ベトナム最後の楽園・コンダオ島(Con Dao):Vo Thi Sauの墓参り編

ベトナム最後の楽園・コンダオ島(Con Dao):Vo Thi Sauの墓参り編

肝試しっていいですよね!

真夜中にお墓などの幽霊が出そうなスポットを回ることを肝試しといいますが、江戸時代中期頃まではお酒の飲み比べをする行為を肝試しと呼んだそうです嘘です。

 

コンダオ島で命を落とした烈士(革命に貢献して犠牲になった人物)の中で、ベトナム人なら誰でも知っていると言っても過言ではない、とりわけ有名な人物がいます。その名はVõ Thị Sáu

vo thi sau

フ ランス統治下の時代に、革命家だった兄の影響で12歳から自身も革命運動(反仏活動)に関わり、15歳に手榴弾を使ってフランス将校とフランス兵を死傷さ せたことにより罪に問われます。それから18歳までの3年間に渡って監禁され取り調べを受けた後、コンダオ島に送られ、処刑されました。

彼女は常に朗らか で、かつ命を奪われるその瞬間まで毅然な態度を取っていたという人物で、特に彼女を有名に至らしめたきっかけが、処刑の際に「(地面に)跪け」と言ったフ ランス兵に対して言い放ったこの台詞です。

 

Võ Thị Sáu「私は立つことしか知らない、跪くことなど知らない。」

 

そう言い残し、1952年1月23日に彼女は亡くなりました。

そ れから2年後、ディエン・ビエン・フーの戦いによってベトナムはフランスに大勝し、70年近くに渡って続いたフランス統治時代は終わりを告げます。その6 年後、ベトナム戦争が勃発し、再び動乱の時代が訪れるのですが…もう少し生き永らえることが出来れば、また違った彼女の歴史があったのかもしれない。歴史 について「もしも」で語ることはナンセンスですが、この激動の時代の中における、彼女の強かさと儚さこそが、Võ Thị Sáuがベトナム全土で広く知られている理由なのかもしれません。

それから42年経った9月2日の建国記念日に、彼女に 「人民武装部隊の英雄」という称号が与えられます。そして後に、時期は調べられなかったのですが、ベトナム全土の各都市にある主要な通りには彼女の名前が 付けられることになるのです(ベトナムの通りには歴史上の人物を付ける習慣がある)。

さて、そんなVõ Thị Sáuですが、コンダオ島には彼女のお墓があります。

コンダオ島で出来ること…ダイビング、監獄巡り、そしてVõ Thị Sáuの墓参りです。

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立派な門構えのある、烈士墓地。

 

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敷地内の地図があるあたり、かなり広い墓地であるということが分かります。
Võ Thị Sáuも含めて、地図に名前が載るほどの人物は4人程度であるようです。

 

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入口には売店があり、烈士関連の書籍やDVDが売られていました。

なお、人がいるとすればこの店員だけです。
入口前には広い駐車場があるのですが、車もバイクもありません。

ただただ、静寂な時が流れています。

 

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若くして亡くなった彼女にお供えをするためのグッズです。
全て紙で出来ているので、きっとお焚き上げするのでしょう。

それにしても、

 

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靴、分かる。

 

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口紅、分かるよ。

 

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クシ、分かる分かる。

 

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スマホて。

あちらの世界は電波が通じるのでしょうか…。
敷地内に入るとある違和感に気付きます、何か…ただならぬ気配が……いや違う!

 

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ベンチ並び過ぎいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!

 

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どうやらこれらのベンチは寄贈のようです。
日本でも神社などで個人名や企業名が彫られた石柱がありますが、ベトナムはベンチらしい。

べとまるも、まとまったお金ができたら寄贈しようかな。
もしかしたら日本人からの寄贈は初めてかもしれない(だからという訳ではないけど)。

 

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この烈士墓地はお金が掛かっているようで、このようなモニュメントもありました。

 

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それではいざ、Võ Thị Sáuのお墓へ…

 

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無数のお墓の中を通り抜け…

 

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いらっしゃいました、こちらがVõ Thị Sáuさんです。

 

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お墓の上にはクシが。
同型が多いところから察するに、お供え用として街中で売られているのでしょう。

そしてお墓の両脇には、

 

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初代墓石と、

 

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二代目墓石と思われるものがあります。
死後、有名になっていくにつれてグレードアップしていったということなのか。

さて、ここまで確認出来ればもう十分なので帰ります。

 

え?もう終わりなのかって??

ノン!違います、全然違います。

実はVõ Thị Sáuのお墓は、真夜中になると違う顔を見せるのです。

 

あっ

 

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という間に真夜中に。

 

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時間は深夜0時に向かおうというところ。
ここで、昼間には感じなかったある異変に気付きます。

 

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車が…!

 

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バイクが…!

なんということでしょう、昼間はあんなに閑散としていたのに。
そもそも車なんてコンダオでほとんど見ませんでした、島中の車が集まっているんじゃないのか。

 

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何はともあれ、行ってみよう…。

 

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昼間と同じベンチ通りを歩きます。
そろそろVõ Thị Sáuのお墓があるはず…でっ!?

 

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なんだ…

 

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なんだあれは…!

 

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墓の周囲にものすごい人だかりが……!!

 

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近付いてみるとやはりVõ Thị Sáuのお墓を囲むように100人近い人達が。

 

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超拝んでます。

 

何故なのか!

 

実は、Võ Thị Sáuのお墓で深夜0時頃にお祈りすると願い事が叶うと言われているのです!!

 

ただただお参りに来るだけなら昼間から出来るはず。
ここに来ている人達は、マジで願い事を叶えに来た人達ということです。
後日あるベトナム人の方も「Võ Thị Sáuの効力はマジすごいから」と言っていました。

 

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そしてこのお墓の上ですが、気付きますか?

 

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昼間と比べてなんかちょっと変形してるんですよ。
たくさんものが載せられるように、変形してるんですよ。

 

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ちなみに私も、この三点セットを持って行きました。
セット、といっても、これがお供え物に適しているかは分からない。

でも、多分、線香とお札は間違いないだろう。問題は月餅です。

この季節だとベトナム国内では月餅を贈る習慣があるのですが(お中元みたいなもの)、果たしてこれが故人に渡すものなのかどうか…雑貨屋でVõ Thị Sáuの名前を出したらこれを売ってもらったんだけど……。

 

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とりあえずそっと置いてみます。

 

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で、お祈りです。

といっても日本語で通じるのかな…やっぱりベトナム語の方がいいかな……。
せいぜい俺が分かるベトナム語と言えば…む、むぉんてぃえんむぉんてぃえん(金クレ金クレ)。

 

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そして、そっと目を開けてお供え物に目をやると…

 

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無い!

 

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お札と月餅以外のお供え物が無い!!

 

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ダメなのかよおおおぉぉぉぉ!!

お札と月餅はダメなのかよおおおぉぉぉぉ!!!!

 

お祈りの最中だったので、まるでVõ Thị Sáuに「もっとええもん持ってこい」と突き返されたようです。
ま、どうせ誰か焼いて食べるっしょ。

 

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しかしこれ毎晩行われているのでしょうか。
こう言っちゃなんだけど、完全に観光スポットだな。

そしてさっきからずっと気になっているのが、一体全体どういう経緯で悲劇の烈士・Võ Thị Sáuが願い事を叶えてくれる女神様になったのか。多分、ここで聞いてはいけない気がします。聞いたが最後、「信心が足らん!」とか言ってしばかれそうです。まぁ、そもそも(ベトナム語で)聞けないんだけど。

 

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迫力あるお焚き上げ。

 

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数十年振りにおねしょしそうであんまり見たくありません。

 

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そのあとは慰霊碑へ。

 

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あくまで地理的な意味で言えば南の僻地にこういうものを建造する訳ですから、歴史的重みを感じます。
ちなみにこの慰霊碑にも人はいましたが、10人いるかいないかでした。
Võ Thị Sáuのお墓にいた人数の1/10程度…うーん、君達。

 

さ、帰ろう。

 

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!!

 

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車もねぇ!!

 

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バイクもそれほど停まっていねぇ!!

 

用事が終わったらさっさと帰る…相変わらずのベトナムでした。

 

***

 

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ちなみにそれから少し調べてみると、Võ Thị Sáuは舞台にもなっているようです。
日本では、ひめゆりの塔の学徒隊や、西南戦争で自刃した西郷隆盛に近いのかもしれない。

 

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