ベトナムのバイク天国っぷりは今や世に知られるところですが、ホーチミンにおけるその最たる瞬間は年に四度の打ち上げ花火の瞬間でしょう。天国と言ってられずそれはもう地獄、時期が合えば一度は必ず見てほしい。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/01/01
ベトナムのバイク天国っぷりは今や世に知られるところですが、ホーチミンにおけるその最たる瞬間は年に四度の打ち上げ花火の瞬間でしょう。天国と言ってられずそれはもう地獄、時期が合えば一度は必ず見てほしい。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/01/01
正月っていいですよね!
1月1日を一年の始めとして祝う正月ですが、今から140年以上前の明治6年頃までは日本でもベトナムや中国と同じ旧正月を祝っていたそうです本当です。
さて、皆さん!
明けましておめでとうございます。
年明け早々からべとまるを開いていただき有難うございます。
これからもより一層、ベトナムの魅力を面白おかしく伝えていきたいと思います。
反省や抱負を書こうと思うけど、それはまた旧正月にでも。
そう、ベトナムでは、正月よりも旧正月を祝います。
ホーチミン市は都会ですから市民の多くの実家は田舎にあり、みんな帰省して街が静まり返って、時折銅鑼をけたたましく鳴らしながら麒麟舞(獅子舞ですね)で各家庭を祝って回る、という光景が見られます。
丁度昨年記事にしているので、もしよかったら見てください。
観光なんて来ちゃダメよ!ベトナムのテト(旧正月)の過ごし方。
さて、とはいえ、正月は正月で盛大に祝います。
むしろ旧正月と比べて帰省する人がいない分、一年を通して最も街が盛り上がる時。
今回は、その様子をレポートしました。
ベトナムの面白さがよくあらわれています、ご覧ください。
*
ホーチミン市内にある橋の上。
時間は23時47分、2013年も残すところ13分。
一見、何でもない光景のようですがちょっとアングルを変えると…。
ベン!
ベベン!!
ベベベーン!!!
バイクめっちゃおる…。
この橋が普段からこうなっている訳では、もちろんありません。
せいぜい、ドブ川に釣り糸を垂らす人達くらいしかいないもの(それはそれで面白いんだけど)。
彼らの目的は…花火!
以前にも取り上げたことがありますが、ベトナムでは通年4回ほど打ち上げ花火を行なう日があります。
南ベトナム解放記念日、ベトナム独立記念日、旧正月、そしてこの年明けカウントダウンという訳です。
そしてこの夜に広がる光景こそ、裏ベトナム観光イベントのひとつなのです(他は考えてはいない)。
そこからさらにバイクを走らせて、1区のTon Duc Thang通りにやってきました。
ズンダンズンダン!とクラブから重低音とネオンライトが発せられています。
そしてさらに走ると…
バッ!
バイクの大洪水やないかー!!
そう、この通りは花火のビューポイントで、毎年とんでもない数のバイクが集まります。
結果として、
ビュー出来ません。
最後尾に付いて3分後、後ろを振り向くと…。
既にとんでもない数のバイクが集まっていました。
ここで完全に状態は膠着(こうちゃく)。
おそらく、もう前に進める余地が無いのでしょう。
花火を観るためにバイク投げ出しちゃってますからね。
時計を見ると既に0時11分、もう年変わっちゃってますが、まぁそこはベトナムなのでね、
男 「Hey, Look at that!」
ネルソン「!?」
うっ、
打ち上がったー!
そしてやっぱりいまいち見えないー!!
観客「うおおおぉぉぉぉぉ!!」
小回りが利く徒歩組は、人とバイクの波をかき分けて少しでも前へ。
バイクの上で立ち見という高等技術を駆使する人も。
露店の店主までも店を放ったらかす始末。
が、
完全に見えない位置という外れを引いたバイク組は意気消沈…。
こちらも全て見えないとはいえ、やはりこの身体に響く音を感じるだけでもいいですね。
まぁ、正月っていうか夏って感じだけど。
観客「うおおおぉぉぉぉぉ!!」
日本の花火はしみじみと静かに観る人も多いですが、こちらはとにかくちょこちょこ叫びます。
合いの手かよ、というくらいちょこちょこ叫びます。
余談ですが、上京して初めて花火大会に行った時にも騒がしくて驚いたものでした。
大阪だと比較的静かに見ている印象があるのですが、全国各地でスタイルがあるのかもしれません。
特に東京は、「たまやー!」があった土地柄ですからね。
後ろバイク組「こちとらほとんど見えないっつーの…。」
背後から負のオーラを感じる…あんまり振り返らないでおこう。
ん!
あ、あれ!?
花火はまだ終わってないのに、帰り始めている人がいるよ!?
これは…そうか!
観客「あー終わった終わった」
ベトナム人特有の国民性…終わったらすぐ帰る!
ゴ…ゴゴ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………
全員が一斉にエンジンをかける音で地鳴りのような音が辺り一帯に響きます(マジで)。
間違いない、今ここは地球上でも指折りの二酸化炭素排出量だ。
カオスだ!
カオスが始まるぞ!!
これ、完全に怪獣映画の1シーンやないか。みんな、何者かに追われとるやないか。
そして帰路へ帰りました…と、
思ったら大間違い!
あれだけの渋滞が、すんなりUターンで脱出出来る訳がありません。
花火の後で気分も高揚しているのか、普段以上に遠慮が無い。
これ、今夜の内に1000人以上はタイヤに足でも踏まれてるんじゃないですか。
おそらくこのカウントダウンが最も大規模だと思いますが、花火が打ち上がる夜は大体こんな感じ。
機会があれば、是非見てみたいと思います。