雨が降ったらドタキャンOK!?ベトナムの「梅雨」はインパクトが桁違い

雨が降ったらドタキャンOK!?ベトナムの「梅雨」はインパクトが桁違い

本記事は、2017年7月13日に「ネタりか」(運営元:ヤフー株式会社)で公開された記事を転載したものです。 サービス終了に伴い、許可を得た上で、べとまるにて公開いたします。

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みなさん、梅雨の時期をいかがお過ごしでしょうか?

鬱々とした曇り空、出勤や通学、外出全般がおっくうになる雨……。

情緒がないとは言わないけども、「だからと言って1カ月半も要らんわ」と思ってしまうところです。

 

こんにちは、ベトナム在住ライターのネルソン水嶋です!

この姿、クオリティの低いカオナシのコスプレではありません。実はこれ、ベトナムでは定番の梅雨対策ルック(カッパ)なんです!

どうしてこんなポンチョみたいな形なの? 一滴も濡れたくないから??

……答えは、後ほど!

 

ベトナムの梅雨(雨季)の長さと激しさはシャレにならない

「ベトナムって、東南アジアだし、常夏なんだろうなぁ」。きっとそんなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか? そうだとしたら……実は、大変な誤解なんです!

「梅雨」とは東アジアで見られる気象現象を指すので、それも含めた「雨季」に当たるのですが、ベトナムにも存在します。ただし、日本の梅雨と違って期間は1カ月半に留まらず、5〜10月の半年間に及び(一部地域を除く)、一日中ゆるーく降り続くのではなく、1回~複数回に分けて「ドシャーッ!!」と降る点が特徴。東南アジアなどの熱帯地域で見られがちな、いわゆる「スコール」と呼ばれるものですね。

こんな雨雲が迫ってきたら、あとはもう覚悟するしかありません。集中豪雨、ときには台風レベルの暴風雨が襲いかかります。

これは3年以上前に撮ったスコールの動画。台風中継などでよく見る暴風雨のようです。これほど強いものはさすがに年に片手で数えるくらいですが、前触れもなくやってくる点が恐ろしい。

そうしてー!

この通り!

冠水状態(洪水により物が浸かる)!

降雨量に街の排水能力が追いつかず、こうなってしまうと車やバイクも水に濡れて故障を起こし、翌日の修理屋は大儲け状態。風が吹けば桶屋は儲かるとも言いますが、ベトナムは確実に、雨が降れば修理屋が儲かるのです(使い方は違うけど)。

ズボン(下半身)だってこうなります。股下まで濡れているあたり、水位の高さがお分かりだろうか……。

ただ、これは北部の首都・ハノイや南部の都市・ホーチミン市の場合。最近は日本のテレビでもよく取り上げられるダナンやホイアンといった街がありますが、これらは中部。雨季の時期と期間は9〜12月の3カ月と半分に縮まりますが、とくにホイアンの雨季は、川の増水と相まって毎年洪水を引き起こす災害レベル。

もはや風物詩になっている中部の街・ホイアンの洪水! これ、川じゃなくて街ですからね!

ちなみに、この状態は1~2日ほどで収まります。

このときは二階の窓が出入り口になったり、手こぎボートが往来したり、地元のひとびとは冠水前提の暮らしを送っています。ホイアンの旧市街の街並みは世界遺産にも登録されており、世界中から観光客が訪れますが、この雨季の洪水があるからこそ生まれた景観とも言えるでしょう(それだけじゃないけど)。

 

ポンチョ型カッパは、ベトナムの雨季に最適化されている

ここで冒頭の姿に戻ります!

そんな激しい雨だから、雨具もこうして全身を覆っている形なのか?

それは、半分正解!……で、半分間違い!

じーつーはー!

バイク乗りのために最適化されたものなんです!

ハンドルを持つ手を濡らさない、前に伸びたカバー!

ライトを塞がない、部分的な透明シート!

後ろに乗る人のためにも顔が出せるように空けられた穴!

つまり、自分一人を守るのではなく、バイクも後ろに乗る人も守るカッパということ!

ベトナムがバイク社会であることは以前の記事「ベトナムのバイクの群れはどこに向かっているの? 現地のライダーに聞いてみた」でも取り上げた通り。日本なら自転車に傘を差す固定器具がありますが、バイクのスピードで傘を差すわけにもいかないし、そもそも雨の激しさが傘で防げるレベルを超えていますからね

では、この国に暮らす、当のベトナム人のみなさんは雨とどう付き合っているのだろう?

ベトナム人の友人に聞いてみました。

 

ベトナム人の雨との付き合い方

私「雨季の印象ってどう?」

友人「面倒くさい季節だな、って感じです。だいたいバイク移動なので、スコールが降るとスリップしやすくなるしね」

私「移動中に目も開けられないレベルで激しかったらどうするの? 雨宿りするしかないって感じ?」

友人「激しかったら、そのへんのカフェに入ってコーヒーでも飲みながら待ちます」

 

ベトナムはコーヒーの産地でもあり、フランス植民地時代にカフェ文化が根付いたため、カフェが多い(日本でのコンビニよりも多く見かける)。図らずも、雨宿りとうまくマッチしているのか……。

 

私「完全に予定が停止する、ってことだよね。用事がある場合はどうする?」

友人「うーん、待つしかなくないですか?」

私「無理を押して行こう、ってことにはならないのね」

友人「もちろん優先度によっては行きますけど、仲の良い相手だったらお互い様なので行かないかも」

私「家を出るときにスコールだったらドタキャンも有り得る?」

友人「したことはあります」

私「俺もあります」

友人「あんのかよ」

 

そのほか、このような話が聞けました。

 

●傘の使用率は日本に比べて圧倒的に少ない。自分が差すというより、店の軒先から車に乗り込むときなど、他人に差される場合が多い。

●家庭によっては太陽熱を利用した温水シャワーを使用しており、雨季は水温が冷たくなりがち。

●ベトナムは水力発電が多く、スコールありき。ないと停電につながるので困る。

●暑い時期と雨季は被っているので、打ち水のように街を冷やす効果がある。

●スコールの激しさによっては予定のドタキャンもやむを得ない。

 

以上! ベトナムから梅雨ならぬ雨季、スコール事情をお伝えいたしました。

日本は7月中に梅雨が明けるのがほとんどだけど、主にベトナムの南部・北部では10月頃までずっと雨が降り続けます。

そのあとは乾季となってとっても過ごしやすい季節。この時期が南部・北部ともに観光にオススメです(中部は逆に9〜12月を避けましょう)。具体的には、里帰りで都市部から人が減ってしまう旧正月(毎年変わるので調べてみてください)を除いた、11~2月がよいでしょう。

 

まれにですが、スコールのあとはこうした巨大な虹も現れます。雨季には雨季なりの楽しみ方があるので、憂鬱になりがちな日本の梅雨も、考え方次第で楽しく過ごせるかもしれませんね!

 

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編集:ノオト

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