってはジブリ補正が入っているのかも知れないなぁ。」
C3nmtさん「はい、ジブリを知っている日本人の皆さんだからこそ評価してくれたのだと思います。」
ネルソン 「ジブリはどの作品が好き?1位から3位までで教えて!」
C3nmtさん「えーとですね…1位が千と千尋の神隠し、ハクがđẹp trai(男前)だから好き。」
ネルソン 「うん。」
C3nmtさん「2位がハウルの動く城、ハウルがđẹp trai(男前)だから好き。」
ネルソン 「うん。」
C3nmtさん「3位がとなりのトトロ、トトロが…」
ネルソン 「トトロがđẹp trai(男前)だから好き?(笑)」
C3nmtさん「違いますよ!(笑)トトロが可愛いから!」
しかし、日本人の女の子ならこんな理由は出てこないだろうなぁ。
ストーリーや世界観を重視していると思うし、ベトナムでは好む理由がもっとシンプルなのかな。
ネルソン 「ジブリ以外で好きな漫画やアニメはあるの?」
C3nmtさん「デスノート、ドラえもん、カードキャプターさくらが好きです。」
おおおぉぉぉ…見事に時代もジャンルもファン層もバラバラだ……。
日本で溜め込んだアニメが一気に放出されているという裏付けだなコレは。
そういえば先日行ったマンガフェスでも、入場券にカードキャプターさくらが描かれていた。日本だとロリコンアニメファンを生み出したという一面を持ってると思うんだけど、全く違う見方をされているのかも。
ネルソン 「でもさ、ベトナムでは日本のアニメをどうやって観てるの?」
C3nmtさん「最近は結構テレビで放映してますよ!(笑)」
ご、ごめん。
ネルソン 「いや、でもやで、(マンガフェスでも目立ってたし)進撃の巨人は知ってるでしょ?」
C3nmtさん「はい。」
ネルソン 「あれなんて、日本でアニメ放映始まって間が無い訳やん。」
C3nmtさん「そうですね、まだベトナムでも放映されていません。」
ネルソン 「ああいった情報をさ…あ、ベトナム語でアニメ情報を発信するサイトがあるってことか!」
C3nmtさん「そういうことです。」
もっと言えば、インターネットでアニメを観ているそうです。
「ニコニコ」という言葉も出ていたので、詳しくは書きませんがそういうことなんでしょう。
ネルソン 「C3nmtさんが学んでいる大学の学科では、生徒はどれくらいいるの?」
C3nmtさん「年次毎に60人から80人います。」
ということは、全体で240人から320人っていうところか。
全てがC3nmtさんと同じくらいのレベルか分からないけど、思ったよりいるなぁ。
ネルソン 「では、最後に、もしかしたらこのインタビューを宮崎駿監督が読むかもしれません。読まないと思うけど…読むかもしれません(笑)。何か、伝えたいメッセージはある?」
C3nmtさん「そうですね…。彼のつくる全ての作品が、大好きです!何度も引退だと言っていましたが、今回は本当のようなので、率直に言えば「引退しないでほしい」と思ってます。」
ネルソン 「どうもありがとう!」
C3nmtさん「こちらこそ!」
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はい、C3nmtさん!改めて本当にありがとう!!
最後に、このイラストにまつわるエピソードをひとつご紹介します。
こ れはPhotoshopで描かれたものということもあり、AdobeからC3nmtさんに、「商品の宣伝用の作品として使いたい」という打診があったそう です。その場合にはAdobeが肖像権の許可を貰うためにスタジオジブリに許諾を取る(つまり宮崎駿監督の耳に入ることが予想される)という展開も期待出 来たそうですが、Adobeへの返信が遅くなってしまって結局違う人の作品になってしまったとのこと。残念無念なお話です。
スタジオジブリのことですから、たとえAdobeが動いても許諾が取れていたか分かりませんが…。
べとまるは、C3nmtさんの今後のご活躍と、ベトナムのアニメ・イラスト産業の発展を応援しています。
最後に、みんなで記念撮影。
両脇の女の子たちについては、明日の記事で明らかになります。
それにしても、
発光源かよ。