ベトナム、タイ、インドネシアなどに拠点を構える、オンラインリサーチのW&Sさん。今回、そのオフィスにお邪魔しました、ジェネラルマネージャー・桃田さんのインタビューもありますよ!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2015/03/27
ベトナム、タイ、インドネシアなどに拠点を構える、オンラインリサーチのW&Sさん。今回、そのオフィスにお邪魔しました、ジェネラルマネージャー・桃田さんのインタビューもありますよ!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2015/03/27
海外就職っていいですよね!
海に囲まれた地形から日本では外国のことを海外と呼びますが、それ以外の国でも「海外就職」と呼ぶそうです嘘です。
目次
ここ数年、日本のテレビでは海外をテーマにした番組が多い。特にベトナムは、私や周囲の在住者の間でも、日本にいる知人友人から「ベトナムがテレビでよく取り上げられる」という話を聞くことが多いです。
以前、二つほど、会社訪問の記事を書いたことがありました。
突撃ィ!!隣の会社訪問 in ベトナム~第一回目・グレイトフルデイズ(前編)~
突撃ィ!!隣の会社訪問 in ベトナム~第ニ回目・POSTE~
これらはどちらかというとコミカル色が強いですが、今後は真面目色にあの企画を復活させようかなと。
という訳で、早速行って来ましたよ!
第一回目の訪問先は、
こちらのビルにオフィスを構える、
東南アジアの市場調査を営む、W&S Vietnamさんです。
オフィスに入ると、
スタッフの皆さんがデスクワークをしておりました。
カメラを向けても眉一つ動かないのでちょっと恐縮しちゃう。
過去の取材ではどのような場所でもいくらか気恥ずかしそうにされるのですが、すごい集中力だ。
さて、W&S Vietnamとはどのような会社なのか詳しく伺ってみましょう…彼に!
はい、べとまるでよく見るお顔ですね。
こちらはW&S Vietnamさんのマネージャー・桃田さん。
過去記事では一緒にダチョウから転げ落ちたり酔っ払ったりしているけど、平日の彼は仕事をしています。
何気に彼の仕事のことは大体知っているのですが、ここは一旦記憶喪失になって質問しましょう!
ネルソン「まず、事業内容を教えてください」
桃田さん「はい、弊社はオンラインリサーチをメインとした、東南アジアの市場調査を行う会社です。設立は2011年11月、社員数は日本人とベトナム人を合わせて現在30人。ベトナムの他、タイ(バンコク)とインドネシア(ジャカルタ)、日本(東京・大阪・岡山)に拠点を構えています」
ネルソン「オンラインリサーチというとそれほど聞き慣れない言葉だと思いますが、具体的には?」
桃田さん「具体的に言うと、インターネット上の弊社アンケートサイトや、弊社スマフォアプリを通じて、用意した調査を弊社のアンケートモニターに回答してもらい、集計、報告書を作成するリサーチ方法のことです。今、ベトナムのアンケートモニターは17万人ですね。街頭アンケートをインターネットを使って大規模に行うイメージです。もちろん街頭・会場アンケートや、グループ・デプスインタビューが向いている調査もありますので、そちらもサービスとして提供しています」
ネルソン「17万人!とは、ものすごく多いですね」
桃田さん「そうですね、ベトナムはとてもアンケートモニターを集めやすかったです」
設立当時、東南アジアの市場調査を行う日系企業はまだいなかった。
ネルソン「市場調査の事業は日本にいた頃からやっていたのでしょうか」
桃田さん「いえ、日本ではWeb制作事業をやっていて受託案件がほとんどでした」
ネルソン「意外にウェブ以外にほとんど接点がなさそうですね、それではどうして市場調査に?」
桃田さん「そうですね、正直、競合他社がほとんどいなかったから、でしょうか。競合がいない、ということで候補に挙がったものがオンラインによる市場調査。それを東南アジアでやっている企業は当時、中国系と香港系、そしてローカル企業が少しあるくらいだったので、これでいこうという話になったんです」
ネルソン「ベトナムでもオフショア開発をするという考えは無かったんでしょうか」
※オフショア開発…一般に、人件費や事業コストの低い新興国でシステム開発を行うこと。本来は、off(離れる)とshore(岸)で陸風を意味する。
桃田さん「当時すでに数多くの企業がベトナムにオフショア開発の拠点を構えていましたが、オフショア開発だけでビジネスをやっていくイメージが持てなかったんですよね。ビジネスや市場を新しく作り出すような形でないと、ベトナム人スタッフをモチベートできないんじゃないかな、と…。ただ、弊社にも日本で受託した案件を制作するチームはあります。しかし、それは、既存ビジネスのサポートという役割が大きかったですね」
ネルソン「なるほど。しかし、そこでどうして、桃田さんが日本から行くことになったんですか?」
桃田さん「日本で弊社は10年ほどWeb制作事業をやっていたのですが(もちろん今でもしています)、新しいビジネスを作り出さないとダメだ、ということで、5年ほど前から事業戦略室と称して新規事業を模索していたんですね。で、東南アジアで市場調査に可能性があり、で、誰か行きたい人?と、弊社グループチャットで社長からオファーがあったので、はい、と私が回答して。それで笑」
棚の上に置いてあったルーレット、月曜日と木曜日の朝の掃除当番を決めるルーレットらしい。
ネルソン「さきほど『ベトナムはとてもアンケートモニターを集めやすかった』という話がありました」
桃田さん「はい」
ネルソン「そもそも、どういう方法で集められたんでしょうか?」
桃田さん「広告プロモーションは主にインターネットですが、アンケートモニターになる動機としては、調査への参加回答数に応じてポイント付与、それが特典になるという仕組みを取っています」
ネルソン「特典の内容とは?」
桃田さん「貯まったポイントを使って、携帯電話のチャージや、スマフォアプリのダウンロードカード、ベトナムのEコマースサイトのバーチャルマネーなどに交換できます。ただ、アンケートモニターを増やすのが簡単でも、そのクオリティ管理は本当に大変なんです」
ネルソン「クオリティ管理とは…」
桃田さん「ベトナムはアンケートモニターの獲得はそこまで難しくなかったのですが、全ての方がちゃんとアンケートに回答するか?というと、勘違いをした回答をする方も多い。そうなると調査として信頼性を担保する事が難しくなります。ですので、たとえば毎回、自分自身に関する属性情報を間違えるとか、意味不明な回答を繰り返す人はブラックリストに入れるようにしています。最終的には本人に電話確認もしていますね。その作業をプログラムに組んでなるべく自動化、ロジックの精度を上げるようにしています」
ネルソン「その傾向と対策は他の国でも同じなのでしょうか」
桃田さん「タイとインドネシアは、ベトナムに比べるとアンケートモニター獲得までのハードルが高いと思います。おもしろいプロモーションや、タレント、有名ブロガーなどのインフルエンサーを立てる手法も多いですね。おもしろいことに、それらの国はベトナムと比べてWebデザインも洗練されたものが多く、ネットリテラシーとアンケートモニターの集まり易さは反比例するものなのかもしれません」
※インフルエンサー…影響力を及ぼす人や事物。世間に大きな影響力をもつ人など。
ネルソン「スタッフの方は、どのような業務をされているのでしょうか」
桃田さん「それぞれの職種は、リサーチャー、マーケッター、プログラマー、総務(会計)の4種類です」
ネルソン「リサーチャーのお仕事とは?」
桃田さん「調査の提案から設計、集計、報告書作成ですね。設計とは、クライアントの調査目的が何かを理解・整理して、それに適した質問を設計する事です。クライアントが各家庭の住居形態を調べたいとして、『マンションに住んでいるか』という選択肢を用意していたとする。でも、ベトナムの大多数の方はマンションに住んでいないので、その質問は混乱を招く場合があります。ベトナムでの市場調査なのですから、そこはベトナムを良く知るベトナム人が実態に合わせて設計するということです」
ネルソン「なるほど、よく分かりました。ありがとうございます!」
桃田さん「こちらこそありがとうございます」
会議室から出ると、テーブルの上には2つの袋が。
あ、これはもしかして…。
ランチ!ランチだ。
そうか、今は12時、W&S Vietnamのランチの時間なのか。
床のテーブルを置いて、ヒザを突き合わせてご飯。
大家族のようで、
ほのぼのする光景です。
−名前と勤務年数を教えてください
KARMIさん「KARMIです、勤務年数は2年です」
−業務はどのような内容でしょうか
KARMIさん「7人のPHP Coder(プログラマー)チームのリーダーです」
−日系企業であるW&S Vietnamさんで働いていて感じる良いことは何でしょうか
KARMIさん「やはり、ホウレンソウシステムですね。これはベトナムの企業には無いですが確かに意味のあることだと思います。W&S Vietnamでは、毎日ボスから仕事に対するフィードバックを受けていて、とてもフェアな評価を受けていると思っています」
桃田さんいわく、「制作チームは働いたからと言ってそのまま売上につながる訳ではないから、定量的な評価がしづらい。そうすると成果物の品質に重点が置かれるので、その評価には力を入れている」とのこと。
−名前と勤務年数を教えてください
鍋山さん「鍋山です、5ヶ月前に入社しました」
−業務はどのような内容でしょうか
鍋山さん「メインの業務は海外のシステム開発運用部門の統括です。システムに関連する意思決定をします。また、現在は社内の業務フローの改善などを行っています。現状、ベトナムと日本とのやり取りでは言語の問題による認識の齟齬や、無駄なやり取りが多く発生していますので、あらかじめやり取りに必要な情報をテンプレート化したり、情報共有のルール作りをしたりなど、スムーズなやり取りができるような仕組みづくりをしています」
−ベトナムで働いていてどう感じますか
鍋山さん「実は私、カナダで働いていたことがあるんです。北米などの英語圏になると、相手の考えていることが全く読めなかったりするのですが、同じアジア圏のベトナムだとお互いに言いたいことはなんとなく分かったりする。ただ、カナダで「言わなくても分かるだろう」というレベルのことも伝える習慣が身についたので、それが今でも生きていると思います」
−ベトナム人のスタッフと一緒に働くことはどうですか
鍋山さん「良い意味で学生と働いているという感じです笑。とにかくみんな元気で明るくキャッキャとしているので、雰囲気はとても良いですね」
***
いかがでしたでしょうか。
以上、W&S Vietnamさんへの会社訪問でした。
ベトナムへの進出や就職を考える企業や人が増えている昨今、現場の声は日本にいながらにしてなかなか聞けないかもしれません。引き続き、そんな会社を回っていきたいなと思っています。
W&Sグループ – オンラインマーケットリサーチ
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