ベトナムと北朝鮮って仲が良いらしいですよ。という訳で、ハノイとホーチミンには北朝鮮レストランがあり、おそらく彼の国の上流階級のお嬢さんたちがインターンシップをしています。仕事は、給仕、歌、踊り、バンド。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/08/10
ベトナムと北朝鮮って仲が良いらしいですよ。という訳で、ハノイとホーチミンには北朝鮮レストランがあり、おそらく彼の国の上流階級のお嬢さんたちがインターンシップをしています。仕事は、給仕、歌、踊り、バンド。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/08/10
北っていいですよね!
時計で0時は上を指していますが、それは日時計の0時が北の方角だったからだそうです嘘です。
ある日のことー。
友人「ネルソンさん、北朝鮮レストランへ行きませんか?」
ネル「行きます!」
という訳で、
ホーチミン市3区にある北朝鮮レストランの前に到着。
そう!なんとサイゴンには北朝鮮レストランがあったのですね~。
知らんかったー。いや嘘、知ってたんだけど、ハノイにしかないと思っていた。
いつか行きたいと思っていたんだけど、サイゴンでもオープンしたんですね(厳密には再開らしい)。
北朝鮮レストランは、文化PRと外貨獲得という目的で北朝鮮が運営している国営レストラン。
国交のある国で60店舗ほど展開しているのだとか(多いんだか少ないんだかいまいち分からん)。
なお正式な国名は「朝鮮民主主義人民共和国」ですが、記事中では北朝鮮と表記します(長いから)。
入り口には立て看板。
この右手にはもうガラス張りで内観丸見えなので、わざわざ見せる意味も分からんが。
何はともあれ、中に入ってみましょう。
ガラスのドアの向こうには、すでに3人ほどの北朝鮮の方と思われる美女が立っていた。
ギッ
スタッフ「こんばんは~!」
ネルソン「へっ、日本語?」
スタッフ「v@あpてqgrf;え(ハングル)」
ネルソン「あ、もう分からん、もうごめんなさい」
既に友人が到着していたので、日本人だということはモロバレだった様子。
ケンケンされたらどうしようという不安もあったけど、特にそんなことはなく表面上はフレンドリー。
しかし、挨拶だけとは言え、北朝鮮の方と初めて交わす言葉がまさかの日本語とは思いもよらなんだ。
奥へ促され、友人の座っている円卓へ。
友人「どうも、すでにいろいろ頼んでおきましたよ」
ネル「どうも、どうもです」
考えてみれば、私は北朝鮮料理についての知識が全くありません。
卓上に目をやると、
そこに並べられていたものは、
これまで一度も見たことがないような、
いわゆる「北朝鮮料理」の数々が…って、てー!
韓国料理じゃないですかーーーー!!
キムチもチヂミもユッケもサムギョプサルも韓国料理じゃないですかーーーー!!
そう、北朝鮮料理と韓国料理はほぼ一緒。
味も、韓国料理から辛さだけを引っこ抜いたという印象。
他の違いをしいて挙げれば、チヂミがお好み焼きほど厚いというくらいだろうか。
実際、その場にいた、韓国に住んでいたことのある友人が言うにも大きな違いはないそうです。
しかーし!
お酒はメイド・イン・北朝鮮。
見てください、平壌って書いてます。生平壌です。
いや別に今、平壌の土を踏んでる訳じゃねぇけども。
ネルソン「よし、メニューも撮っとくか…」
スタッフ「ダメです」
ネルソン「え?」
スタッフ「本社から許可されておりません」
ネルソン「…」
スタッフ「…」
ネルソン「じゃ、あなたを撮ら…」
スタッフ「ダメです」
ネルソン「え?」
スタッフ「本社から許可されておりません」
そう、この北朝鮮レストラン、とにかくダメダメ言われます。
許される行為と許されざる行為の境界線が全く分からず、何処にタブーが埋まっているのか分からない。
というか本社なのかよ、本国じゃなくて本社って言うのかよ。官僚の居酒屋での会話かよ。
撮らないべとまるなんてただの豚だ!
いや、なんか意味が違うけど、とにかく言いたいのは価値が無いってことだ!
このネタはお蔵入りか…そう思われた時に、異変は起こったー。
気付くと、ホールからスタッフが引き払っている。
ん?
ギター!?
楽器が設置されたステージ!!?
俊敏に機材をセッティングするスタッフたち!!!?
ズダダダダッ!
センター「ライブハウス平壌へようこそ!!」
ネルソン「何!何!?何なのこの流れー!?」
そう!
この北朝鮮レストランでは何と!!
スタッフによるライブパフォーマンスが行われるのだ!!!
さっきまで給仕をしていたスタッフが突如としてバンドガールに!
この子らはTOKIOや…農業や土木作業からバンド演奏まで何でもこなす北朝鮮界のTOKIOやで~!!
ギャーン!
ギョギョーン!
ズダダダンズダダン!
まぁ、動き回ってっから全然撮れねぇんだけども。
彼女がパフォーマンスを始めるや否や、地下アイドルの撮影会ばりに撮影を始めるお客たち。
そうなんです、給仕中は撮影を咎められるレストランですが演奏中は完全解禁。
ガタッ
お客「辛抱たまらーん!」
ネル「!?」
突如として飛び入りするベトナム人のお客さん、何が彼を熱くさせたのか。
いや自分、
ただ触りたいだけやろ、中学生か。
締めは太鼓踊りじゃー!
そうして、北朝鮮レストランの夜は更けていきました…。
最後にみんなで集合写真。
ネル「いやー思いのほか面白かった!次はビデオカメラ持って来たいですわ」
友人「じゃ、お会計しましょうか」
ネル「そうですね」
…
…………
…………………
6,200,000ドン…!?※およそ3万円、一人5000円の計算。
全員「(次は)無いな」
*
と、いかがでしたでしょうか。北朝鮮レストラン。
ちなみにこちらで5000円って、めっちゃくちゃ…高いです。
それくらい出せば、5つ星ホテルでディナーが食べられるでしょう。
おそらく北朝鮮産のウィスキーを開けたことが決め手だったのではなかろうか。
とはいえ、全く未知の世界であった北朝鮮という国、その一端を知れた勉強代だと思えば妥当かもしれん。
北朝鮮レストランについて分かったいろいろなこと、まとめ(ほぼ友人が聞き出した)。
以上でしたー。
なお、店舗の住所は載せないでおきます。
知られることには意義があると思って記事を書いております。
が、外貨が何に変わるかと考えると、「みんな行こうぜ!」とは安易にお勧め出来ない事情もあるのです。
調べればすぐに情報は出てくるので、興味のある方は是非どうぞ。