ホーチミン近郊の観光スポットといえば、メコン川ツアーかクチトンネル。南ベトナム解放戦線(いわゆるベトコン)が戦時に使っていた地下道で、その狭さと暗さは一度体験する価値大アリです。何故か実弾も撃てちゃいます。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/05/29
ホーチミン近郊の観光スポットといえば、メコン川ツアーかクチトンネル。南ベトナム解放戦線(いわゆるベトコン)が戦時に使っていた地下道で、その狭さと暗さは一度体験する価値大アリです。何故か実弾も撃てちゃいます。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/05/29
トンネルっていいですよね!
心霊現象が起きるトンネルといえばやはり和歌山県某所にある鷹見トンネルが有名ですが、そもそもこんな場所はありませんし嘘ですしすみませんでした。
目次
身も蓋も無いことを言いますが、ホーチミン市内は観光地としてそれほど充実しておりません。
戦争証跡博物館、中央郵便局、統一会堂…。
基本的に行列ができている場所は無いため、一日もあれば余裕で回れるでしょう。
本気でベトナムを満喫したければ、ホーチミンやハノイ以外にも、ダラット・ニャチャン・フエなどの地方都市へ足を伸ばすことをオススメしますが、二泊や三泊程度しか滞在しないという方にとっても丁度いい便利なツアーがあります。
「クチトンネル」と「メコン河」です。
そこで今回は、クチトンネルツアーへ行って来ました。
クチトンネルとは何ぞや。
一言で表せば、ベトナム戦争下でベトコンがつくった地下トンネル。
全長200kmに及び、米軍に見つからないようこの経路を伝って移動したそうです。
Đề Thám通りが旅行代理(ツアー)店の密集地帯となっているので、そこへ行ってクチトンネルの旨を伝えればどうとでもなるでしょう。
場所、有名どころのツアー会社、料金などについては最後にでも。
朝8時、Đề Thámにあるツアー会社前で集合です。
この時間は各社で同時多発的にバスを発車させるようで、通りの幅の1/3を埋め尽くすバスと色んな国のバックパッカー達が目立ちます。
ちなみに今回は、英語ガイドのツアーを申し込みました。
僕はからっきしですが、連れ立つ4人は出来るので心強いかな悲しいかな。
バスに乗り込む。
内装をパッと見で意外にまともやーん、思ったら…。
網がぶっ壊れてやがる…。
まぁ、こういう状態は珍しくない国、というか東南アジアです。
それからバスに揺られておよそ一時間。
トイレ休憩も兼ねた漆(うるし)製品工場の見学です。
漆ってなんとなく日本独特の特産品というイメージがありますが、そういえばベトナムでも結構なお土産屋さんで売っていた覚えがあります。
おばちゃん職人の手元のカゴにあるのは…卵の殻??
漆製品を見るとてっきり貝殻を埋め込んでいると思ってたんだけど、そうなのか。
奥へ進むと漆製品がズラララッと並んでいます。
あぁ、ここでお金を落として頂こうっていう算段なのね。
皿です。
お椀です。
アオザイです。
遊び過ぎです。
怖過ぎです。
面白くない人です。
ファンキーな恵比寿さんです。そもそも漆なんかコレ?
それから更にバスに揺られて一時間ちょっと、突如として80,000VNDの徴収、クチトンネル入場料らしいです。
予約は人に任せ切りだったのであらかじめ注意連絡があったのかも知れません。
こういうこともあるので、念の為にご留意下さいということで。
遂にクチトンネルへ到着しました。完全に雑木林です。
そして遠くの方で「ッターン」と謎の破裂音。後半になって音の正体が分かります。
ツアー序盤で一番の目玉と言ってもいいスポットにたどり着きました。
これが、クチトンネルの入り口です。
フタが見えると思います、ノートPC一台分くらいです。
こうやって、
両手を上げて、
中に入っていくと、
死にます。
死にます(死にません)。
このあとでザックも入ったのですが、あまりにもその絵が面白過ぎたので貼っておきます。
どうですか、完全にイジメです。
もしくは、村の掟をウッカリ破って仕打ちを与えられている旅行者です。
ちなみに、このまま地下へ潜ると完全に真っ暗闇です。
ダイアログ・イン・ザ・ダークってイベントをご存知ですか?
非常に良い経験になるので是非一度は行ってみて頂きたいんですが、つまりは自分の手足すら見えないほどの完全なる暗闇の中を四つん這いで進みます。
特に閉所恐怖症でも暗所恐怖症でもない僕ですが、手探りで進んでいったところ道が分岐していることを知った時には1%ほど出られない可能性が脳裏によぎって流石に入ったことを後悔しました。
が、2~3分ほどで地上へ出られるので是非トライしてみてください。
あれは根性試しの領域です。
ベトコンがそんな地下道でどうやって敵味方を判断していたかというと、匂いだそう。
ベトコンがサンダルを履いているのに対して米軍はブーツ、汗の匂いが半端無い。
視覚が完全にブラックアウトされるとそれだけ嗅覚が効くのも分かる気がします。
これ以外にも、色々と興味深い話があったんですが、それはツアーに参加してのお楽しみということで伏せておきます。
ホーチミン氏の名前の由来なんかについては、結構感動的な話でしたよ。
お次は罠です。
落とし穴タイプのものがたくさんある様で、ガイドさんが棒を突っ込んで実践してくれます。
ドアを開けるとこれが飛んでくる、みたいな感じです。
死ぬわ。当たり前か。
もう見たまんまですが、針付きの落とし穴。
忍者屋敷のドアの様にフタがぐるんぐるん回転します。
そんな中で、この様な会話も。
ガイド「トライしてもいいですよ!」」
中東系「いくらだい?」
ガイド「金なんて取らないよ!」
中東系「違うよ、いくらくれるんだってことだい?」
参加者「どっ(笑)」
中東系やけど、なんというアメリカンジョーク。
台本があったかの様な流れで言いよって、変なところに感心してしまった。
迷彩服の四人はベトコンを模したマネキンです。
三年前の冬に行った網走刑務所博物館を思い出す…。
さて、クチトンネル到着時に聴こえた破裂音ですが、進むほど音がより大きくより鮮明になっていって、その正体が一体何なのか誰の「耳」にも明らかでした。
「射撃」です。
クチトンネルツアーでは、射撃が出来るのです。
弾の値段はそれを込める銃器によって違うのですが、10発で200,000VNDか350,000VNDの2タイプだったかと思います(でもおぼろげ)。
ツアー自体が110,000VND、クチ入場料金を足しても190,000VNDなので、ここで結構稼いでいますね。
とは言っても、弾はやっぱり高いだろうからそうでもないかな。
という訳で挑戦してみよう!
腰は引けてないけど腰が引けてるってのがよく分かる恥ずかしい写真。
左で腕を組む指導員はさも鬼軍曹の様です。
て、おい!見ろよアンタ!!
人がぶっ放している時に黄昏てんじゃねぇ!!
銃口の先は何もありません、ほんとに何もありません。
この数キロ先も人に着弾しないよう本当に何も無いのか少し気に掛かります。
ベトコンのサンダルはタイヤを切り抜いて作られています。
上は子猫サイズ、下は象サイズ。
このツアーでは半日だけなもので昼飯は出ませんが、タピオカだけは出ます。
ふかしたさつまいもから食感はそのままに見事に甘みだけ抜いた味。
ベトコンはこういうものを食べてたんだよってことらしいです。
とまー、これでクチトンネルツアーは終わり。
ツアーは、英語でいいなら老舗のシンカフェが有名です。日本語ガイドが欲しいなら、TNKトラベル、スケッチトラベル、HIS、などがあります。検索すればすぐに出てくるでしょう。