インターネットが通じる国の若者は一定数、ゲーム好きだと思います。その中でもさらに好きというか、極めているゲーマーたちの大会にお邪魔しました。そこにスウェーデン大使(領事)まで来るのだからたまげたもんだ。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/11/25
インターネットが通じる国の若者は一定数、ゲーム好きだと思います。その中でもさらに好きというか、極めているゲーマーたちの大会にお邪魔しました。そこにスウェーデン大使(領事)まで来るのだからたまげたもんだ。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/11/25
ゲームっていいですよね!
小中学生の頃はゲームっ子だった私。
当時の「周りにあった匂い」と結びついているためか、ふとした時にゲームタイトルを思い出します。
大阪でインド人(ターバン巻いてた)とすれ違った時は、スーパーマリオブラザーズ3の匂いがしました本当です。
本当ですというか、これを嘘と言われてもどないせー言うねんって話だけど。
ある日、ベトナム人の友人からお誘いを受けました。
友人 「ネルソンさん、今度あるゲーム大会に参加するんですけど観に来ませんか?」
ネルソン「どんなゲーム?」
友人 「FPSです」
http://ja.wikipedia.org/wiki/ファーストパーソン・シューティングゲーム – Wikipedia
First People ShootingGame、省略してFPS。
分かりやすく言えば、銃を撃ち合ってドンパチするゲームです。
以前に遊びに誘った時、「最近ゲームばかりやってるんでたまにはいいですね」と言っていて、「引きこもりじゃねーか」と思っていたけど、ここまでガチならもうお兄さん何も言えないわ。
さて、普段からベトナムのベトナムらしかぬことばかりお伝えしているべとまる。
ですが、FPSとか言い出したらもう…マジで、本当に、全然、関係ないじゃないか。
だから最高におもしろいね!ということで観に行きました。
場所は10区にあるフートー体育館。
そういえば30人31脚の決勝大会もここだった。
日越のテレビ局もドクちゃんも注目!ベトナム30人31脚の決勝を見てきた。
柵にはゲーム大会の看板が。
ここでやるんだもん、すごい規模の大会なんだな~。
でも、入口に看板は無いようだ…あっ!
あった。
もしかして、あそこか。
体育館の建物の壁を間借りするような形で佇む会場。
これが今回の競技となるゲーム、Battle Field 4です。
本物の戦場のごとく、血で血を洗う戦いが繰り広げられているのであろう…。
ネルソン「たのもー!」
ババーン!!
となんとなく集中線をつけてみましたが、普通の溜まり場だった。
とりあえず、先に進んでみるか…。
おっ!
それっぽいことしてるしてるー!
会場が予想以上に狭いのですが、たまにテレビやネットで見るようなゲーム大会だコレ。
観客側もステージに真剣な眼差しを向けています(向けていない人も結構いますけど)。
????「ネルソンさん」
ネルソン「ちけぇ!誰!」
Lam 「Lamです」
ネルソン「Lam君か」
彼がこのイベントに誘ってくれた友人のLam君、べとまるにしょっちゅう登場してくれています。
ネルソン「Lam君はいつ出るの?」
Lam 「もうすでに出て勝ちました、今の試合の、次の次にまた出ますよ」
ネルソン「そうかそうか、ほな試合前に君を撮っておこう(さっき撮ったけど)」
Lam 「はい」
Lam 「シャー!!」
ネルソン「!?」
Lam君が…あのLam君が……!!
あの、
普段は温厚なLam君が、
何にも振ってないのにビースト(野獣)に…!
やはり今日は彼にとっても特別な日のようだ。
そうか、日頃研ぎ続けている牙を剥き出しにする特別な時間。
それはまるで狼男にとっての満月の夜のようなものなのかもしれない。
このあとで友人も紹介されました。
ネルソン「同じチーム?」
Lam 「えぇと…同じチームじゃないですけど、同じコミュニティのメンバーです」
うん、俺はどっちでもいいわ。
そうこうしている内に試合が終わったらしい。
観客たち「やるじゃなーい!(パン、パン)」
会場(狭い)から惜しみない拍手が送られます。
ネルソン「ん?」
ネルソン「あれ?」
ネルソン「Lam君さ、あそこにスウェーデンって書いてるけど…」
Lam 「あぁ、これってスウェーデン大使館が主催しているんです」
ネルソン「え?何のつながりで??」
Lam 「このBattle Fieldというゲーム、スウェーデンの会社がつくったものなんですよ」
ネルソン「えー!」
Lam 「午後からCady Crushの大会もあるんですけど、あのゲームもスウェーデン製なんですよ」
ネルソン「えー!」
Lam 「それも観て行きます?」
ネルソン「面倒くさいからええわ」
スウェーデンってゲーム分野ですごいんですねー、知らなかった。
しかも、大使が来ていたそうですよ(すぐに帰ったらしいけど)。
そういえば入口には、
見慣れないパンやお菓子があったが、
これもスウェーデンのものだったらしい…なーるほどね。
ちなみに何かのプレゼントもスウェーデンの国旗柄のヘルメットでした。
なお、会場となっているこの設備はACES GAMINGという名前で、
ゲーム会場の対面にはもうひとつの部屋があり、
ネットカフェになっています…というより、ゲームカフェね。
もともとACES GAMINGはFPSの古豪チームらしく、賞金を獲得したりスポンサーが付いたりして大きくなったらしい。今は、「ベトナムのゲーマーを育成する」という使命の下で、このような施設の運営やゲーム大会の主催を行っているとのこと(今回はスウェーデン大使館との共催ということですね)。
ネルソン「ゲーマーよりゲームクリエイターを育成する方がよくない?」
Lam 「まぁ…」
そしてそのリーダーが、
さっきから、
試合中の選手を、
接写しているこのおじさんです。
ゲームの腕一本でスポンサーを付けてとか…ゲーマーの夢かもしれませんね。
さて、本編に戻りましょう。
試合の様子を見つめる彼ら、まるでスポーツ漫画のライバルチームのようです。
選手1「おい…あいつ、お前よりもやるんじゃないか?」
選手2「余裕っしょ♪俺が負けたことないっしょ♪」
選手3「オデ、歯向カウヤツ、ミンナ食ベル!」
キャラ付けを試みたらカオスになってしまった。
いよいよ次はLam君の試合というところなのですが、その前に司会のお姉さんによるクイズ。
観客の女の子が雨がっぱを手に入れたようです。
観客 「カシャーカシャー!」
ネルソン「!?」
観客 「カシャーカシャー!」
ネルソン「!?」
ネルソン「え…Lam君、あの子って有名人なの!?」
Lam君 「知りません」
ネルソン「そう」
選手交代。
ってなんかこれ、
クールビズ姿の国会乱闘みたいだな。
Lam君!
いきまーす!
ルールを説明すると、上部の数字が0になった方が負けです(Lam君は青のロシアチーム)。
いや、もっとすごい複雑なんですけど、知らなくても読めるのでそれでいいと思います。
そして何を隠そう、相手チームこそがACES GAMING!
この施設の運営団体にしてイベントを主催する、ベトナム最強のチームです。
もう、戦いぶりからして違います。
それまでの選手たちが黙々と戦っていたのに対して…。
相手選手「あい!あい!おぉい!おーい!」
とにかく叫びまくるんです。
多分、「前!」とか「囲め!」とか言ってるんだと思う。
でも、その叫びっぷりはまるでマンモスを追い立てる原始人の狩りを想像させる。
みるみる内に、
数字は減って、
あっという間に、
相手選手「あぁーーい!!(勝ちどき)」
ACESチームの勝ち(写真は勝利して机をバンバンと叩く様子)。
あまりもの強さに恐怖の余り震えるLam君(ブレただけです)。
後半戦も、瞬く間にACESチームが勝利を収めました(左右交代しています)。
観客たち「やるじゃなーい!(パン、パン)」
ネルソン「君たちは何なんだ」
ネルソン「負けちゃったねぇ~」
Lam 「そうですね、もう…」
Lam 「悔しいです!」
ネルソン「えっ!ちょっ!急にそういうの撮れないからやめて!」
仕切りなおしてやってもらいました。
Lam 「悔しいです」
ネルソン「まぁリテイクは恥ずかしいよね」
試合に負けてもLam君のテンションを上げさせるゲーム大会でした。
ちなみにもう一人の司会の服装がエキセントリックだった。
靴のブランドもCONVERSEのパチモンぽかったです。