ベトナムの一部地域でもそうですが、タイではけっこう昆虫食がメジャーです。バンコクのコンビニやデパートでは至ってふつうにコオロギなどのスナック菓子が売られています。そんなお菓子を買って、試食してみようじゃあーりませんか!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/11/24
ベトナムの一部地域でもそうですが、タイではけっこう昆虫食がメジャーです。バンコクのコンビニやデパートでは至ってふつうにコオロギなどのスナック菓子が売られています。そんなお菓子を買って、試食してみようじゃあーりませんか!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/11/24
本記事は、2016年2月5日に「ネタりか」(運営元:ヤフー株式会社)で公開された記事を転載したものです。 サービス終了に伴い、許可を得た上で、べとまるにて公開いたします。
***
「食料危機だ……。肉も魚も野菜も、人類が増えすぎて食べるものがない!」
「長靴いっぱい食べたいや!(バクバクバク)」
「あいつ、何を食べてやがる! よこせ!」
「長靴いっぱ(バクバ)……あっ」
「む、虫!?」
目次
はい、虫です。
自己紹介じゃなくて。今回のテーマが。
こんにちは、ネルソン水嶋です。
いきなりですが、みなさんは、虫って食べたことありますか?
長野出身の方であれば、イナゴや蜂の子が有名なので食べ慣れているかもしれません。が、ほとんどの人にとっては、テレビのバラエティ番組で若手芸人が罰ゲームで食べているというイメージではないでしょうか。
食用としての昆虫は、近い未来に訪れると言われる食糧危機問題を語るうえで、「肉や魚などに取って代わることのできる良質なタンパク源」としても注目されています。すでに現在の人類、73億人中20億人の人が虫食を実践していると言われており、東南アジア、とりわけタイはその分野では先進国と呼べるかもしれません。
なぜならば!
デパートの~!
お菓子コーナーに~!
普通に虫のスナック菓子があるからです!
もう一度言います。
普通に虫のスナック菓子があるからです!!
ご覧ください、ゆるキャラをあしらったかわいらしいパッケージでしょ?
内容物は、蚕とコオロギ。
塩、海苔、バーベキューの3種類のフレーバーで味付けされています。
店頭には置いてありませんでしたが、ほかにチーズ味もあるそうです。
なるべく農薬を使わない畑で採取した虫を、衛生基準を満たした工場で加工されているとのことで、多くのスナック菓子より健康に害が少ないどころかむしろ良いかもしれません。値段もたった25バーツ(日本円で約80円)とお手軽です。まぁ、これを読んでいる大半の人にとって、「そういう問題じゃない」ということは分かっています。
先に書いておくと、私は虫を食べるのが好きではありません。
ただ、残念ながら、これもお仕事なのでもちろん食べます。
しかし、「家で一人で虫を食べる」なんて人生のどん底体験があるか?
そこでちょうど友人たちとの飲み会があったので、「とんでもないものを持っていく」とだけ伝えてブツを持っていくことにしました。私は普段ベトナムに住んでいるので、日本食を食べられる居酒屋に行く機会がそれほど多くはありません。全員がおいしい日本食に舌鼓を打ちながら、ブツの存在を完全に忘れた頃に、ゆっくりと取り出しました。
私 「さぁ、開けてみてよ!」
友人「嫌な予感しかしないんだけど……」
バッ! ジャッジャッ!
バーーーーーーーーーン!!
バババ、バーーーーーーーーーーン!!
友人「うわあああ!」
って、
思考停止してんじゃないすか。
案の定、誰も手を付けないので、私(写真右)と友人の男衆がまずは試食。
バリッ、ボリッ、サクッ、サクサク……。
私 「干しエビ?」
友人「ですかね?」
味はほんのり塩気があり、意外と香ばしい。油で揚げられて水分も飛び切っているので、虫食シーンでよく聞くような「ブチュッと体液が飛び出す」ということもない。乾燥しているだけに細かく砕けて口の隅の方に残るけど、これを食べてマズいという人はいないかも……。ただ、おいしいという人がいるとも思えない。
例えるなら、干しエビをそのまま食べている印象で、虫の味はエビに近いとは昔の偉い人はよく言ったものだと思った。ほかに言うべき点があるとすれば、カサカサ加減がピーナッツの皮やポテチの袋の隅に溜まる残りカスという感じだ。
私 「もしかしたらコレ、ダシが取れるかも……」
全員「想像したくもない」
抵抗していた女性の友人もレッツ・トライ!
意外に思い切った!
いやだから、思考停止してんじゃないすか。
友人「あ、確かに干しエビですね。そんなに悪くないかも」
それからボリボリと食べはじめる友人。
そういえばグロテスクな料理には、男性より女性の方が強いと聞くね。
友人「ほら! ネルソンさんも、コオロギまだ食べてませんよ?」
私 「食べました!」
友人「食べてない!」
私 「食べますよ!」
コオロギは、蚕と違って、顔が視認できてしまうところがツラい。
一度見つめ合うとフォーリン・ディストピア。
魚はどこ見てるのか分からないから食べられるんだって、今分かったよ。
このままじゃ私まで思考停止になるので、迷わずGO! バクッ!
私 「ふむふむ。ふんわりと香ばしさがありそれでいて上品な……」
友人「ウソでしょ」
私 「ウソですわ」
コオロギの味も、蚕と大して違いはありませんでした。
お菓子としては、おいしいともマズいとも言えないという率直な感想でした。
ただ、食べられなくもない、という感じ。
真面目な話をすれば、私たちが生きている間に食糧危機が訪れるのか分からないところですが、少しくらい食べ慣れておいても損は無いと言えるでしょう。そういう目的では、現地の屋台などで売られる虫はかなりハードルが高いので、こういったスナック菓子で試してみるということも良いのかもしれません。
ま、そうでなくとも、ネタ的なお土産にはちょうどいいかもしれませんね。
翌日からあなたのアダ名が「蟲師」になっても、責任を持ちませんけどね。
これらの商品はタイの一部のセブンイレブン、または冒頭で登場した「Tops market」で取り扱っています。
余談ですが、タイは、普通のポテトチップス(の包装)もエキセントリックでした。
***
編集:ノオト