今のベトナム語はフランス人牧師がつくったもので、アルファベットがベースです。しかし、かつては中華圏でもあった国、言葉のルーツは7割が漢字で表現できるのです。この対応表はそれが分かるとてもレアなもの。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/11/11
今のベトナム語はフランス人牧師がつくったもので、アルファベットがベースです。しかし、かつては中華圏でもあった国、言葉のルーツは7割が漢字で表現できるのです。この対応表はそれが分かるとてもレアなもの。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/11/11
漢字っていいですよね!
漢字は人類史上最も文字数が多い文字体系で、その数は10万を超えるそうです本当です。
ベトナム語はフランス語表記に少し似ています。
これはフランス統治の頃につくられたもので、それまではどうだったのかというと…漢字です。
ベ トナムは紀元前111年からおよそ1000年に渡って中国の支配下に置かれていたという歴史があり、長年に渡って漢語が国語とされてきました。が、最終的 には、その漢字でも一部のベトナム語を表記することが出来ず、1954年に正式に廃止されて現在まで続くQuốc Ngữ(クォック・グー)に取って代わられます。
なお、補足知識として、その漢字とQuốc Ngữ(クォック・グー)までの一部の期間を埋めていたものが、13世紀頃から登場したチュノムと 呼ばれる漢字をベースにしたベトナム語用言語です。しかし、習得が難しいため一部知識層の間でしか扱われなかったということと、フランス統治によるフラン ス文化の流入というタイミングもあって、このチュノムはQuốc Ngữの普及と共に表舞台から姿を消すことになりました。
と、いうことで、言い換えるなら、現在のベトナム語は『一部』を除く70%が漢字で表現可能なのです。
そんなベトナム語と漢字の対応を表記した資料がこの『常用漢字表』!
こ の資料が存在するという噂を聞きつけて、ありとあらゆる知人友人に確認を取り、「6年前に買ったよ」という友人から遂に借りることが出来ました。どうや ら、もう出版はされていないそうで、新品の書籍として手に入れることはかなり困難な模様です。ただし一部の日本語学校では、漢字を覚えるための資料として 内容が同じ教材を使用しているようなので、交渉次第では融通を利かして売ってくれるかもしれません。
表紙を開くと…
この通り!
ベトナム語と漢字の対応がビッシリと!書いてあります。
その数、実に…1945!
見たところ、かなりの割合で私達も知っている漢字があるようです。
そして、日本語もベトナム語も同じ漢字をルーツとする部分があるため面白い共通点が見つかります。
たとえば、『天然』という単語。
日本語だと、天然(てんねん)。
ベトナム語だと、Thiên nhiên(てぃえんにえん)。
そう、もうお分かりだと思いますが、非常に発声が近いのです。
ベトナム語からの逆引きも可能です(ベトナム人的には逆引きというかこれが正しいか)。
ま、ベトナム語学習に役立てようと思って入手しましたが、発声もおぼつかない内から役に立つものではない様ですね。ある程度のベースが出来上がってきて初めて理解を進める補足資料になるという気がします。