タイの日系老舗フリーペーパー「DACO」さんで、なんと「ネルソン水嶋」特集を組んでもらうことになりました。そこでいち企画として、タイでもドリアンマンを決行。いや~大変だったわ!でもやってよかったわ!何がどうそうなのかってところは、読んで!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2018/09/08
タイの日系老舗フリーペーパー「DACO」さんで、なんと「ネルソン水嶋」特集を組んでもらうことになりました。そこでいち企画として、タイでもドリアンマンを決行。いや~大変だったわ!でもやってよかったわ!何がどうそうなのかってところは、読んで!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2018/09/08
移住っていいですよね!
実は6月末からタイのバンコクにいます嘘です、じゃないです。真(まこと)です。
経緯については話せば長くなる…というより、長い話を下記に書いたのでご覧ください。エモいよ。
タイ行きについては、こうして上のブログに書いたり、ほかのウェブサイトでもそのあらましを寄稿したり、Facebookページでもさんざん書いているのでご存知の方も多いとは思います。が、べとまるでは一切触れていなかったので初耳だぞ!末代まで呪ってやる!という方も多いかもしれません。マホカンタ。
今は『海外ZINE』というサイトの編集業務に力を入れているので、その仕事の幅を広げるため、というのが理由なのですが、相も変わらずベトナムにはちょこちょこ来ては本サイトを更新していくつもりです。というより、バンコク生活も一年経ったら戻ってくるつもり。どこへ行くにしろベトナムには一箇所拠点を置きたい(できればダナン)とは常々考えているんだけど。今後ともよろしくお願いいたします。
で、だ!本題だーー!!(「紅/X JAPNA」のノリで)
目次
ライター業は減らし気味とはいえ、バンコクで顔を広げる意味でも仕事を獲得したかったわたくし。そこで友人を介しまして、現地で創刊20年という超老舗フリーペーパー『DACO』へ売り込みに行った訳ですね。そんな歴史の長い媒体なんて、あっちこっちにクリエイターとのコネクション持ちまくりんぐじゃないですか~!?ウヘヘ、ウヘ!ゲへ!ゲホッ、ゲホゴホ!ゴホッゴホッ!!オエッ、ゴホゴホゴホ!!
森の中にある怪しげな施設ではありません、バンコクの中にあるDACOです。
したらばだ、
ネ「仕事ください」
ダ「じゃあネルソン特集しましょう」
ネ「いいですね~!どういうこと?」
1/100くらいに要約するとこんな会話がありまして、なんとまー「DACO」さんで私の特集をすることになってしまった!
今だからこそ正直に言うと、このときはまだDACOについてよく知らなかったのですが(思えば就活生だった頃もろくに企業研究をしなかった!悪癖!)、知れば知るほどおもしろい媒体ですよこりゃあ。
「気にすらしないタイのこと」をコンセプトに取り上げてきたテーマは、タイの昆虫食、変な建築物、心霊スポット、使える洗剤、などなど…いや数え切れませんけど。ホラ、おかしいでしょ。あたま。念のため言っておきますけど、「頭おかしい」って褒め言葉の最上級ですからね、我々の世界では。
我の世界だったかもしれません。
そんな背景を踏まえると私に白羽の矢を立てていただいたことも納得ちゃ納得ですが、DACOではこの20年の間にひとりの人物について特集を組んだことはなかったという。ひぇ~っ…オラが言うのもなんだけど、どうなっても知らねぇぞ!現実世界にドラゴンボールはねぇんだぞ!誰も死なねっけども!
特集、いろいろやりました。目次みたいになりますが、簡単に挙げるとこんな構成。
・インタビュー
・代表作(記事)の紹介
・タイでドリアンマンやってみた
・タイの洗礼を受けさせる
・特別企画
ここで詳しくは載せられないけど、ページを開くとこんな感じです。やっぱ狂ってんな!(DACOが)
そして、バンコクのフリーペーパーですが、なんと下記リンクから読めます。16ページから。
https://my.ebook5.net/dacoonline/number488/
そもそも「ドリアンマンって何?」という人は先にこちらの記事をご覧ください。
https://www.vietmaru.com/blog/2015/06/12/durian-man/
かつて、こういうことやったの。かっこいいでしょ?そしてなんかYahooのトップに載ってしまった。
というか、べとまるを見ていてドリアンマンを知らなければ、弊サイトを純然たるベトナム紹介サイトだと思っているのではなかろうか。それは私にとって本当に恐ろしいことだから、すぐにドリアンマンの記事を読むか、踵を返していつものホームサイトに戻ってあなたの世界に戻られるがよい。反応が怖い。
てなもんで!本編はDACO本誌をご覧いただくとして、ここではこのみっつめ、「タイでドリアンマンやってみた」について詳しくお伝えしたいと思います~!ところで「てなもんで」って「てんやもん」に響きが似てるよね。なに?どうでもいい?俺だってどうでもいいわ!言ってみただけだよ!ば~か!
いつもだったら完成品から先に披露するところですが、今回は事情があるので時系列でいきますね。
タイとベトナムといえば、どちらも東南アジアの熱帯に属する国。トロピカルフルーツのバリエーションはダダっかぶりです。それは当然ドリアンにも言える話で、まずはヨロイにするための素材を集めにMOF、ファーマーズマーケット的な場所へ行きました!
MOF!ベトナムの和風カフェチェーンのことじゃないです。
DACOの編集Uこと田澤さん。私を特集化した主犯、クレイジー編集者、略してキチ編です。この写真はソムタム屋(タイのパパイヤサラダ)の有名店で、「DACOに紹介されました!」という掲示とともに撮影しました。そしてタイでは、ドリアン製品がとにかくたくさん!
チップスとか!
香水とか!
そうです、香水。とか言いながら今の商品はドリアンではなく確かカオニャオ・マムアン(ココナッツミルクで炊いたもち米にマンゴーを添えたもの)の香水だった訳ですが、同じブランドでドリアンの香水もつくっているとのこと。ただ、今は「生産中止」だと話していました。う~ん、情報が!穴だらけ!!
ドリアンのお店を探します。
すぐ見つかった。
あ、なんかこれ…
めっちゃカワイイ!!
なんかこう…小動物の赤ちゃんみたいじゃないですか?くるまれた白い紙もまるで産着のようです。
食べるけどな(試食でもらった)。
甘えん坊のジャバ・ザ・ハットみたいな顔になりました。
私「ここで皮もらうんですか?」
田「いや、向こうにすごい人気店があるから、そこでもらおうかなと」
それがこの人気店。
相変わらずドリアンの可愛さが爆発しています。これもうキティちゃん超えてんじゃないの?
田「このおばちゃんが愛嬌あるってことで人気なんですよ」
私「愛嬌で人気…さすがほほ笑みの国!」
右がそのおばちゃん。なんか若いな。お客さんとのやりとりを見ているとすごいフレンドリーで、言葉が分からないながらもなんとなく人気の根拠を理解。真の人気は国境を超えるのだ。勉強になります!
ちなみに値段はというと、この人気店でドリアンの実100g分で300バーツ。およそ1000円です。え、それ、スーパーで売ってる高級和牛より高いんじゃないの…?いやー高級品だな…!!
またもらった。美味いけど、胃もたれしそう…。
そう、さっきの試食もそうだったけど、タイのドリアンって美味しいんですよね。ベトナムのものに比べて、良い意味であっさりしているというか、クドさが押さえられている気がしてる。
日本人でドリアンを食べたことがある人の方が少ないかと思いますが、たとえるなら「シュークリーム」の中身です。いやマジで。シュークリームって外側のパフ生地があるから、あれだけ中身がドロッとしている訳でしょ?その点ではドリアンは「剥き出しのシュークリーム」と言えるでしょう。
品種改良もあるとはいえ、実を開けたらシュークリームが入っているんだから昔の人も狂喜乱舞ですよ。シュークリーム!これぞ森のシュークリームや~!って、その時代にシュークリームはないと思うけど知らんけど。でも逆に東南アジアの人がシュークリームを食べたときにドリアン!これぞ街のドリアンや~!って狂喜乱舞したのかもしれませんね。この話どうでもいいんで、次に進めましょうか。
ドリアンの皮がほしいなら付いてきな!ってことで案内してくれるそうです。わードラクエっぽい展開。
ズンドコズコズコ…
加工場だーー!!(「紅/X JAPNA」のノリで)
好きなだけ持ってっていいよ、ということで全身パーツ分のドリアンの皮を頂戴しました。
それをDACOオフィスに持ち帰ったら水洗い。
ちなみにこのとき、淡々と案内されるばかりで興味を示されなかったことが意外で(ベトナムだと「何やってんの?」と構ってくれるというか構われるというか)、田澤さんいわく「アートでいろんなものを欲しがる人もいるから」とのこと。ドリアンの皮を使ったアートの前例があったかどうかは分かりませんが、さすがはサブカルチャーが盛んなタイ・バンコクという話でした。
さて、素材は集まった!加工だ、加工すっぞ。DIYだ。DYIか。いやどっちだっけ、DだD、Dするぞ!
D(ドリアン)をD(DIYかDYI)、まずはナイフで芯の部分をくり抜きます。
この芯が残っている以上、ドリアンの皮は身体にフィットしません。いや、ごめん、くり抜いたところで大してフィットしないんですが、ないよりは全然マシなのでここはなるべく頑張ります。
途中で隠れドリアンを発見!もったいないな~!うぅむ、返しに行く訳にもいかないし…くれたから…。
いただきます!
皿に置かれて目の前に出されると、匂いもあってちょっと気後れするドリアン。が、ゴミだと思った中から出てくるとまるで宝石を発見した気分です。この感覚なにか知ってるぞと思ったら、かぐや姫のあれだ。おじいさんが竹を切ったら姫が出てきたときのトレジャー感。棚からぼた餅。おじいさんが「竹から子どもが!たなぼたじゃ!」とか言ってたらイヤだけど。人間だぞ!いや月の人か!知ったことか!
くり抜いたらふたたび水洗い、からの天日干し。イメージがふくらみますね~。
二日後ー、再びDACOのオフィスへ。
さ~てと、加工は本日本番!いいものをつくっちゃうぞ~!
しかし…
カビってる!!!!
めちゃくちゃカビってる~~~~!!!!
バンコクは雨季(知ってたけど)。二日の間に豪雨が降りしきったお陰で、このような結果に。うぅむ、心理的にイヤではあるが、何も壊れて着れなくなった訳でもないので、見なかったことにします。忘却のドリアンマン。なんか記憶喪失のヒーローみたいでかっこいい。嘘、そんなの全然思ってない。
こんな感じでゴムバンドをネジで留めます。と思ったら、
めっちゃ飛び出してたわ。
いや、これは、ネジが長すぎた。しかし短ければその分だけ抜けやすいということで、まぁいいじゃないか。ここまで飛び出してるとドリアン本来のトゲトゲが刺さる前にネジが刺さりそうだけど。
さすがはドリアン、作業台(ダンボール)はトゲトゲで穴だらけに。君のそういうとこ好きだよ。
いい感じ!当初より少し黄ばんでるけど、十分に黄金聖衣(ゴールドクロス)の風格が出てるよ!
これはいいパフォーマンスが期待できる!
新たなドリアン伝説に胸を躍らせながら、決行日を楽しみにしながら帰宅。
しかし…当日。
またカビってる!!!!
しかも…
すごい縮んでる~~~~!!!!
これとかもう、生まれ変わったら貝になりたいぃ…と言わんばかりに反り返って逆に閉じてますもん。
どうしてこんなことになったのか。
考えてみると、これまでのドリアンマンはすべてその日に作ってその日に着ていた、気がする。つまり、漁船で釣った魚をその場で刺し身にして食べるようなものだったんです(ぜんぜん違う気がする)。
言ってみれば「フレッシュドリアンマン」だった訳だけど、今回は数日空けたことによって「オールドドリアンマン」になってしまった。ドリアンはなにも食べるだけではなく、着るという行為にも消費期限が存在したのです。知ってましたか?俺は知らなかったよ。俺が知らないなら誰が知っているというのか。
田「いいじゃないですか、歴戦の勇者な感じが出ていて」
私「本当にそう思ってます?」
これを本心で言ったのかそれとも慰めの気持ちで言ったのか分かりませんが、担当者の田澤さんが言うのであれば問題ないか。頑張って街を歩くぞ!それに、フリーザ様だって最終的には小さくなる訳だから、バトル漫画でよく見る「力が凝縮された強さ」を演出できるかもしれない。
では、着用だーー!!(「紅/X JAPNA」のノリで)
ちっちゃ。
…。
ちっちゃ!!
これはもう言い回しで誤魔化しができないので言いますね!
めちゃくちゃ縮んだ。しょぼい。やばい。
乾きすぎて反り返って、肉に食い込んでもう痛いこれ。ヨロイっていうか、拘束具?拷問器具??
いーや、いまさら構うか!ゴーだゴー!(表情は死んでいる)
ここからは自分で撮影できなかったので、田澤さんに撮ってもらった動画から切り出した写真をお送りしたいと思います。まぁ、それはそれとして、
改めて、しょぼいな。
ベトナムではそのサイズ感からヨロイ感が漂っていたのだが、今回はスケールダウンしたことで、素の身体のだらしなさやプロポーションの悪さがいかんなく発揮されている。ちょっとこれ身体鍛えないとダメだ。まさか、ドリアンマンになることで運動の意識が芽生えるとは思わなかったぞ…。
だが、ドリアンはドリアン!見れば分かる!ベトナム・ホーチミンでは驚きとともに笑顔で迎えられたこの姿、果たしてタイではどうなるか。同じ東南アジア、同じドリアンを食す、という共通項もあります。きっと同じように受け入れられてくれるはず…!
いきなり素通りされたけど、な!
なにはともあれ見てもらわないことにははじまりません!歩くぞ~。
ん~?
お~??
おぉ~???
あれだな、引いてるな。
田澤さん「やっぱりバンコクは都会だからそういう感じですね」
ネルソン「俺のせいなんだけどさ、騙された感がすげぇよ今」
どうしよう、今すぐ脱ぎ捨てたくなってきた。
いやしかし、脱いだら脱いだで全身タイツ男だ。進むも退くも地獄ってやつだ。だが、これも乗りかかった船、というか乗りかかった上に船頭を任された船、いくところまでいっちゃうぜ…!!
すると…!?
タイの人「おいおいあんたクールなことしてんな!俺と写真撮ってくれよ!(意訳)」
ネルソン「え、撮ろう!ぜひ撮ろうよ!」
バイタクも!
おじいちゃんも!
欧米人っぽい方も好反応!(なぜか「Congratulations!(おめでとう!)」と言われた)
そして…
子供たち「うわっ、やべー!かっけー!!(意訳)」
はーい!
へーい!
ほーい!
謎のハイタッチがはじまった。
あ、これ、小学生の集団下校か…!
子供たち「わー!あのドリアンマンだー!!(意訳)」
はーい!
へーい!
ほーい!
ちょっとちょっとなにこれどういう状況??
女の子「あたしはー!」
女の子「ねぇちょっとあたしはー!?」
ネルソン「ごめんごめん!はいタッチー!」
女の子「おk」
ネルソン「あっさりしてんな」
なぜかハイタッチの流れになりましたが、冷静に考えたら子供たちにとってもビックリですけどね。下校中になぜかドリアンの皮まみれの男とハイタッチする流れになっているって。トラウマ化しないか心配でしたが、反応を見る限り大丈夫そうです。タイの子供はタフだな。そして、そのあとも…。
フルヘルメット「俺とも撮れ!」
その格好に記念撮影の意味はあるのか、デスノート対策かよ。
バイタク「こっちゃ来ーい!」
ネルソン「父さーん!(なんだこれ?)」
なお、このあとDACOのオフィスに戻る予定だったので、流れでこの人に乗せてもらったのですが、
バイタク「…」
ネルソン「…」
移動中はお互い終始無言でした。
これにてタイでドリアンマン、終了!
いやー、完成度は低かったけど、やったらやったで楽しかったですね!
せっかくなので、田澤さんが撮った動画も載せておきます。
冒頭で私、「ドリアンは人を傷つけるためじゃなくて、笑顔にするものだ」って言ってるんですけど、
そもそも食べ物でしたね。
ドリアンアーマーは縮みきってしょぼかったけど、それでもバンコクのひとびと(おもにバイタクと子供)に笑顔とともに受け入れられたドリアンマン。やってよかったなぁと思います。次回やるときはその日に加工してその日に着用、ということが必須ですね。ドリアンマンとして経験値を積めました。
https://my.ebook5.net/dacoonline/number488/
今回のネルソン水嶋特集では、このドリアンマン企画もほんの一部です。バンコクの雑誌だからバンコクでしか読めない…と、思いきや!前述の通り、世界中からオンラインで読めますぞ。気になる方はぜひ上記から飛んで見てみてください、16ページから特集の本編です。表紙はとってもネタっぽいのですが、冒頭で書いた目次の通り、けっこうまじめなインタビューも載っています。俺まじめなんだよ、知ってた?
あわせて、こちらもDACOの編集長と社長にインタビューをしたので、それもそのうちここで書く予定。ここまでやると回し者かと思われますが、ただ単に仲良くさせていただいているというだけです。