饅頭っていいですよね!
饅頭(まんじゅう)には「頭」という文字が含まれていますが、これは饅頭の起源を辿ると神への供物が「人の頭」だったことによるそうです本当です。本当かよ、って自分で調べてびっくりしたわ。
べとまるではたびたびグルメレポート記事を書いてきましたが、最近はとんと触れていません。
もともとその類の記事をすすんで書いていないという理由が一番ですが、しばらくリポーター(?)として立ってもらっていた二人が…一方のまさよはハノイに行き、一方の神崎さんは
バーの運営(別サイトで書いた記事ですが、撮影場所がそこ)でお忙しいもので、スッカリと機会が無くなったと。
それはともかくとして、ひさしぶりに単に私がオススメしたい店を見つけたので紹介します。日々のホーチミン暮らしの中でお気に入りの場所は増えていきますが、今回は雷に打たれたような衝撃というか、ちょっとえらそうかもしれませんが、「ベトナムもここまできたか~!」と勝手に感動したのです。
それは、若者向けにオシャレなアレンジを加えた台湾料理のお店。
店名は「Baozi」、ちょっと元横綱・朝青龍みたいな名前です。
いきなり一瞬話逸れるけど、左のアウトドアショップは少年心をくすぐります。
Nguyen Thai HocとTran Hung Daoの交差点の北西側、市内唯一無二と言っても良い、バックパッカー街・Bui Vien通りの東側入口近くにあります。在住者にはお分かりの通り、ものすごく中心地ですよね。
この店に来たきっかけは、たまたまこの周辺で友人と予定があり、昼時だからランチに行こうという話になって。そこで
Foodyさん(生きとし生けるものに惜しみないグルメ情報を与えられる超有用グルメサイト!)にて
こちらの写真を発見、「なんか見たことある!これ食べよう!」と盛り上がって、やって来ました。別タブで開きたくねーよめんどくさいって人に説明すると、角煮を饅頭で包んだやつですな。
台湾料理店は、5,6区にあるチョロン(中華街)にたくさん存在しますが、Bui Vienという中心地にあるってそれだけで珍しくて有り難い。でもまぁよくありがちな、油で壁がスッカリ黄ばんだ店で、白いランニングシャツとベージュ色のハーフパンツを着たおっちゃんが切り盛りしてんだろうな~と思っていた…ら、ですよ。さきほどのオシャンティな店構えがご登場した訳です。ちなみにそのたとえの情景は一体どこをイメージしてるんだよっていうと、まさに
ここです。揚げナスめちゃくちゃ美味いけどな。
店内に入ってみると、さらに愕然!たた、台湾料理だよね?
奥のネオンの看板には「COCKTAILS(カクテル)」って書いてますけど…。
店員「おっしゃる通りのバーですよ、お帰りくださいジャパニーズ!」
なんて言われることもなく、親切丁寧な接客で席まで通してもらいます。
そしてそして、分かりますか。客層も20代と若い世代が中心!
と言ってもベトナムの平均年齢は20代(28歳だったかな)なのですが、仮にも台湾料理というジャンルでこの客層とは驚きです。確かにこの店構えでは白いランニングシャツとベージュ色のハーフパンツを着たおっちゃんも近寄らんだろう(彼はどちらかというと調理場に立つ側ですが)。
はい、前置きが長いですね。
そろそろ料理を紹介しますね、そりゃ~!
おおおおおおおおおぃぃぃぃぃぃ!!
なんだかんだでイメージ通りの料理って、日本でも多くはない気がします。しかしながらこの実現度、「ありがとう」というか、「おめでとう」というか、神棚があったら指の腹だけで恐る恐る持ち上げ飾って、お手てとお手てのシワを合わせて「南~無~」(チーン)と囁いているところです。要するに、幸せ。
饅頭自体にほのかな甘味と酸味があり、旨味たっぷりジュクジュクの角煮とよ~くマッチしております。
しかしながら、Baoziの看板メニューはこれだけではありません!はい出ましたポン!
あ、あ、ああ、憧れの…!!台湾飯!!
ベトナム(ホーチミン市)の台湾料理って、なんだかんだで餃子とか炒め物とかが中心で、このガッツリと米がドーン!角煮もドーン!喪黒福造だドーン!って感じの、ザ・台湾飯ってメニューがあまり無いんですよね(三回言いたかっただけです)。しかも、見ました?見てないならちょっと上にスクロールして戻ってみて。中央にはなんとなんと、卵黄さんが鎮座しておられますよ~中央集権国家ですよ~(適当)。
ベトナムにおいては希少価値も危険度もともに高い火を通さないタイプの卵黄さん、見たところタレに漬け込んだやつ。ずーっと昔につくったんで分かります。これはめちゃくちゃ冒険浪漫譚だ、かなり衛生管理を徹底していないと出せないはず。
ガッシャガッシャとかき混ぜて食べような!
ベトナムではよく見かける食傷されがちな揚げ玉ねぎも、歯ごたえと香ばしさに良いアクセントを生み出しています。台湾とベトナムのフュージョン!ハッ!ピカー!です。でもこれ台湾にもともとあるものだったらちょっと恥ずかしいけど。
海藻スープ(アオサのような食感です、というかアオサ?)も薄い塩味でご飯によくマッチして、小鉢でお茶漬けのように混ぜてみても美味しい。ねこまんま?知らねぇよ、美味しいもんは美味しく食べるの。
ほかにもカツカレーがあったり、
スコッチエッグがあったりとメニューも豊富。
ネルソンお前どんだけ頼んでだよと思われていそうですが、安心してください。一人じゃないし、三回行っただけだから。まぁ、初来店から10日経っていないのですが、それだけハマったっていう話です。
なお、台湾飯もスコッチエッグも、全体的に見た目の割には薄味かもしれません。とくに後者は、小皿に入ったチリソースとカレーソースが付いてきた。ベースが薄味で調味料によって調整するというスタイルは、齢32歳の肉体の下り坂にはちょうどいい塩梅です。いいよね薄味。ジムに行こう。
値段について。一応はレポート記事にも関わらず一切メニューリストの写真が出てこないのですが、饅頭は「Bao」、台湾飯は「Bowl」というカテゴリーにメニューがあって、それぞれ45,000ドン(およそ225円)と70,000ドン(およそ350円)、という嬉しい値付け。スコッチエッグは42,000ドンかな。
ベトナムにおいては、言わば古典の料理とも言える台湾料理が、こんな形でオシャレに提供されているという点は現地市場を知る観点でも興味深いですよね。もしかしたら今後、中華料理のリノベーションが増えてくるんじゃないでしょうか。ベトナム料理は当然ながら食べ慣れているし、かといって日本食はすでにハレの日に食べるような特別な料理として確立している。うん、来るかもねこれ。Baozi、応援しております。
最後に、趣味全開の余談ですが、Baoziで流れるBGMが個人的にどれもこれもドツボでした。それもそのはず、私がここのところよく聴いているYou Tubeの作業用BGMとダダ被りだった。70,80年台の邦楽のフォークソングなのですが、一体どうしてベトナムの台湾料理店がここに行き着いたのか。オーナーが日本人なら熱い握手を交わしたくなりますが、そうとも思えないし、感動以上に疑問が頭の中を埋め尽くす。ついでに言うと、それはこれらです。趣味が合う人はぜひオススメの曲を教えてほしい。大貫妙子も好き。
今までなんで知らなかったんだろうと思うとともに、
好みの曲は時代に関係なく存在しているのだと思いました。
店名:Baozi
住所:165 Nguyen Thai Hoc, P.Ong Lanh, Quan.1, TP.HCM