テト(旧正月)の期間、ホーチミン市などの都市部はかなり閑散としています。観光でも、都市部はオススメしませんが、みんな田舎や地方都市に流れているということなので是非そちらへ行ってみてください。2017年追記:最近では帰省しなかったり家族で都市部に住む人も増え、活気に溢れてきました。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/02/11
テト(旧正月)の期間、ホーチミン市などの都市部はかなり閑散としています。観光でも、都市部はオススメしませんが、みんな田舎や地方都市に流れているということなので是非そちらへ行ってみてください。2017年追記:最近では帰省しなかったり家族で都市部に住む人も増え、活気に溢れてきました。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/02/11
正月っていいですよね!
今でこそ1月1日を一年の始まりとして祝っている日本ですが、明治の初期まではベトナムや中国と同じ様に旧正月を祝っていたそうで、西洋文化を取り入れる過程で正月も同じ時期に迎えようとなったそうですこれほんと。たまにはほんと。
はい、動物園の記事でもちょっと触れた様に、今この時期のベトナムはテト…旧正月に当たります。
他にも、中国、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどがそうですね。
正月が1月1日を区切りとすることに対して、これらの国では毎年元日が変わるというところも独特です。
直近10年間を調べてみると、最も早い年が2004年の1月22日、最も遅い年が2010年の2月17日、そして今年の2013年は2月10日。
実を言うと、私の誕生日は2月14日なんですが、これがテトと被り易い日であまり嬉しくありません。
何故でしょうか?それではではでは、テト前後の街の様子を見ながら明らかにしていきまっしょい。
これ、テト、一週間ほど前です。歩道にはたくさんの露店が軒を連ねています。
ベトナムの人達はテトに向けて色々な飾り物をするため、この時期になるとそれらを扱う露店が街中に出現するのです。
置物や、
扇子や、
掛け軸など。
そして特徴的なのは、こうした「絵師」による描絵の実演。
ほとんどの画家がこの様な黒い服をまとっていて、その場で描いて販売している様です。
その中には女性もいたり、
小さなお坊さんがいたりと。
画像を見ても分かる通り、結構立派なカメラで撮ってる人がいたり、テレビ局の取材班と思われる人達がいたりと、きっとテトの風物詩なんでしょうね。
が、みんながみんな、伝統的なベトナムらしい絵画を描いているかと思いきや…。
あらやだ、思ったより俗っぽい!
ていうかコレどっかで見たことあるぞ!ネットでよく転がってる画像じゃねーか!
縁日とバザーが混ざった様な催し物もやっていました。
で、入ってすぐ目についたのがコレ。
クレヨンしんちゃんが人気なのは知ってるけど、くり抜くところおかしいやろ。
いや、そもそもくり抜くもんちゃうやろ。
顔が出せればいいってもんじゃねぇ。
ま、他にも、
軽食を売っていたり、
衣服やアクセサリーを売っていたり、
抽選クジをやっていたりと…うーん、熱気がすごい。
この頃になると街全体がなんだかそわそわしていて、空気に当てられてこちらまで落ち着かなくなってきます。実は、そもそもベトナムって祝日があまり無いんですよね。だから、勿論会社にもよりますが、一週間ほどの長期休暇になるテトはビッグイベントなんです。
仕事のパフォーマンスもかなり落ちてくると聞きます、ってあかんやんそれ。
そして旧暦2012年、最後の日ー。
以前にも記事に書いた、年に四度ある花火の日です。
街中には花火を見ようとホーチミンの街中からこぞって人が集まります。統計データが手元にある訳ではありませんが、かなりの人達が田舎に帰るといってもそれでも市内には人が溢れるホーチミン。
で、みんな、花火が打ち上げられるまで何やってんの?というと…
写真撮影。
全員とは言わないまでも、若い女性を中心に、ベトナムの人達の写真好きは相当なものです。
カフェでお茶をしているだけでもパシャパシャ撮っているくらいですから、街中に花や飾りが溢れているこのシーズンは絶好のシャッターチャンスならぬシャッターシーズン。
でも、この前で、撮ってる人はいなかったみたい。
恐いよ、目ん玉、ゾンビみたいにビョーンってなっとるやん。モチーフが全く分からん。
肝心の花火はというと…この記事でも見てください。
いや、実は、私はこの場に居合わせてなかったので写真も無く。
まー打ち上げられる様子は一年を通して四度の機会、全て同じです。
さて、そして元日。
朝、目を覚ますと、外で太鼓や銅鑼の音がやかましく響いています。外に出ると…。
何だアレ…?
少年たちが黄色い衣服に身を包んで、楽器を鳴らしながら民家を回っています。
これは「ムアラン(麒麟舞)」といって、テト恒例の行事だそうです。
そういえば、聞いたことがあります。
ベトナムではお店を新しく開店すると、この様にガンガンドラドラと踊りながら音を鳴らし、獅子舞ならぬ麒麟舞で商売繁盛を祈願する風習があるとのこと。
それと同じ様に、その家の一年の幸せを祈願するといったところなのでしょう。
ただ、面白いのが、いや面白いといったら不謹慎なんですけど、この麒麟舞に乗じて民家から物を盗んだりするグループもいるとのこと。比較的、傷害や殺人事件が少ないと言われるベトナムですが、こうした窃盗は相当に多いのでどんなケースでも気をつけなければいけません。
まぁ、四六時中警戒出来る人なんてそういないので、盗られる時は盗られちゃうんですけどね。
街中に出ると…ガランッッッガラン!!やだーこれ、ゴーストタウンじゃないですかー。
時間にして、12時です。12時のレタントン通りなんです。
在住の方ほど分かるかと思いますが、これほど人気の無いレタントン通りなんて一年を通してもこのテト期間中しか見られないでしょう。誕生日がテト期間だと嬉しくないというのは、正にここに理由があります。とにかく、祝ってくれる人のほとんどが日本へ帰ってしまっているからなのです…。
ほとんどのお店がシャッターを閉めています。
テト期間は日中、中心地の更に中心へ出向かないと、ホーチミン市は何処もかしこもゴーストタウンと化しています。
みんな、家にいるんでしょう。今の日本に比べて、正月は家族と過ごすものという観念が強いのだと思います。
が、これが夜になると…。
この通りの…大!渋!滞!一体何処から湧いてきたんだ。いや、家しかないんですけど、それにしてもいつも以上のバイクの波。
バイクで街中に出るという行為が、日本人で言うところの初詣みたいなものなんでしょうか、
歩道すらもバイクが縦横無尽に走りまって完全にヒャッハー!状態です。
これが、ベトナムのテト(旧正月)です。といっても都市部のホーチミンでの過ごし方ですけどね。観光目的では来ることを推奨出来ない季節だからこそ、もしかするとこのベトナムの姿は珍しいものなのかも知れません。