ベトナムから日本への留学生は毎年いる訳ですが、こういった先輩によるコミュニティがあるということは、後輩の輩出につながるので良いですね。通訳・翻訳者などの紹介もしているそうなので是非連絡してみてください。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/01/13
ベトナムから日本への留学生は毎年いる訳ですが、こういった先輩によるコミュニティがあるということは、後輩の輩出につながるので良いですね。通訳・翻訳者などの紹介もしているそうなので是非連絡してみてください。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/01/13
留学っていいですよね!
日本史上初の留学は『遣隋使』と言われていますが、この頃には『日本』という名称は使用されていなかったそうです本当です。
最近、嘘か本当かバレバレになってきた気もする。もっと頑張ろう、嘘を。
以前、ホーチミン市内にある人文社会科学大学で開催された、モッタイナイ祭というチャリティバザーを取り上げたことがありました。これを主催している団体は『JUACH(Japanese Universities Alumni Club in HCMC・在ホーチミン元日本留学生クラブ)』と呼ばれ、名前から想像出来る通り、過去に日本へ留学した経験があるベトナム人の会員によって構成されています。
そこで、去る12/15に開催したベトナム初の街コン・ビナ☆コン。
【イベント企画】ベトナム初の街コンをやってみて分かった6つのこと
何度か明言した通りここで得た収益はベトナムのボランティア活動団体に寄付します。
その寄付先を、以前に行った取材を通して親交のあったJUACHに選ぶことに決めました。
今回は、JUACHがどのような組織か紹介したいと思います。
市内某所のオフィスビル。
玄関口の上に見えるJUACHのパネル、ここで間違いありません。
ネルソン「こんにちはー…ん?」
男性「だからさ、松本人志が追い求めた笑いってのは今テレビ上で存在しない訳よ」
女性「でも、ダウンタウンDXとかガキ使はずっと続いてますよね?」
男性「や、や、ほんの3,4年前までは、働くおっさん劇場とかモーニングビッグ対談とか、早朝か深夜に実験的な番組があった訳でね。あれがもう無くなった時点でテレビの笑いの進化は止まっていて…」
ネルソン 「こんにちは!」
男性(ソンさん)「あ、ネルソンさん!こんにちは!」
ネルソン「何をやってるんですか?」
ソンさん「JUACHでは毎週、日本に留学したいという方のために無料相談を行っているんですよ」
ネルソン「へぇー」
こちらがJUACHのオフィス。
デスクと棚が置かれた5帖ほどの部屋に、10帖程度の打ち合わせ部屋が隣接しています。
棚には日本の大学に関する資料がビッシリ!
すげぇ、こんなものを目にするのは10年振りではないかしら。
????「ネルソンさん、お久し振りです」
ネルソン「おっ、どうもー!」
こちらがJUACH会長のNamさん。
手の形がそれっぽいですが、決して『マネーマネー』と言っているのではありません。
今回、ビナ☆コンの収益寄付に当たって、NamさんにJUACHの活動について聞かせていただきました。
ーJUACHの成り立ちについて
ネルソン「まず、JUACHはいつ、どのようなきっかけで始まったのでしょうか?」
Namさん「年度は2006年、元々は在ホーチミン日本領事館が、日本へ国費留学した卒業生を把握するためにリストを作りたいという背景がきっかけでした。それから国費留学だけでなく、奨学生などの他の学生もリストアップしていったというものが、今のJUACHの基盤になっています」
ネルソン「領事館の下部組織だったということ?」
Namさん「そうです。ただ、2012年に政府から認められたクラブとして登録し、現在では独立した組織として、合法的に活動が認められています」
ネルソン「活動はホーチミン市のみですか?」
Namさん「他にも、ニャチャンやダラットなどの地方都市でも活動しています」
ーベトナムにおける集会の扱い
ネルソン「さきほど合法と聞いて気になったんですが、ベトナムではベトナム人による集会が禁止されていますよね。具体的に、集会とは何人からなんでしょうか」
Namさん「30人以上ですね。私は映画が好きで、映画好き同士でしばしばカフェで集まっていたんですが、それが60人近くと大きくなった頃に警察が入ってきて解散させられてしまったことがあります笑」
※『30人以上』が法律で規定があるのか、Namさんの感覚かは未確認。
ネルソン「単なる映画好きの集まりでも…笑」
Namさん「そうなんです、彼らのネットワークは…すごいですよ」
ネルソン「そこでとても気になることがあるんですが、ベトナムだとみんな飲み会をしていますよね。それが時には30人以上になっている光景も目にしますが、その線引きってどうなってるんですか?人数だけで言えば、あれらも十分集会だと思うのですが」
Namさん「大体、それだけ集まって飲んでいるとなると同じ会社の社員同士ですからね。彼らにつながりがあるかどうか、そのつながりが政府から認められているものであれば良いということです」
ネルソン「あ、なるほど…よく分かった」
Namさん「JUACHも、クラブではなく会にしたかったんですけどね」
ネルソン「どう違うんですか?」
Namさん「クラブだと口座が持てなかったり…その場合は、所属元となる会の口座を使用します」
ネルソン「会が親、クラブが子、という構図になっているんですね」
Namさん「そういうことです、クラブだと出来ることに制限が多いんです」
ーJUACHの活動について(日本で得た知識・経験・視点を活かして社会に役立つ)
ネルソン「ちょっと話が逸れちゃいましたが、JUACHの活動について聞かせてもらってよいでしょうか」
Namさん「主に二つ。ひとつめが、日本で得た知識・経験・視点を活かして社会に役立つ活動をする」
ネルソン「具体的には?」
Namさん「さきほど行っていた留学したいという方からの無料で相談を受け付けるというものも、そのひとつです」
ネルソン「話していると、どのような問題がありますか?」
Namさん「やはり、かなり多くの人が『日本が好き!日本に行きたい!』という思いだけで留学を希望する場合が多いです。そこで我々は自分自身の経験を以て、そもそも日本で何を学び、その先で、たとえばベトナムに戻ってから何がしたいのか、これを時には保護者も同席してもらった上で聞き出します。そこで初めて、留学を現実的に、真剣に考える方も多いですね」
ネルソン「その上で『留学したい!』となれば?」
Namさん「彼らの本来の目的に合わせて予算・地方・学校を考え、その手続きをお手伝いします。それから日本へ渡った後も、定期的に状況を聞いたりとフォローを続けます」
ネルソン「希望が集まる大学はありますか?」
Namさん「大学というよりは、やはりみんなどうしても東京に行きたがりますね。しかし、全国各地に良い学校があります。私自身が留学していた学校も、山口県の離島にありました笑」
ネルソン「それって方言が…笑」
Namさん「そうですね、たまに講師の話していることが分かりませんでした笑」
ネルソン「社会に役立つ活動は、他にもありますか?」
Namさん「日系企業や、取引のある現地企業への、ビジネス支援・専門性の高い通訳サポートなどを行っています」
ネルソン「そうか、日本に留学していたということは何かの専門知識を学んでいたということだから…」
Namさん「はい。IT、機械、化学、医学、様々な専門の通訳がいますよ」
ネルソン「それはすごい」
ーJUACHの活動について(社会貢献活動)
ネルソン「ふたつめの活動は?」
Namさん「日本の方式を使った社会貢献活動です。たとえばモッタイナイ祭がそうですよね」
※モッタイナイ祭の収益はチャリティに充てられる
ネルソン「フリーマーケットという…日本生まれではないけれど」
Namさん「他にも、ベトナム中部の貧困層の子どもたちへの奨学金を集めたり、身体が不自由な人や、シングルマザーへの物資や資金でも支援を行っています」
ネルソン「ベトナムは、そうした社会貢献活動(ボランティア)が盛んですよね」
Namさん「そうですね。日本からの支援も多いので、地元との間を取り持つクッションになることもあります」
ネルソン「通訳などで?」
Namさん「はい。とはいえ、地方ではプライドが高い方もいるので、難しいところもあります」
ネルソン「ウチが直接やるから、外野は黙ってろって感じ?」
Namさん「そうです。出来ればいいのですが、やはり言語の問題もあるので、ベトナムで社会貢献活動を行ないたいという日本の団体があればJUACHに相談してもらえると、両者ともに助かると思います」
***
という訳で、サックリと贈呈式です。
僕も入った方がいい?…と、ソンさんも。何だかシュールな構図。
最後に感謝状を頂戴致しました。
ビナ☆コンへの参加費の一部は、インタビュー中にあった中部の子どもたちの奨学金として使われます。
今後のビナ☆コンの展開として、ベトナムの人を巻き込もうということが念頭にあります。
JUACHでも『日本人と交流したいベトナム人はいるけど、日本人がいない』という課題があり、それならお互いに手を取り合って仕掛けていこうという話も飛び出しました。べとまるでは引き続き、ベトナム人と日本人が交流出来る場つくりを模索していこうと思っています。