ベトナム料理はいくら日本人の舌に合うと言っても、やっぱりどうしても合わないものもあります。エビの発酵調味料「マムトム」もそのひとつ、この匂い…なんと形容したらいいのでしょう。結局、克服できませんでした。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/11/03
ベトナム料理はいくら日本人の舌に合うと言っても、やっぱりどうしても合わないものもあります。エビの発酵調味料「マムトム」もそのひとつ、この匂い…なんと形容したらいいのでしょう。結局、克服できませんでした。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/11/03
発酵っていいですよね!
大豆を発酵させてつくる納豆ですが、鎌倉時代以前には将軍に献上されるほどの高価なものとされ、そこから『納める』→『納豆』と呼ばれたそうです嘘です。
以前、利きえびせんで使用を阻止された、ベトナムが誇るエビを発酵させた調味料・マムトム…。
その行き場を失いかけていたその時、ある人物を思い出したのでした。
さて、ここにその人物が住んでいるとのことだけど…。
ドア「ガチャ」
ネル「!」
ろうちょん「おっす。」
ろうちょん「ようこそ〜…ん?クン?クンクン??」
ろうちょん「テメーマムトム持ってんだろ?今すぐ出せ!すぐに出せ!!」
そう!この方こそが!!
マムトムを使わせたら右に出る者はいない!!
ろうちょんさん、またの名をマスター・マムトムことマストムである!!!
ネルソン 「あ…今日はマムトムの食べ方をご指導いただこうと思いまして。」
ろうちょん「そう。」
ネルソン 「えっ?」
ちなみに私、マムトムがものすごく苦手です。
私に限らず、その独特の風味から、好きな人を探す方が大変だと思います。
果たして今回のレクチャーで、マムトムが食べられるようになれるのでしょうか。
ろうちょん「えぇとね、マムトムはね、塩辛を食える人は食える。」
ネルソン 「なるほど。」
ろうちょん「海産物を発酵させてるっていう点で風味も同じだしね。」
ネルソン 「なるほど。」
ろうちょん「でも、色んな食べ方を紹介するってことだから準備したよ。」
ネルソン 「なるほど。」
目次
ろうちょん「まず基本のマムトムね。」
ネルソン 「私が持ってきたやつですね。」
ろうちょん「ライムと砂糖。」
ネルソン 「へぇ。」
ろうちょん「マスタード。」
ネルソン 「へぇ。」
ろうちょん「味噌。」
ネルソン 「へぇ。」
ろうちょん「まぁ、後ろ二つの食べ方をするのは俺も初めてなんだけどね。」
ネルソン 「特にマストムでもなかった。」
ネルソン 「野菜です。有機無農薬野菜です。中部の高原地域・バンメトートの綺麗な土と水で栽培された新鮮安全な有機無農薬野菜をホーチミン市内までお届けする、ニコニコヤサイさんからご提供いただきました。」
ろうちょん「宣伝出来た?」
ネルソン 「バッチリです!」
ろうちょん「小さいナスの漬物ね。」
ネルソン 「これって中に数の子みたいなのが詰まってるやつですよね…ナスだったんだ!」
ろうちょん「あと昨日から仕込んだ…」
ネルソン 「?」
ろうちょん「アイスバイン(塩漬けの豚肉を煮込んだもの)。」
ネルソン 「ひ…ひぇ〜!わざわざ有難うございます!!」
しかし、こうして見るといい感じの昼ビールだなぁ。なお、左に写っている女性は、ろうちょんさんの奥さんであられるあやこさんです。
この全てにマムトムのフィルタを通すことが、率直に言って心から悔やまれる。
ろうちょん「う〜ん、やっぱええわぁ。このマムトムの香り。」
ネルソン 「いや…やっぱり無理でしょう!」
ネルソン 「あかん…あっかーんで!このエビが腐った匂い(当たり前だけど)!!」
まずはライムと砂糖を加えたものからいただきます。
ライムと岩塩の組み合わせ自体は多いので、これはオーソドックスかもしれない。
ろうちょん「うん、普通に美味しい、よくある味だね。」
あやこさん「まぁ、食べれるね。」
ネルソン 「そ、それじゃ…」
ネルソン 「ニコニコヤサイのキュウリで…」
ネルソン 「まずは素材の味を確かめて…」
ネルソン 「ボリ、ボリ、シャクシャク、」
ネルソン 「いや〜、やっぱりニコニコヤサイは新鮮で美味しいね!」
ろうちょん「はよマムトム漬けなよ。」
ネルソン 「分かりましたよぉ!付ければいいんでしょうがぁ!」
あやこさん「あかんあかん全然足りへん!」
マムトム+ライム+砂糖を更に追加!
ビチャー!(心の中の効果音)
バチャチャー!!(心の中の効果音)
ドバドバドバァー!!!(心の中の効果音)
ネルソン 「も、もはやマムトムの海ではないか…」
ネルソン 「アグッ」
ネルソン 「バリ、ボリ、ジャクジャク、」
ネルソン 「ジャクッ…ジャクッ…」
ろうちょん「どう?」
ネルソン 「なんか脇腹痒くなってきた!痒くなってきちゃった!!」
ろうちょん「それどんな現象だよ!」
ろうちょん「次は味噌入れるで〜。」
ネルソン 「ひっ、ひいいぃぃぃ!!」
ガシャッガシャッ!!(心の中の効果音)
ネルソン 「ひいいぃぃぃ!!」
ガシャガシャガシャガシャ!!!!(心の中の効果音)
ネルソン 「ひいいいいぃぃぃぃぃ!!!!」
ろうちょん「召し上がれ。」
ネルソン 「で、では…。」
ネルソン 「アム。」
あやこさん「で、どうなの?」
ネルソン 「美味しくないですね。」
ろうちょん「だったら、今の何の流れだよ。」
ネルソン 「味噌との相性がいいとはよく分かるんですけど…そもそも無理っす。」
次は、マムトムとマスタードを混ぜたもの。
アイスバインにミントと共に乗せていただきます。
ネルソン 「身も蓋も無い話やけど、アイスバインだけ食べたかったわ…。」
ネルソン 「モグ、モグ、モグ、」
ネルソン 「意外や意外、これはなかなかイケます!」
ろうちょん「お!」
ネルソン 「でも、マムトムが無ければもっと美味しいですね。」
あやこさん「なんやねんそれ。」
ネルソン 「む、」
ネルソン 「り、」
ネルソン 「い、」
ネルソン 「いいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
ろうちょん「結局あかんのかいな!」ネルソン 「味噌やマスタードはいくらかマシになりましたけど…マムトムが無い方が断然いいッ!」
ろうちょん「分かった、エビさんに謝れ!!」
***
と、いう訳で、マムトムは遂に克服出来ませんでした。
ちなみに最近では、ベトナム人でも若者を中心に苦手な人が出てきているらしいよ。
そういえば、韓国でもキムチが苦手な若者たちが増えているって聞いたことがあるなぁ。
なお、もちろん、ろうちょんさんのように好きな人もいます。
もしかしたら皆さんの舌には合うかも!?未体験の方は一度はお試しあれ!