ドラゴンっていいですよね!
龍という漢字の画数は「ドラゴン」と同じです嘘です。
二ヶ月前に、「
ドリアンを装備する」という企画を行いました。
それがべとまる過去三年間の中で最大のヒットを記録し、Yahoo!JAPANのトップを飾るまでに。
個人的に、「謎の日本人」という言葉を考えた方にお礼を言いたいです。
拡大するとこちら。
で、それからというもの、何処に行っても「ドリアン見ましたよ!」と言われます。
「
ダチョウの人」と「
ドナルドの人」に加えて、「ドリアンの人」という呼び名が増えました。
こうして人は人生を紡いでいくのですね、特殊すぎるわ。
この結果に味を占め、「もしかして他のトロピカルフルーツも装備できるんじゃね?」と思い立つ。
ドリアンほどパンチのあるものが他にないだろうか…うーん、そうだ!あれしかない!
ドラゴンフルーツといえば、日本では沖縄でも手に入る果物。
実はサボテンの実で、その実には非常に多くのミネラル分を含んでいます。
皮のフォルムがドラゴンのウロコを思わせるため、ベトナムでは「タンロン(Thanh Long)」(龍の果実)と呼ばれ、日本に輸入された際にその直訳で「ドラゴンフルーツ」と名付けられたそうです。
ドラゴンに見えるなら、装備したらドラゴンになるんじゃないの!という訳で、着ました。
ところで、全く意識してなかったけど。
私って、このポーズがお気に入りだったんですね。
何なんですかねコレ、ホント。
さて、街を歩く様子とテレビの詳細はあとでじっくり書くとして、まずは製作工程をお見せします。
ドラゴンフルーツを近所の市場で購入する
ドリアンは実だけくり抜いて売られるので屋台で捨てられた皮を分けてもらいましたが、ドラゴンフルーツの場合はそのまま実ごと購入しなければなりません。近所の市場に行けば、普通に売られています。
必要な数は各パーツを合わせて20個と試算。
最初に全身像を公開したのでお分かりかと思いますが、よく見ると全く計画通りに完成していません。
ネルソン 「おばちゃん、ドラゴンフルーツ20個ちょうだい」
おばちゃん「は?」
ネルソン 「ドラゴンフルーツ20個」
おばちゃん「冗談でしょ」
ネルソン 「いや、本当に」
おばちゃん「あんた本気で言ってんのかい?」
ネルソン 「本気で言ってるよ、ドラゴンフルーツを20個ください」
おばちゃん「マジかよコイツ…」
心が挫けるからそういう反応をしてくれるな。
ちなみにドラゴンフルーツは一個500gくらいなので、20個で10kgです。
持ち帰っている最中に袋がバチーンと割れて路上にドラゴンフルーツをばら撒かないか不安でした。
ヨーロッパの下り坂でレモンが転がったらいくらか洒落ているけど、ベトナムの街中でドラゴンフルーツが転んでも流石にダメな絵面だろう。
それでは皮だけ切り出します。
一人で黙々と作業していたので、写真はあまり撮っていません。
皮はめちゃくちゃ脆い、ナイフを縦にグッと入れると、あとはスーッと勝手に割かれてくれる。
グッ、スーッ。
グッ、スーッ。
グッ、スーッ。
防具として脆すぎねぇか、コレ。
そして大量に生まれたミネラル分、今更ですがドラゴンフルーツの味はポカリのようです。
なかなか想像できないかもしれませんが、いつか食べたら分かります(美味しいとは言っていません)。
とりあえず中身は置いといて、切り取った皮をドリアンの時同様にせっせと水洗いする。
ここで初めて気付いたけど、ドラゴンフルーツは乾くとかなり粘り気を持つみたいです。
きちんと洗い落としておかないと加工に苦労するので、後学にお役立てください。無いね!後学。
色素が水に溶けやすいようで、
タライの中が毒の沼地みたいになっていた。
それから天日干し。
中身が抜けるとハリが失われて、みるみる内に老化していくドラゴン…急がねば!
さて、今回最大の課題は加工方法!
ドリアンは固かったのでゴムバンドを釘で固定しましたが、今回は望めなさそう。
そこでグルーガンなるものを買ってみた。
熱で溶かして樹脂で接着させる工具で、布製品に向いているらしい。
こいつで、Tシャツにドラゴンフルーツの皮を直接貼り付けていくという方法です。
これが大失敗につながります。
ドラゴンフルーツがそもそも水分を含みすぎていて、樹脂が固まってもツルッと剥がれる!
Tシャツ一枚犠牲にするつもりで買ったのに…妥協して、針金で体に無理矢理巻きつける仕様に変更。
篭手!お…意外に合ってる!
全力で拳を振り抜いたら炎でも出せそうじゃないか!(出せない)
肩!強そう…強そうだ!
ドリアンは魔王軍の下っ端感があったけど、これは魔王っぽい!(Tシャツ着てるけど)
最後に、頭。なんだ、この古代ギリシャっぽさは。
胴回りだけはドラゴンフルーツ自身の重みで針金によって割かれてしまい、断念。
かなり重要なパーツだけど、完成しないものはしょうがない。
そんなこんなで一通りのパーツをつくって袋に詰めて、明日に備えて就寝。
ちなみに一人だったので、製作中は終始無表情でした。
ドラゴンマンに…変!身!!
前回のドリアンの時は、歩けば歩くほど人が集まって来た。
昔観たモハメド・アリが登場する映画で、海外試合で現地入りしたアリが早朝にジョギングしていると、地元の少年たちが「アーリ!ボンバイエ!」と叫びながら走って付いていくというシーンがあった。
あんなことには絶対にないが、少しでも似た状況を期待して人が多い場所を選ぶ。サイゴン大教会そばの公園だ。
楽しそうな私。
一人で実行するほどハートは強くないので、友人を呼んでいます。
あと、一人じゃ装備できないという理由もあった。
しかし、やっぱり装着の具合がゆるく、少しでも動くと針金がたゆんでずれ落ちてくるので装着中はジッと止まる。ほぼ仮死状態。
友人 「完全におじいちゃんですね」
ネルソン「肩だけ強そうやけどな」
このシチュエーションが男性から羨ましいと言われる前に言うが、本当に動けないんです。
わたあめ売りのおばちゃんが寄って来た。
ネルソン 「お、興味ある?」
おばちゃん「わたあめ買って」
ネルソン 「買うような状況に見える?」
そして!
完成~!!
ネルソン「よっしゃ!それでは街を歩くか~!!」
と、その時でした。
????「えっ、何してはるんですか!」
ネルソン「えっ、日本語?」
????「何それ、何ていうフルーツ?」
ネルソン「…」
…
………
………………
………………………
ネルソン「八光さん?」
ネルソン「月亭八光さん!?」
関西の方はご存知だと思いますが…月亭八光さん!
落語家でタレントで、上方の落語家をされている月亭八方さんの息子さんです。
大阪の人間ならほとんど知っている…一言でいえば、芸能人です。
ネルソン「何ですか?これ」
八光さん「『よ~いどん!』ってテレビ番組知ってます?」
はい、そちらも知っています。
上京後(地元の大阪を離れたあと)に始まったから名前くらいしか知らないけど、関西で放映されている朝番組。その中で「となりの人間国宝さん」というコーナーがあって、いつもは大阪などの地元を散歩して人間国宝を見つけるという内容。今回はホーチミンロケらしい。な、な~るほど…。
な、
なんだ、
なんだこの展開は…!?
八光さん「これ何で付けてるんですか?」
ネルソン「針金です…」
ちょっとポーズを、ということでポージング。
ズルッ
ネルソン「あっ、くそっ、こんな大事な時に…!」
八光さん「あ、やりますよ」
ネルソン「すみません!あぁ~ホントすみません!!」
そのあとで、冒頭でお見せした写真です。
実はこれ、大人数とカメラに囲まれて、めっちゃ顔がこわばっています。
八光さん「何でこんなんやろうと思ったん?」
ネルソン「お、おもしろいじゃないですか…」
八光さん「おもろい…かぁ?」
ネルソン「おもろいですよ!」
やべぇ、緊張しすぎて、単語がひとつしか扱えない。
炎の鎧をイメージしてつくった、ということで炎っぽい演出のカメラワークで撮っていただきました。
今はこれを放送前に書いているので分かりませんが、使われていたら「あぁ、あれか」と思ってください。
キコキコ…
少年「何だコレ…」
少年「悪い夢か…」
少年よ、普段は喜んで絡むけど、お兄さん今めっちゃ忙しいわ。
八光さんと、一緒に写真を撮っていただきました。
このあと、やりとりの中で「日本人とベトナム人とでシェアハウスをしている」と答えると、「じゃあ今からそのシェアハウスへ行こう!」という流れに。流石にその様子は撮っていませんが、それに関しても、使われていたら「あぁ、あれか」と思ってください。
まさかこんなことになるとは思っていませんでした、本当にありがとうございました。
何気なく企画は中断していますが、
予想だにしなかったオチがついたので本望です。
折角なので、今回初めてべとまるを見たという方は、是非とも
べとまるのアバウトページと
BEST記事集をご覧ください。
そして翌日…。
大量に残ったドラゴンフルーツ。
全てラップでくるんで凍らせて、
この撮影から一ヶ月以上経った今もなお…少しずつ少しずつ食べています。