ベトナム南部の港町、ブンタウは良い場所です。ビーチあり、海鮮料理あり、ドッグレースあり、そして…山頂にある遊園地「Ho May Park」ではなんとヤマアラシも食べられます。一体、どんな味なんだよ…。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2015/03/14
ベトナム南部の港町、ブンタウは良い場所です。ビーチあり、海鮮料理あり、ドッグレースあり、そして…山頂にある遊園地「Ho May Park」ではなんとヤマアラシも食べられます。一体、どんな味なんだよ…。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2015/03/14
柔道っていいですよね!
柔道の投げ技に「山嵐」というものがあります。
他の技の名前は「足払い」などの説明に近いものに対し、抽象的な名前は山嵐のみだそうです本当です。
目次
今回は、
ももたん(左)と小寺さん(右)と共に!
南部の港町・ブンタウにやって来ています!
ホーチミン市にお住まいであればご存知の方も多いかもしれません。
ブンタウは、ホーチミン市から高速船で一時間半、バスで2時間(渋滞の状況によっては3時間)という都市部からも近場にあるレジャースポット。詳しい行き方は、現地に住む松山さんのブログ記事をご覧ください。なお、松山さんには今回いろいろと情報提供と案内をしていただきました、ありがとうございます!
と、ブンタウのざっくりとした魅力(ほぼビーチと海産物の画像しかないけど)はまた後日書くとして、今回はタイトル通り…ヤマアラシを食べる。そう、ブンタウでは、なんとヤマアラシが食べられる。もちろん過去に一度もそのようなものを食べたことはありません、そもそも見たことあったっけ?という印象です。
でも、港町でヤマアラシって…少なくとも山嵐なんだから山の生き物だろう!
そうです、山にいるのです。
こちらの先にある遊園地で食べられるという。
え、この建物の向こうは海じゃないの?何処に遊園地があるの?と思ったら…。
はい、見てるだけで首が痛くなりましたが、この通りロープウェーで渡った先の山の上。
な~るほど、それならヤマアラシがいてもおかしくないねー!とは思わないけど、行くか。
ちなみに、駐車場の看板に「HONDA」の文字を発見。
HONDAといえば、もちろん日本の自動車メーカーのあのHONDA。
ベトナムではバイク(主に原付)のことをHONDAと呼ぶという話は在住者の間では有名だけど、今のホーチミン市にそういった気配はありません。単純に今はHONDA製だけじゃなくなってきたため呼び名も変わって来たのです。いつの日かブンタウも、ベトナム全土でも、HONDAと呼ばなくなる日が来ると思う。
話が逸れたけど、本筋に戻りましょう。
遊園地の名前はKhu du lich Ho May(Ho May Park)。
チケット売り場に行くと、看板にいろんなアトラクションの写真があった。
ホテルやビリヤード場と、宿泊機能も兼ねた複合娯楽施設みたい。
これは何だろ…て、ん!?
あるじゃないですかー!
ヤマアラシあるじゃないですか確かにー!!
一匹750,000ドン(4,300円くらい)じゃないですかーここー!!
>750,000ドン(4,300円くらい)
くそっ、たけぇな。ちくしょう。
何はともあれ敵(肉)は山頂にあり!
という訳で、ゴールを目指してロープウェーに乗り込みます。
ちなみに入園料は30万ドン(1,700円)。
一年前のスイティエンパークが7万ドンなのでベトナムではお高めですが、園内のほぼ全ての設備が無料。
ブンタウ的には冬なのか、山腹には枯れ木が目立つ。
ビーチは一年を通してもかなりの盛り上がりだけど、南国ならではの現象だろうか。
いや、それなら枯れ木自体がおかしいだろう、と思ったけどもういいや考えても分からない。
小寺さん「ネルソンさん、後ろ!」
ネルソン「何!?」
うわーお!
そうか、建物の裏が海なんだからそうなるか!いやーこれは絶景だなー絶景絶景ー!!ぜっけ…
全員「恐い…」
ロープウェー自体は両手で数えるくらいは乗っている。にも関わらず、何故かこれは異常に恐い。
ベトナムの設備だから本当に大丈夫なのかと、何処かで信用していないからか。
あとになって、この写真を見て分かった、ロープを中継する鉄塔が少なすぎるんだ。
日本だったら見た目からして支えられている印象がこのロープウェーにはないんだ。
いずれにせよ無事に落ちることも止まることもなく、到着。
いやーここで死んだら、前回の裸の大将を最後にべとまるが終わるところでした、よかったよかった。
園内まで距離があるらしく、迎えのシャトルバスが来た。
そう、シャトルバ…え?
トラクターだ!!
一見汽車っぽく見せて、こりゃ完全にトラクターだ!!
小寺さん「ネルソンさん、これ!」
ネルソン「お次は何!?」
小寺さん「三菱製です!」
ネルソン「絶対嘘だろ!」
あとから装飾したにせよ、遊園地という場所に三菱を持ち込む理由が分からない。
そしてこれがもし三菱製でもなかったらますます意味が分からない。
何にせよ乗り込みます。
すると早速、
第一コンクリート像発見~!
ベトナムの遊園地に、必ずと言ってもいいくらいに存在するコンクリート像。
なんだもうその左腕の異常な膨らみは、もしかして君はあれかタイラントか。
タイラント「タイラントじゃないよ!」
ネルソン 「知らんわ」
そして必ず何処かに欠損。
????「ウオオオォォォォォ!!」
ネルソン「!?」
シャーーーーー!
シャーーーーー!
ジップライン、ターザン気分を味わえるアトラクション。なんだかいろいろあるのねぇ。
そして…。
再び現れたレストランメニュー!
ヤマアラシくんもいらっしゃる!
そして何故か表示価格が半額に!
単位が皿になってますね、何でここに来て変えたんだ。
まぁ、安く食べられる分にはいいのでレストランへ向かいます。
ホテルというよりは寄宿舎みたいな建物の三階にあるらしい。
全く飾り気のない建物で…
ここにあるとは…
思えないのに、あるのがベトナム。
早速、テーブルに着席してメニューを見る。
あるで…間違いなくあるで!ヤマアラシ!
と思ったら、1kgにつき750,000ドンと再び遊園地入口の表示価格に戻っている。
さっきのぬか喜びは何だよバカヤロウと思いつつも、ここまで来たら後には引けねぇ!注文でーい!
ネルソン「ヤマアラシ持ってこーい!」
店員さん「あ、はい」
さて、完全に調理された状態で出てくるのか、それともヤマアラシの面影を残して出てくるのか。
万が一にも活造りとかだったらイヤだな、トゲが添えられるのも生々しくてイヤだなぁ。
もしそうならべとまるに書けなくなるではないか…最近は在住日本人の中高生も見てるって話だし。
そう、これからはより健全なベトナムライフをお伝え…
店員さん「すみません」
ネルソン「はい」
店員さん「一匹捌かないといけないので、4kgからになります」
ネルソン「あんだって」
1kg=750,000ドン(4,300円くらい)。
つまり、
4kg=3,000,000ドン(17,000円くらい)。
そうして僕らはヤマアラシ肉を諦めた。
世の中には、貫きたい信念(コンテンツ)も必要なら、それが実現できるだけの力(お金)も必要なのだ。
いい社会勉強になったじゃないか…。
でも…。
ネルソン「本当にダメ!?」
店員さん「ダメ」
ネルソン「余った分は冷凍すればええやん!ていうか一匹丸々なら750,000ドンとか嘘じゃねーか!」
店員さん「ダメなものはダメ」
結局このあと、振り上げた拳の落とし所もなく、安く食べられるという理由でクエを注文しました。
ネルソン「あ、そうだ、Utさん」
Utさん 「はい」 ※今更ですが、この日の撮影は通訳として現地の学生・Utさんに同行してもらっています
ネルソン「メニューにあるのなら、このレストランのスタッフが食べたことがあるんじゃない」
Utさん 「そうかもしれませんね」
せめて情報だけでも、ヤマアラシの味の一端を掴まないと幕は引けねぇ。
店内にいるスタッフに聞いてみよう。
Utさん 「ヤマアラシ、食べたことありますか?」
ウェイトレス「高いからないですね」
ネルソン 「まぁそうかもな」
Utさん 「ヤマアラシ、食べたことありますか?」
マネージャー「高いからないですね」
ネルソン 「あんたは食べとけよ」
Utさん 「ヤマアラシ、食べたことありますか?」
シェフ 「あるよ!」
ネルソン 「きた!」
ネルソン「どんな味だった?」
シェフ 「んーとね」
シェフ 「…」
ネルソン「…」
シェフ 「……」
ネルソン「……」
シェフ 「………」
ネルソン「………」
シェフ 「ちょっと表現が難しいな」
ネルソン「あんた本当に食べたのか」
シェフ 「でも、美味しかったぜ!」
だから今度食べてみて、と最後に何の説得力もないイチオシをいただきました。
しょうがない、帰りがけにヤマアラシでも撮るくらいにしておくか…。
ということで、「ここなら見られるよ」と場所を教えてもらう。
今になって考えてみると、これがよくなかった、いやよかったとも言えるかもしれない。
目的のほとんどは達成したので(達成してないけど)、
あとは遊園地らしく普通に遊んだ。
中でもこの釣り堀がとてもおもしろかった。
釣る魚は…なんとピラルク!大人だと最小でも、体長2mに体重100kgの巨大魚!
エサは冷凍された小魚(といってもシシャモくらいの大きさ)。
これは10,000ドン(57円くらい)と有料でした。
釣り堀と書いたけど、もちろんこんなものを釣り上げられる訳がない。なんたって向こうの体格的には泳ぎの上手いプロレスラーを相手にしているようなものだ。いや、それどころの騒ぎじゃない。
引っ張り合いを楽しむという意味では、スイティエンパークのワニ釣りを思い出す。
スイティエンパークのワニ釣りは、腐った肉でワニをおちょくる楽しいあそび
ももたん「やってみるわ」
ネルソン「頑張ってー」
ドゴォン!
ももたん「何ぞこれ!?」
あっという間に肝だけ残して小魚を持って行かれてしまった。
これ、完全に、エイリアンに捕食された人間の末路である。
小寺さん「それじゃあ私も」
バゴォン!
小寺さん「何ぞこれ!?」
二人ともあえなく撃沈、当たり前か。
それにしてもさっきから水面から浮かび上がる背中が魚のそれじゃない。
巨大魚とか言って、なんかとんでもない怪物とか戦っているのではないのか我々は。
もしかしてシーサーペントとかと戦っているのではないだろうか我々は。
という訳で私も挑戦ー!
すでに釣り糸を垂らす前から群がるシーサーペント(ピラルク)ども。
完全に「二度あることは三度あるルク」と思ってやがる、語尾は知らんけど。
ネルソン「…」
ドガァン!
ネルソン「何ぞこれ!?」
あえなくやられました。
それから、隣のおじさんがめっちゃいい勝負をしていた。
一見すると、一対一じゃない、完全に悪さをするシーサーペントのならず者集団を退治する構図。
スイティエンパークのワニ釣りに比べて、こちらの方が長めに楽しめるかもしれません。
というのも、向こうが一度噛んだらほぼ戻らないことに対して、ピラルクは歯こそあるが尖った牙という訳でもないので、意外に「ヌルッ…スポッ!」という感じで何度も食い付き離してはと楽しめる。それにこちらの方が水面からいきなりビターン!と水面を弾いて出てくるので、スリルがあるのだ。
正直、このピラルク釣りの有無で、この遊園地の評価は全然違うという意見で全会一致した。
そのあとは、
日本からやってきたゴルフカートを発見したり、
秘湯に向かっているらしき親子を発見したり(足熱くないのか)、
樹の根元に勝手に生えている、
超巨大キノコを発見したり、
そうして…。
あった…!
ヤマアラシ(PORCUPINE)…あったよー!!
というか、
動物園だったのかよ!!
そこには5つほどの檻があり、それぞれにつがいらしきヤマアラシが二匹ずつ入っていた。
食用ってことだからてっきり豚小屋みたいなものをイメージしちゃってたよ…。
それにしてもこのヤマアラシ。
背中のトゲこそ仰々しいが…
思っていたより…!
可愛いじゃないか…!!
そうだ、これはカピバラが持つ可愛さだ。
実際に、ヤマアラシもカピバラも「げっ歯類ヤマアラシ亜目」に属するらしい。
あのレストランで、「よーしネルソンヤマアラシ頼んじゃうぞー!」と企画を断行しようものなら、ば。
ここから一匹のヤマアラシが消えていたということなのだ…。
食べなくて…!
食べなくて本当によかった…!!
そうして僕らは心からヤマアラシ肉を諦めた。
世の中には、貫きたい信念(コンテンツ)も必要ならば、超えてはいけないラインというものがあるのだ。
その帰りしなに遭遇したダチョウから向けられる視線に、何かしら刺さるものを感じた。
あぁ、そういえば、君を食べたことはあったわ。
だって肉だったもん、というかサンドウィッチだったもん。
ベトナムでダチョウの首に金メダルを掛けてウィニングランをする方法(前編)
最後に余談だけど、この山の上から見渡すブンタウの街並は新鮮だった。
おそらく、ホーチミン市には高い山がないので、こういった風景を見ることがないのだろう。
展望台のある高層ビルこそあるけれど、根本的に高さのレベルが違う。
ビーチも紹介したいなと思ったけど、変わりネタを追いすぎてロクに着目していませんでした。
という訳で、その手の話はまた今度書きたいと思います。
ブンタウに行ってみたい!という方は下記よりご相談を。