水曜どうでしょうっていいですよね!北海道発の伝説的ロードムービーバラエティ番組『水曜どうでしょう』ですが、実は放映日が水曜日なのではなく、ロケ撮影日が水曜だったことから名付けられたそうです嘘です。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/10/28
水曜どうでしょうっていいですよね!北海道発の伝説的ロードムービーバラエティ番組『水曜どうでしょう』ですが、実は放映日が水曜日なのではなく、ロケ撮影日が水曜だったことから名付けられたそうです嘘です。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/10/28
水曜どうでしょうっていいですよね!
北海道発の伝説的ロードムービーバラエティ番組『水曜どうでしょう』ですが、実は放映日が水曜日なのではなく、ロケ撮影日が水曜だったことから名付けられたそうです嘘です。
『ベトナムに住んでいる』と日本の人に話すと、一部の方(特にベトナムへ行かれたことが無い人)は同じ言葉を口にします。『水曜どうでしょうだね!』と。
私、日本にいた頃からこの番組の存在は知っていましたが、ここベトナムに来てからことさら名前を聞くようになりました(かつてシェアハウスをしていたハバタク・小原さんが番組ファンだったということもあるのですが)。
番組では、大泉洋と、ミスターことその所属事務所の社長・鈴井氏、そしてディレクターとカメラマンが同行して、北海道や日本国内をはじめ、オーストラリア、 韓国、ヨーロッパ、マレーシア(のジャングル)、香港、北極圏、アメリカ、コスタリカなどなど、世界中のあらゆる場所を巡ってきました。そして、ロケ隊が 最後に選んだ国が…ベトナム!企画内容は、カブに乗ってハノイからホーチミンへ、1,800kmに渡るベトナム縦断の旅!降りしきるスコール、整備されて いない国道、突如あらわれる落とし穴、段々と熟してくる荷台の載せられた重いジャックフルーツなど、ありとあらゆる障害を乗り越え、7日間に渡ってベトナ ムを走り抜き、六年間続いた番組は見事フィナーレを迎えたのでした。
さて、そこに同行していた、ガイド兼通訳を任されたベトナム人の方が…
こちらのニャンさんです。水どうファンで、知らない方はいないでしょう。
番組ではちらっとしか映らなかったですが、それでもその顔は11年の経年を感じさせます。
小柄ではあるものの、逞しい腕から思うに普段から身体を鍛えているようです。
また、今では二女の父親で、ガイドの仕事も続けているとのこと。
今回、たまたま友人がこのニャンさんとつながっており、インタビューさせていただく機会を得ました(ちなみに当日会うのは二度目)。当時のことや、ニャンさんの今についてお話を伺いました。ご覧ください。
インタビュー後半で、『水曜どうでしょう』の新作に関するネタバレが含まれます。その点についてご理解いただいた上で、お読みください。
***
ネルソン 「お久し振りです。」
ニャンさん「そうですねー。」
ネルソン 「今日は水曜どうでしょうについて、ニャンさんから色んな話を聞きたいと思います。」
ニャンさん「はい、いいですよ。」
目次
ネルソン 「まず、どういう経緯で水どうのガイドにニャンさんが選ばれたか教えてもらっていいですか?」
ニャ ンさん「はい。私はべトラベルという会社で働いているのですが、そのグループ会社のサイトラベルという会社に、北海道のテレビ局(制作会社)から話が来ま した。その時、私は二年目で、ベトナム中部地方の担当だったんです。その中で、ツアー専属の同行ガイド唯一のプロでした。」
ネルソン 「他のガイドの方と違って、常に旅行者に同行するガイドだったということですか?」
ニャンさん「そうです。」
ネルソン 「最初、日本人がベトナムを縦断しようとしていると聞いてどう思いました?」
ニャンさん「面白いな、と思いました。私、冒険が好きなんですよ。普通のガイドが行けないところに行きたい。他のガイドは案内したくなかったし、そこで私はやりたいと思いました。」
ネルソン 「冒険が好き?」
ニャンさん「はい。実は、2015年に南アメリカへ冒険の計画があるんです。メキシコからチリ、パナマ、ブラジル、アルゼンチン、その他の国を回る計画です。」
ネルソン 「一人でですか?」
ニャンさん「はい。」
ネルソン 「いいですね〜、東南アジアは大体回ったんですか?」
ニャンさん「はい、東南アジアは仕事で全て回りましたね。」
ネルソン 「しかし…カブでベトナム縦断は、流石に危ないとは思いませんでいた?」
ニャンさん「………ちょっと。」
ネルソン 「笑」
ニャンさん「でも、安全運転だったら問題無いと思いました。その時、日本人でそのようなことをする人はいなかったけど、欧米人はよくやっていましたし。」※欧米圏では1960年代からバックパッカーが流行し、数多くの若者が世界各地を旅行した。
ニャ ンさんはベトナム国内に留まらず世界を飛び回るガイドのようで、ありとあらゆる国へ行っているらしい。日本についても詳しく、ベトナムのテレビ局のアテン ドも行っているようだ。少し沖縄の名前が出ると、「沖縄はかつてベトナムと陶器の貿易ルートがあり…」と話が広がる。間違いなく、日本人の私よりも詳しい だろう。
ネルソン 「水曜どうでしょうの後、ニャンさん自身の仕事に変化はありましたか?」
ニャンさん「ありました。他のガイドがメインのツアーでも、お客さんから覚えてもらっていて、写真撮影をよくお願いされました。」
ネルソン 「ニャンさんはサポートなのに、ということですよね笑」
ニャンさん「はい。それに、他にも、指名されることが多くなりました。」
ネルソン 「11年経っていますが、今でもあるんですか?」
ニャンさん「はい。」
ネルソン 「それはすごい!」
ニャンさん「ただ、普通のツアーをお願いされても、あまり担当出来なくなりましたね。」
ネルソン 「満足出来ないということ?」
ニャンさん「はい。」※元から冒険好きということもあると思います。
ネルソン 「じゃあここで、ガラッと質問を変えて、番組内の色々なシーンについて聞いていきます。」
ニャンさん「はい。」
ネルソン 「ズバリ、ニャンさん、(大泉さん達の後ろをついていた)車の中でずっと寝てたんですか?」
ニャンさん「ほとんど起きてましたよ!笑」
ネルソン 「そうなんだ笑」
ニャンさん「はい。」
ネルソン 「初日に飲食店を見逃していましたが、お店の名前を教えてください。」
ニャンさん「うーん…覚えてないですね。ただ、国道一号線は当時に比べて広くなりましたから、もうあそこには残っていないと思います。屋台みたいなお店です、綺麗なお店ではなかったはず。」
ネルソン 「水どうファンは、ニャンさんと言えば『ホーチミン師の歌』を思い出すと思うんですが、実際に歌う機会はあるんですか?」
ニャンさん「あんまり無いです。ただ、誰もが子供の頃に学校で教えられます。なので、ベトナム人は、ホーチミンさんをイメージする時、まずその歌が思い浮かびます。」
ネルソン 「『恋人よ』を歌っていましたが、あれ以外に歌える日本の曲はあったんですか?」
ニャンさん「当時はあれしか知りませんでした。しかし今は、『北の国から』『上を向いて歩こう』『酒よ』が歌えますよ。」
ネルソン 「渋いですって笑」
ニャンさん「そうですか笑」
ネルソン 「じゃ、これ最後。ミスターは途中でニャンさんが乗ったので完走出来なかったと言っていましたが、それについてどう思いますか?」
ニャンさん「覚えていません。」
ネルソン 「あれから11年間経っていますが、出演者の人達は交流はありますか?」
ニャンさん「彼らの会社から、たまにメールがあります。」
ネルソン 「大泉洋さんとは?」
ニャンさん「今年4月にベトナムで大泉洋さんの40歳パーティがあって、その時にゲストで呼ばれたので会いました。」
ネルソン 「パーティって、ファンを呼んで?」
ニャンさん「はい、500人。」
ネルソン 「500人!…それまでには?」
ニャンさん「2,3年前にお互いに名古屋で仕事があって会いましたね、それまではメールのやりとりだけでした。」
ネルソン 「今ですね、水曜どうでしょうの新シリーズが始まっていて、アフリカを旅しているらしいですよ。」※オンデマンドで閲覧できます(有料):http://hod.htb.co.jp/p/pg_sd_2013new
ニャンさん「ホントですか!いいですね!」
ネルソン 「11年前にベトナムを縦断した彼らは今アフリカに…どう思います?」
ニャンさん「すごい。もともと人気のある番組ですが、絶対上手くいくと思う。」
ネルソン 「上手くいく。野暮な質問かもしれませんが、どうして?」
ニャンさん「今は、日本人だけでなく、ベトナム人も、色々な国の風景だけじゃなく現地の人の生活を知りたいと思っています。それが分かる番組ですから、上手くいくと思います。」
ネルソン 「なるほど。」
ネルソン 「他に何か、裏話みたいなことはありますか?」
ニャンさん「うーん…そうですね。ニャチャンからダラットへ行く途中に喫茶店でココナッツジュースを飲んだり、旅の途中では色んな食べ物を味見しました。その時、現地の人達はみんな外国人と話すのは初めてで、恥ずかしがっている様子でした。あの交流は楽しかったですね。」
ネルソン 「ふむふむ。」
ニャンさん「あと、ジャックフルーツを買ったんです。最初は固かったけど、夕方になった頃に柔らかくなったので夜に食べました。」
ネルソン 「え、あれ、それ、番組で出てきた…。ニャンさん、日本での放映後に番組DVDとか送られてます?どうやって水曜どうでしょう観ました?」
ニャンさん「DVDは貰ってません、YouTubeで観ました。」
ネルソン 「マジっすか。」
ネルソン 「ニャンさんは今でもガイドを続けているんですよね。」
ニャンさん「はい。」
ネルソン 「具体的には、どのようなお仕事をされているんですか?」
ニャンさん「現在は、ベトナム人ツアーの、日本と韓国への観光客の担当をしています。副部長ではありませんが、副部長くらいの給料をもらっています。」
ネルソン 「へぇ、ではハングル語も話せるんですか?」
ニャンさん「少しだけ…実際に現地を案内するのは別のガイドです。」
ネルソン 「あぁ、ということは、その地区のプログラムを考えたり、管理するということですね。」
ニャンさん「そういうことです。」
ネルソン 「なるほど。」
ニャンさん「先日も、一人でベトナム北部をバイクで16日間かけて回りました。」
ネルソン 「16日間!?目的は?」
ニャンさん「プログラムをつくるため、良い場所を見つける必要があります。」
ネルソン 「ネタ探しですか!」
ニャンさん「はい。あとは、現地の人から指名を受けて私がガイドすることもあります。今月だと、日本へ2本、韓国へ1本。それでも他に指名の予約があって受け切れません。」
ネルソン 「その指名って、ベトナム人からですよね?」
ニャンさん「はい、ガイドの大会で優勝したので、指名されることが多くなりました。」
ネルソン 「ガイドの大会があるんですか?」
ニャンさん「はい、一年の9月の終わり頃にセミファイナル、10月末にファイナルがあります。」
ネルソン 「その大会ではどうやってスキルを競うんですか?」
ニャンさん「舞台で、ベトナム各地の観光写真が出てきます。それを見て、そこで観光案内をする。部門は、日本語、中国語、ドイツ語、英語、フランス語、ロシア語の6ヶ国語があります。」
ネルソン 「それでニャンさんは良い結果を残されたってことですか。」
ニャンさん「はい、前回のホーチミン大会で優勝しました。」
ネルソン 「おー、すげぇ…ちなみに参加人数はどれくらいで?」
ニャンさん「それは分かりませんが…一つの旅行会社から二名まで代表として出場します。」
ネルソン 「じゃ、かなり多そうですね。」
ニャンさん「それで良い成績を残せば、会社の営業がその結果を持って、お客様の会社の観光ツアーに自分達の会社を利用してもらいやすくなるんです。」
ネルソン 「あぁ、そうか。よく出来てる。」
ネルソン 「今日は面白いお話を有難うございました。」
ニャンさん「こちらこそ。」
ネルソン 「それでは最後に、ホーチミン地区ナンバーワンのプロガイドとして、ベトナムの魅力をこの記事を読まれる方にPRしていただいてもよろしいですか。」
ニャ ンさん「ベトナムには良いところがたくさんあります。まず、世界遺産として必ずホイアンとフエが挙げられます。また、フエとダナンの間にあるランコービー チの白い砂浜は必見です。ハノイでは、旧市街などの観光スポット、湖、文廟へ行ってみてください。ホーチミンもいいところです。クチトンネルや、カントー の水上マーケットへも是非。日本人は休みが短いので難しいかもしれませんが、北部の山(サパ、ドンウァン)の風景は非常に素晴らしい。いくら見ても、素晴 らしい。最低でも一週間は掛かるし、9人乗りの車でしか行けないので注意してください。ダラットも、ニャチャンも、フーコックも良いところです。フエから 北へ40km上ったところにあるフクティック村も見どころで、ホイアンより古い1470年頃からある場所です。また、ハノイから北へ40km上ったところ にあるドゥンラム村も、1000年以上前の建物も残っています。是非、ベトナムへお越しください。」
ネルソン 「めっちゃ多い!!有難うございました!!」
***
いかがでしたでしょうか。
水曜どうでしょうのガイドに選ばれたのも、ニャンさんだからこそだったという気がします。
なお、ニャンさんがガイド大会でプレゼンしている様子はこの動画で確認出来ます。
01:00頃から、動くニャンさんが観れますよ!
これからべとまるで地方へ取材に出掛ける時には、ニャンさんの情報が便りになりそうだなぁ。