まずはこちらの画像をご覧ください。
シャララ~ン!
この洞窟がある場所は、ベトナム中部の都市・ダナンの郊外にある五行山。大理石からできている山で、お寺も多く建てられています。今ではダナン有数の観光地となり、中でも数あるうちのひとつの洞窟「Dong Hoa Nghiem(花園洞窟)」は、正午あたりに行くとこのような光の柱が出現することで知られています。友人は先輩から「FFみたいな洞窟」と言われていたそうです、なるほど。
戦時下に落とされた爆弾によって空けられたという、この穴から降り注ぐ光は…
天然のスポットライトであり、
ダナン、いやベトナム屈指のインスタ映えるスポットです。
でも、なんか…
すげぇしょっぱかったの!
天候のコンディションが最高ではなかったということもありますが、やはり「置いたものはなんでも」というにはムリがあったかな?と。いや、もっと言えば、そもそも私は…逃げていたのです!光の中に置いて真価を問われるものってそりゃあなた、どう考えても、聖剣しかないっしょ!そこから逃げちゃダメっしょ!
つまりはこういうことですよね、引き抜ける勇者を雨風の中で待ち続けている聖剣。です。
下手ですみません…え?やんのかコラ!
スーファミ世代の方なら「ゼルダの伝説・神々のトライフォースのパッケージ」で伝わるでしょう。
で、本企画の答えはサムネイル画像の通りなのですが、その制作工程からお話しさせてください。
今回はほんと頑張ったんだよ、俺。
なにより準備するべきものは、聖剣です。
といっても工作の類など中学生以来やっておりません。
これは工作に入るかどうかは、受け取る人次第か。
今見るとめっちゃ怖いな…。
しかし、今回ばかりはオッスおらネルソンいっちょやってみっか!ですよ!
帰省のタイミングで近所のホームセンターへ資材を買いに…!
行かずに…!
楽天で購入しました。
…
写真があることからお察しいただきたいのですが、ホームセンターには行ったんですよ!?でも接着剤とかラッカーとかコスプレボードとか、ベトナムへ持っていくと荷物になるじゃないですか。もっと言えば、そもそもそいつらをどうしたら剣になるのか分かんないじゃないですか。調べろって言われても長期戦かぁ、やだなぁ、どうしようかなぁ、演劇とかコスプレとかで使うんちゃうーんと思って調べたら、あったので。
いやぁ、便利ですね。「王の剣」、送料込みで1480円でした。
センキュー、株式会社ユニサプライズ(販売元)!
よくあるクーラーボックスを聖剣の台座に加工する
剣が手に入ったらあとは石の台座だ。
やはり発泡スチロールを加工してつくるべきだろうか、と思ってベトナムに戻ったら市場へ。
店員さん「発泡スチロール?これかい!」
ネルソン「うおー、箱…かぁ~。これ以外にある?」
店員さん「ないない!」
ネルソン「あれ、でも待てよ、台座だからむしろ箱(直方体)の方が都合はいいのか…?」
店員さん「なーにぶつくさ言ってんだい!」
ネルソン「箱一個ください!」
店員さん「あいよ!」
※店員さんのセリフは私の妄想です。
それからアクリル絵の具と木工用ボンドを購入して、あとは家で一日作業。
本当はグレーのラッカーで下塗りしたかったのですが、手近な文房具店では見つからず。木工用ボンドに黒の絵の具で色を加えてグレーにし、箱に下塗りすることで色のノリが良くなるようにコーティングします。
充実した日曜日!
台座も剣も、長年誰も抜けず雨風に晒された感を出すためには古く見える加工をしなければなりません。
そこで使う技法が「ドライブラシ」。
黒、茶、緑、といったアクリル絵の具を調合して…
毛先が硬めの筆にチョンチョンと付けたら、ペーパータオルなどに擦りつけて絵の具を落とします。
それを箱に強く押し付けるようにしていくと…あら不思議!古く見えてくるんですね~。
最終的にこうなりました!マジか、めっちゃ石やん。うまくいきすぎて自分が気持ち悪いわ。
ただ、近くで見ると発泡スチロールの粒々が目立ちますが…。
引いて見るといいよいいよ!
いよいよメインの聖剣を加工する
台座は出来た、しかしメインは聖剣です。
これが楽天で購入したピカピカテカテカしたままの状態だと何の説得力がありません。伝説の勇者が引き抜いたところで、「いやだってそれさっき刺さったばっかなんでしょ」と言われたら溜まったもんじゃない!
剣を聖剣にする加工、はじめます。
こちらも同じくドライブラシで汚します。
刀身がうっすらと白いなーと感じた方は、大正解。
これも箱と同じく絵の具のノリを良くするためにボンドでコーティングしています。
こいつが…
こう!
お、お!おぉ!!汚れたなぁ~。
ボンドの滴ったあとが目立っていますが…そこは「聖なる刃紋」で乗り切りましょう。
別に、乗り切る相手はいないけど。
乾燥中。
台座と同様に、黒・茶・緑の絵の具でそれらしく汚しました。
かなり、いいんじゃないでしょうか!
経年の金属なので、ところどころの溝に緑を置いてサビを再現。
そして…聖剣以上に殺傷能力の高いナイフで台座に穴を開けー、
ドッキング~!!
できた……。
まずい、すでに成し遂げた感覚が芽生えてしまっている。
まだ本番ではないんだ、シッカリしろ!俺。
よく見ると隠しきれない「MADE IN CHINA」。
ご存じですか?聖剣は手荷物検査に引っかかる
聖剣&台座を携えて、ダナンに向けて空港へ。
どう見てもオモチャだし手荷物でも問題なかろう、と思っていたら…。
空港職員「ノー」
ネルソン「え、いやいや、ディスイズトイ!オモチャだよコレ!」
空港職員「ノー」
ネルソン「なんだよこのベトナムエアラインズ!」(関係ありません)
結局チェックインカウンターにふりだし、無事に預け入れ荷物に追加できました。
まぁ、受付のお姉ちゃんがちょっと笑ってたからよしとしよう。
およそ三時間後、ダナンでピックアップ。
入れた袋のブランドマークが目だったので、なんか封じてる風だった。
刺すぞ!抜くぞ!いよいよ五行山の光の中へ
ダナンに滞在する日数は三泊四日。昼間を過ごす日は中二日なのでチャンスは二回、一回目は曇りで諦め、文字通り雲行きが心配…となりましたが、幸い二回目は快晴に恵まれて、いよいよ本番当日となりました。
いくぞ、お前たち!
五行山、もう4,5回は来ている気がするな~。
大理石のため滑りやすいので気をつけましょう。
気分はウキウキ!(顔は無表情!)。
大黒様にご挨拶してー、
観光客をかき分け、
いよいよ…。
いいね…!光、立ってんじゃない…!?
見上げるとホラ、神々しい。
このまま天に上っていってしまうんじゃないかと頭をよぎりますが、まだ死ねません。
神よ、俺を殺すなら聖剣を突き立ててからにしておくれ!
では、早速……
よいしょ、よいしょ…
ドオオォォォン…!!
これだ…!
俺が見たかった光景は…これだったんだ……!!
はじまるよ、冒険が!…冒険がはじまっちゃうよ……!!
と、基本的には観光客が行き交っている場所なので、聖剣だけのアングルの写真はこれだけ。
ただ、それはそれでおもしろい写真が撮れました。
姉妹(たぶん)が興味津々。
聖剣を引き抜かんとする勇者とそれを見守る巫女かな。
こちらのお兄さんは「さぁ、引き抜きたまへ」と言わんばかりの構図に。
この人、絶対聖剣意識して撮ってるわ。
しかし、構ってもらえたのも最初だけ。
徐々に気に留められなくなり、聖剣が集合写真に入りきれないぼっちキャラみたいな感じになってきた。
それらしく掲げてみましたが、
勇者は笑顔で腹を見せては格好がつかないことが分かった(トリビア)。
やりたいことは全部やったので大満足です。
めっちゃ短いんですけどね。
こんな長い記事を最後までお読みいただきありがとうございます。
さぁ、どないしよこれ。