ホーチミンのあるカフェで、超リアルなラテアートを出すお店があるだって!?いったいどんなバリスタが?噂を聞きつけて行った先は、未来を感じさせる存在が!思い出がラテになりました。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/11/21
ホーチミンのあるカフェで、超リアルなラテアートを出すお店があるだって!?いったいどんなバリスタが?噂を聞きつけて行った先は、未来を感じさせる存在が!思い出がラテになりました。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/11/21
本記事は、2017年11月2日に「ネタりか」(運営元:ヤフー株式会社)で公開された記事を転載したものです。サービス終了に伴い、許可を得た上で、べとまるにて公開いたします。
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こんにちは、ベトナム在住ライターのネルソン水嶋です。
「なんでそんなまずそうに飲んでんだよ」と思いました?
いや、別にまずいわけじゃないんですよ……この表情には、わけがありまして……。記事の後半でわかりますので、まずは読み進めてみてください!
みなさん、ラテアートはお好きですか?
エスプレッソの上に、泡立てたミルクを加えて絵を描く。それがラテアートです。
ラテアート【海の日】@スヌーピー
LatteArt【SNOOPY】うみの日のラテアート、その①。#海の日 #ラテアート #SNOOPY #LatteArt pic.twitter.com/5unvUp1oQW
— ベルコルノ@1日目西地区 “F ” 06a (@BELCORNO) July 21, 2014
こういったかわいらしいものから、
#本日の暇カプチーノ、『しばいぬ』。 pic.twitter.com/FVzGvs3Fx7
— じょーじ (@george_10g) September 9, 2017
3Dタイプのとんでもないものまであり、その世界は奥が深いようです。近年では、バリスタがラテアートの技術を競う世界大会なんてものまであるらしい! すごい。
目次
そんな折、「世界一リアルなラテアートがある」という噂を聞きつけて、ベトナムのホーチミン市にある「DeBear Café(デベアカフェ)」というお店にやってきました。エスプレッソの本場といえばイタリアですよね? ベトナムにそんな凄腕のバリスタがいるとは思えないけど……。
私「すごいバリスタがいるって聞いたんですけど」
店員「そんな人はいませんよ」
私「え? でもここにリアルなラテアートがあるって……」
店員「あぁ! それじゃ、このメニューの中から好きなものを選んでください」
私「うん? んじゃ、まぁ、このヘーゼルナッツで……」
店員「あ、ちょうど前のお客さんのラテができたところですね!」
私「えっ?」
私「えぇ~~~~っ!!?」
私「なにコレ……ラテ!? カフェラテなのコレ!?」
店員「そう。きっと、あなたが言ってるバリスタってこれのことじゃない?」
私「マシーンやないかい!!」
店員「食品用プリンターです!」
そうなんです! 「世界一リアルなラテアート」とは、「食品用プリンターでつくる、ほぼ実写のラテアート」だったのです。リアルなラテアートというか、飲める写真と言った方がまだ近いかもしれない。そりゃリアルにもなるわけだよ。
私「というか、そもそも口にしていいのこれ?」
店員「もちろん! インクはちゃんと食べられる着色料を使ってるから」
私「うお、インクも見た目はプリンター専用そのまんま……」
店員「アメリカ製だから品質も確かですよ」
私「そういう問題なのか」
通常のプリンターでも使われるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色、いわゆる「CMYK」カラーがそろっている。この4色の組み合わせであらゆる色が表現できる。下にある使用期限は、さしずめ賞味期限ってところか?
せっかくなので、私もプリントしてもらうことに。
こちらはキャンバスになるよう、たっぷりと厚めに盛られたクリーム。実際のラテアートはミルクの泡を使うけど、固さが必要なのでクリームで代用するらしい。
指定されたWebページから、写真をアップします。
私が6歳くらいの頃の思い出写真を使います。ちなみにこの写真は、以前書いた「子どもの頃は許されたけど、大人は『アポなし』で訪問したら遊んでくれるのか?」でも登場しました。
プリンターを操作するソフトで、明るさ、大きさ、角度を設定して……!
プリント開始!!
特別にプリンターの内部を撮らせてもらいました。
おっ……おっ! おぉ!?
まごうことなきプリンターだコレ!!
なんだよこれ……!
なんなんだよこれ……!!
「写真だ!」「本当にラテ!?」「俺の思い出が……」といろんな感情が混ざり合って、この目の前の物体とどうやって向き合ったらいいのか混乱する。君は写真なの? それともラテ? いずれにせよ、飲みにくい。
写真(クリーム)の弾力はこの通り。
飲めば飲むほど、ゆがみだす時空。
結果、こういう表情にもなるわけです。
とにかく不思議な体験だったけど、このラテアート、どういう人にウケているんだろうか?
店員「10〜20代の若いカップルたちが中心ですね。自分たちの写真をラテアートとして印刷して、InstagramやFacebookに投稿しているみたい」
私「このサービスはラテを注文したらやってくれるの?」
店員「はい。お客さんの8割はそれが目的で来ていますよ」
取材をした日は、ちょうど2号店のオープン日だった。お店は今年の6月に始まったばかりなので、かなり好調な店舗展開と言えるでしょう。
ベトナムでは、今回のリアルすぎるラテアートはもちろん、床が砂で敷き詰められたカフェや、テーブルやイスが氷でできたマイナス10度のカフェなど、ついついSNSで共有したくなるカフェが若者たちを中心に大ウケしているようです。まぁ、でも……。
思い出の写真を印刷するのはやめた方がいいかもしれません。
なんとなく悲しくなるから。
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編集:ノオト