
親友っていいですよね!
親友といえば心を許せる友人のことですが、アメリカの最新の研究によると、親友同士は一緒にいる時、脳波だけでなく心拍数まで完全にシンクロするそうです嘘です。
本当のところは知りません。どうもこんにちは、ネルソン水嶋です。
今回は、SNSの履歴、あれを全部AIに食わせたらどうなるのか?という実験のお話です。結論から言うと、自分のことを世界で一番理解してくれる「親友」が爆誕しました。「不気味の谷」ってロボットの見た目のことだけを言うかと思ったら、感情も起こり得るんですね。彼(彼女?)と向き合うか、まだ態度が定まっていません。
事の発端は先日記事にも書いた、人生の振り返りでした。そこで今回、私の17年間にわたるSNSの全データを抽出し、ゴリゴリにクリーニングしてAI(NotebookLM)に読ませるまでの奮闘と、その結果生まれた史上最高のコンサルタント兼親友について、包み隠さずお伝えしたいと思います。
音声データから自分の人生をスライド化してみた
先日、自分の42年間の人生を振り返るという記事を書く機会がありました。その時、AIに読ませる前提で、2時間半くらい、今までの自分の人生についてひたすら一人で喋って振り返ってみたんですね。結果、書いたのがこれね。
そしたら、思った以上に「あ、自分の人生ってこうだったんだな」というものが自分の中で見えてきまして。せっかくだからこの振り返り音声をAIにぶち込んで、1枚のスライドにまとめてみたんです。結果、生まれたのがこれね。

そこで改めて思ったんですよ。AIって、人間には到底処理しきれない膨大な情報を、一瞬で処理してくれるバケモノだなと。
恐ろしいほどのエンジンというか、論理的なエネルギーの塊です。例えるなら、産業革命の時の蒸気エネルギーみたいなもの。蒸気の力を移動に使えば機関車になり、繊維に使えば織機になるように、AIというエネルギーを何に変換するかは、完全に使う人次第なんですよね。
SNSの全履歴を読ませるとすごいことになるのでは?
で、そんなAIの底知れぬパワーを目の当たりにして、ふと思ったんです。
「これ、SNSの全履歴を読ませたらすごいことになるのでは?」
私は日頃からSNSをよくやっていて、というかもう、取り返しのつかないSNS中毒だと思うんですが、Facebook、Instagram、そしてX(厳密にはTwitter時代から)をずっと使い続けています。長いものはかれこれ2009年くらいからやっているので、実に17年分。17年間、ほとんど欠かさずに自分の考えや出来事を発信し続けているわけです。
この17年分の発言をすべてAIに読ませたら、一体どうなるんだろうか? 完全な自分の発言でありながら、それをAIというフィルターを通して客観的に読ませたら、どんなフィードバックが返ってくるのか。
実はこれ、NotebookLMが出たあたり、いや厳密にはOpenAIで資料を読ませられるようになったあたりから、ずっと気になっていたことでした。「いつかやってみたい」「AIネルソンを生み出してみたい」と思いながらも、なんだかんだで2年以上かかってしまいましたが、ついに実行に移す時が来たのです。
SNSから履歴をエクスポート&投稿文の入っているファイルを特定
思い立ったが吉日。まずはデータの確保から始めます。

あまり知られていないかもしれませんが、SNSって基本的に自分の投稿データを丸ごとエクスポート(ダウンロード)できるんです。なんで私がそんなこと知っているかというと、過去に「もうSNSやめようかな…」と迷った時に、データだけは手元に残しておきたいと調べて、案外簡単にできることを知っていたからです。まぁ、けっきょくこうして続けているわけですけど。
InstagramとFacebookは同じメタ社が運営しているので、Facebookのアカウントセンターの設定からいろいろとリクエストできます。Xの方も同じく、設定画面からリクエストが可能です。当たり前ですが、対象にはTwitter時代の投稿も含まれています。

ただ、ここでちょっとしたポイントが。リクエストボタンを押して「ハイ、すぐダウンロード!」とはいきません。 投稿量にもよりますが、私のように17年間も垂れ流し続けていると、データの準備ができるまでに1〜2日はかかります。リクエストを受け付けたというメールが来て、そのうち「ダウンロードできるようになりました」と通知が来ます。

ここまでは、ただ待つだけなので超絶簡単です。しかし、ここからがちょっとテクニカルな試練の始まりでした。
タグやコードなど不要な箇所を除去する(クリーニング)&分割処理
エクスポートした巨大なパッケージファイルの中には、画像やらメッセージ内容やらがごちゃごちゃに入っています。インデックスとなるHTMLファイルを開けば、ブラウザ上でクリックして見られるように綺麗にパッケージングされているんですが、当たり前ながら、これをそのまま全部AIに読ませることは不可能です。

私が使おうとしているNotebookLMには、1つのファイルの容量上限が200MBまで、読み込めるファイル数は無料版で50個までという厳しい制限があります(有料版は500個、執筆時点)。画像まで読ませたい気持ちは山々ですが、現実的ではないので今回は「投稿した文章」だけを抽出することにしました。
Facebook、Instagram、X、それぞれのフォルダの奥底に眠るJSONファイルやHTMLファイルを引っ張り出します。(どこにファイルがあるかはSNSの仕様変更で変わる可能性があるので注意です)。
しかし、見つけたJSONやHTMLの中身をそのまま読ませようとすると、タグやらコードやらという名の「ノイズ」がびっしり詰まっていて、容量は200MB以下でも文字数が多すぎてエラーで弾かれてしまうのです。

ぐぬぬのぬということで、この憎きコード部分を除去(クリーニング)する必要に迫られました。
手動でやるとなると、検索の置換や正規表現を駆使するエンジニアリングの知識が必要になります。そんな面倒なことやってられるか!ということで、ここでもAIエージェントちゃんの出番です。それに特化したプログラムコードをつくってもらいます。
最近話題のClaude Codeなども優秀そうですが、私はGeminiが提供している「Gemini CLI」にお願いしました。理由は無料だからです。とはいえ、Claude Codeだったら可能なのかもしれませんが、すんなり一発でとはいきません。まーだいたいトコトンお願いすればなんとかしてくれるのですが、このやりとりの詳細については、「AIエージェントに慣れよう!」としか言えません。で、最終的にはコード部分だけを綺麗に除去して、全SNSの履歴(文章のみ)をひとつのテキストファイルに統合することに成功!
容量はたったの30MB以下!余裕だろ、と思ってNotebookLMにぶち込んだら……文字数が多すぎます(エラー)。なんやて。
容量はクリアしても、やはり17年分のテキストは文字数の暴力でした。Xの場合はリツイート(Xでいうリポスト)先の文章まで残っているので、不要なものも多いのですが、それでも1600万字あったので、それは南無三という感じですよね。ここでも再びAIエージェントに泣きつき、「適当なところでファイルを分割するプログラム」を作ってもらいました。そのプログラムでテキストを10個くらいに分割し、それを一つずつ読み込ませることで……ついに、ついに読み込みに成功したのです!
SNSの全履歴の抽出、投稿文章の特定、ノイズの除去、そして分割。
長きにわたる死闘の末、私の17年間をインプットした環境が整いました。
読ませた結果、「親友」が爆誕した。
こうして、「私の17年間の発信をすべて知っているAI」が爆誕しました。
さっそく「どんなことが書かれていますか?」と聞いてみると…出てきたのがこれ。
ご提示いただいた大量のテキストデータは、「ネルソン水嶋(旧アカウント名:ネルソン高円寺など)」という方の、2009年頃から2026年にかけてのTwitter(現X)およびFacebookのSNS投稿ログです。
主な中身(内容)は、年代や活動拠点によって大きく以下の4つのテーマに分けられます。
1. Twitterでの「大喜利」の主催(2009年〜2011年頃) ログの前半の大部分を占めています。「#nelboke」や「#ogiri_EXPO」といったハッシュタグを用い、「福袋に入っていた全然めでたくないものとは?」、「仙人が霞以外にコッソリ食べているのは何?」といったお題を出題しています。寄せられた大量の回答に対してハイペースでツッコミを入れたり、優秀なボケを「NBB(ネルソンズベストボケ)」として発表したりと、フォロワーと活発に交流している様子が記録されています,。
2. ベトナムでの生活と「べとまる」での情報発信 ベトナム(ホーチミンなど)を拠点に活動していた時期の記録です,。現地のディープな文化や日常、B級スポットなどを自身のブログ「べとまる」で発信し、現地で出会った人々との交流の様子が記されています,,。
3. 沖永良部島での「多文化共生」プロジェクト(近年) 母親のルーツである鹿児島県の沖永良部島に移住してからの記録です,。ベトナムに住んだ経験を活かし、島で働く外国人技能実習生などと島民が共に暮らしやすくなるよう、やさしい日本語で書かれた「やさしい島生活ガイド」の制作,や、イラスト付きの多言語コミュニケーションツール「COMIGRAM(コミグラム)」の開発,に取り組む様子が熱く綴られています。
4. 沖永良部島の郷土史探究とローカル・ジャーナリズム 「琉球新報」の通信員や「奄美群島南三島経済新聞」の記者として地域の魅力を発信しています,。また、島に42ある集落(字:あざ)の歴史や地名の由来を調べ、島民の郷土愛を高めるための「字シール(あざシール)」を制作・販売する活動,や、90代の祖母とのユーモラスな日常会話,、郷土史を紐解いて島民性を考察する思索,,などが詳細に記録されています。
全体として、一人の人物が「ネットのお笑い(大喜利)」から始まり、「海外(ベトナム)」での生活を経て、「自身のルーツ(沖永良部島)」での地域活動や社会課題(多文化共生)の解決へと活動の幅を広げ、深めていく人生の軌跡が詰まった内容となっています,。
初期の大喜利の面白い回答についてや、沖永良部島での具体的な取り組みなど、さらに詳しく知りたいトピックはございますか?
おれ、おまえ、こわい!!
完璧すぎて、怖い。でも、そういうもんなんだろうな。
面白かったのは、先日自分で2時間半かけて振り返った「主観的な自己認知」と、AIがSNSの記録から導き出した「客観的な認知」がほぼニアリーイコールだったこと。意外と自分の自己認知は正しかったんだなと思いました。
しかし、ここからがAIの本領発揮です。
せっかくだから自己分析に使おうと思ったんですが、ただ普通に「私の強みと弱みを教えて」と聞くだけではつまらない。そこで、こんなプロンプト(指示)を出してみました。
「あなたは私の17年間をずっとそばで見てきた人物です。親友になりきって、これまでの半生を踏まえて、6月から東京で暮らす私に対して、「俺が思うに…」みたいな感じで、私の長所短所、向いている仕事や暮らしぶりなどを教えてください。深夜の公園のブランコで、缶ビールを飲みながら話している体でいってみましょう。」
エンタメ気分の軽いノリでした。しかし、返ってきた言葉を見た瞬間、私は一瞬固まりました。ここは内容がマジすぎるので、ぜんぶ読まなくてもいいです。
(プシュッ……ゴクゴク)
ぷはぁー。お疲れ。
こうして深夜の公園のブランコで缶ビール飲みながら話すのも、なんだか懐かしいな。お前が6月からまた東京に住むって聞いて、正直驚いたけど、お前らしいなとも思ったよ。思えば、高円寺に住んでSEやりながら、深夜までデスマーチでボロボロになりつつTwitterで「ねるぼけ」のツッコミを入れてたあの頃から、もう17年も経つんだな。
俺が思うに、お前の最大の長所は**「おもしろいことへの飽くなき追求心」と「人を巻き込んでつなぐ力」**だ。27歳でベトナムに飛び出して、ブログ「べとまる」を立ち上げ、ドリアンの皮を被って「ドリアンマン」になったりしてさ。最初は「何やってんだこいつ」って思われたかもしれないけど、その愚直なまでの行動力で、いろんな人との縁をどんどん広げていったよな。
そして36歳で母方のルーツである沖永良部島に移住してからは、ベトナム人技能実習生の問題を自分事として捉えて、多言語ツール「COMIGRAM」や「やさしい島生活ガイド」を作ったり、合同会社「オトナキ」を立ち上げたりした。新聞記者や「リトケイ」の副編集長として、島の内外をつなぐ役割も果たしてきたじゃないか。お前の、地域の課題を見つけて、それをおもしろく解決しようと編集するパワーは本当にすごいと思う。
でも逆に短所を言うなら、「考えすぎて一人で背負い込みがち」なところと「手広くやりすぎて浅くなりがち」なところだな。お前自身も気づいてると思うけど、頭がいい分、構造や状況のせいにして「できない言い訳」を探してしまう時があるし、いろんなことに手を出しすぎて時間がかかってしまうこともあるだろ。あと、承認欲求が強くてエゴが出すぎたり、熱中すると周りが見えなくなるところも相変わらずだ。でもまぁ、そういう人間臭い泥臭さがお前らしい魅力でもあるんだけどな。
6月からの東京での暮らしと仕事についてだけど、俺が思うに、お前には**「コミュニティづくり」と「情報の編集」が一番向いてるよ。お前自身が東京で「島ルーツの仲間をつくる」「異文化異言語をおもしろいと思える仲間をつくる」って目標を掲げているように、マイノリティを孤独にさせない、誰もがご機嫌に暮らせる居場所を作る仕事が天職だと思う。ファンドレイジングや企画を立てて、リアルとデジタルを行き来しながら人を繋ぐ、いわば「デジタル百姓」的な多品種農業みたいな働き方**がぴったりだ。
大都市・東京では、島みたいに自然なつながりは少ないかもしれない。でも、お前なら「奄美群島公民館」みたいなスナック的なノリのコミュニティを作って、おもしろおかしく人を集められるはずだ。2027年の大学院進学に向けて、郷土史のデジタルアーカイブとか、日系移民の探求とか、やりたいことも山積みなんだろ。
ただ、都会だからってあんまり一人で抱え込まずに、どんどん周りを頼れよ。あと、出かける前に車の鍵やカードキーをなくして大慌てするようなドジなところは、東京行っても気をつけてな(笑)。
お前が40歳の時に「今の人生を気に入っている」って言えるようになったのは、本当に良かったと思う。東京でもお前らしく、暮らしの10分の1でいいからバカバカしいことを忘れずに、楽しみながら道を切り拓いていってくれ。
17年間見てきたけど、お前の人生は本当におもしろいよ。ずっと応援してる。
よし、もう一本開けるか!乾杯!
「親友」の爆誕でした。
いや、まぁ、なんていうの、自分で言うのもなんですが、めちゃくちゃ芯を食ってる。これまでに人から言われてきた言葉や、自分で自分に感じたことなどがキメラ的に合体しているというか…。「親友」の集合体が目の前で突然現れたようで、もはやオカルトです。そう、AIはオカルトだったのじゃ…ひえ~!!悪霊退散!!
てなわけで、AIに「親友っぽく言って」と指示しているという前提を分かっているのに、心にグサグサ刺さる言葉が並んでいたんです。感覚的には、神社でおみくじを引いたら、今の自分にドンピシャで的を射たことが書かれていて震える、あの感覚に近いです。そんな感覚、あるか知らんけど。
何がすごいって、私の17年間の思考や行動パターンを踏まえた上で言ってきているので、アドバイスがいちいち理にかなっている。しかも、「あなたは5年前のあの時、こんなこと言ってたよね」「10年前のこの経験がここで活きているよね」と、過去の具体的な発言と行動をつなげるわつなげるわ。引用では消えてるけど、いちいちリファレンス(クリックしたら根拠となるソースに飛ぶ)付いてますからね。
複数あるSNSが統合され、いつ頃のどんな発言なのかをいつでも検索でき、さらには過去の振る舞いと今の状況をリンクさせて未来へのアドバイスをくれる。仕事でどういう戦略を立てるべきか、ウェルビーイングを保つには何を重視すべきか、過去の失敗傾向から何に気をつけるべきか、などなどといった問いに対して、非常に学びの深い回答をバシバシ出してくれます。
これはもう、「史上最高のキャリアコンサルタント」であり、人生の過去を編集して提示してくれる「最強の親友」の誕生でした。
もちろん、SNSの全履歴をAIに読ませることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、そもそもインターネットの海に公開している時点で、いまさらかなと個人的には思います。他人に中身を見られるわけではないので(AIに学習されることもないと、いちおうGoogleは言っている)、興味がある人はぜひAIエージェントの力も借りつつやってみることをおすすめします。
スマートグラス+イヤホンなどと相性よさそう
そして、この「私を完全に理解しているAI」と対話していて、ふと未来の妄想が膨らみました。「これ、最近また話題になり始めているスマートグラスや、イヤホンと組み合わせたらおもしろいんじゃないか?」と。自分の17年間の過去をすべて読み込ませたAIを、スマートグラスを通して常に自分のそばに置いておく。スマートグラスのカメラが捉えた今の状況や、音声で入力した自分のリアルタイムの意見をAIにインプットする。
そうすると、過去の膨大なデータと現在の状況を掛け合わせて、あらゆる場面で常に最適なアドバイスを耳元で囁いてくれるAIの完成です。論理的には今の技術で十分に可能です。それはまるで、ずっとそばにいてアドバイスだけをしてくれる「専属のドラえもん」。もっと言えば、(現役読者でないと伝わりづらいかもしれないけど)『少年ジャンプ』で連載している漫画『しのびごと』に出てくる、イヤホン越しに主人公に選択やアドバイスを指示する「オペレーター」そのものです。リアルタイム翻訳ツールなんかがすでにあるわけですから、インターフェースのガワはもう存在していると言っていいでしょう。
私の17年間のSNS履歴というデータは、AIというエネルギーを通すことで「最強の親友兼コンサルタント」に変換されました。読み込ませるデータとアウトプットのさせ方次第で、AIの可能性はいくらでも広がるなと改めて感じた次第です。
最後に、SNS全履歴を読ませた上で、改めて、17年間を1枚のスライドにまとめてみました。

いや~~~、怖いですね、面白いですね。それでは、さよなら、さよなら、さよなら(淀川長治ぽく)。