南部最大の商業都市、ホーチミン市。その観光地はドンコイ通りという通り周辺に集中しており、その中でも知名度の高いものがサイゴン中央郵便局。エッフェル塔を設計したエッフェル氏、の、設計事務所による設計です。今でも郵便局として利用されていますが、観光施設でもあります。放置気味ながら。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2020/01/15
南部最大の商業都市、ホーチミン市。その観光地はドンコイ通りという通り周辺に集中しており、その中でも知名度の高いものがサイゴン中央郵便局。エッフェル塔を設計したエッフェル氏、の、設計事務所による設計です。今でも郵便局として利用されていますが、観光施設でもあります。放置気味ながら。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2020/01/15
ポストっていいですよね!
郵便ポストの色といえば赤が定番ですが、そのほかの色は意外と青のもう一色しかないそうです嘘です。
目次
南部の商業都市で、かつて南ベトナムの首都だった、ホーチミン市。旧名はサイゴンで、地元の方は誇りを持って今でもこの呼称をよく使います。その由来のひとつには、かつてカンボジアがこの地域を支配していた時代、「綿の森」があり、その呼び方がサイゴンだったとか。あくまで一説です。
そんなサイゴンことホーチミン市ですが、観光はその気になれば一日で終えられる。
いや、観光しようと思えばいろいろあるんですよ。メコンデルタツアーとか、タイニン省のカオダイ教総本山とか、”狂ったディズニーランド”で知られるスイティエンパークとか。でも、ガイドブックを開けばいの一番に載っているであろう…
統一会堂!
オペラハウス!
サイゴン大聖堂!
グエンフエの歩行者天国!
ピンクの教会ことタンディン教会!
これらぜ~んぶ、ほとんど、ドンコイ(Dong Khoi)通りか、その隣の道に収まっているのです。
その中でももっとも知名度が高いスポットが、おそらく、この…
サイゴン中央郵便局でしょう!
2012年にこのサイトをはじめて、今までほとんど触れてこなかったのも奇跡なのですが(というかドリアンを着たりダチョウに乗ってただけなのですが)、新しいビデオカメラを買ってキャッキャウフフしてきたので、せっかくだから紹介したいと思います。とそれは建前で、SEO的に強いからなんだけど。だとしても、いまさらやけどね…。
のっけからうんちくですが、実はこれ、エッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルさん…の、設計事務所による設計です。コロニアルスタイル(欧米列強国が本国の様式を模倣しつつ、植民地での実用性を考慮した建築様式)であるということからも、建設当時はベトナムがフランス統治下にあったということがよくうかがえます。
中はこんな感じ。
ちなみに、私が移住した当初に先住民(私より先に住んでいた人)との間で、「ここはもともと駅だったんだぜ!!」「すげぇ!!」というやりとりがあったのですが、嘘です。嘘というか、本人も分かってなかったんだと思うけど。厳密には、駅じゃなくて、パリにあったオルセー駅(現在はオルセー美術館)をモデルにしたってだけ。
オルセー駅(現・オルセー美術館)はこっち、だけどもだっけっど…?
なんですが、今調べてみると、オルセー駅の着工は1898年で、一方の中央郵便局は1886年と、モデルにしたはずの駅舎よりも12年早いんですねー。あれれー?なんでだろうー??(少年名探偵風)。真実のほどは分かりませんが、今度調べてみたいと思います。
ともあれ、確かに見た目は似ているので、影響があったことは間違いないでしょう。それが建設着工前の、設計時点でのやりとりがあったのか、あるいは双方ともにまた別のオリジナルがあったのか、それは分かりません。
が、しかし、大きな違いがあります!それは…
ホー・チ・ミン氏!市名の由来のホーおじさんです。
ただしベトナム統一前は、ホーチミンさんは北側にあたるベトナム民主共和国の国家主席だったため、当時はオルセー駅と同じ時計だけだったかもしれません。ちょうどすぐ下に時計が見えるので、それを下にずらして肖像画を置いた、みたいな。このへん知りたいけど目を付けられそうだな、オフィシャルエージェントに…。ホーおじさんは死後の個人崇拝を望まなかったとも言いますが、またそれは別のお話。
奥から外側を見た様子
今でこそ学生でもスマホを持っている時代ですが、当時は電話自体が貴重なものであったため、郵便局であると同時に通信施設でもあったそうです。
その当時の電話ボックス?らしきものがありますが…
ATMになっています。
いや、
監禁所になっています。
ちがいます。ポスターなので、物置きみたい。それはそれでどうなのよって話なのですが。それにしてもこの写真、憂いのある表情も相まって、料理を盛り付ける拷問を受けているみたいだ。
それだけじゃございませんよ!
このとき4時すぎだったのですが…
まぁズレてるよね。
ズレたまま同期するよね。
こっちに至っては合わせる気がない。
こういう当時の地図なんかが見れるのはすごく楽しいんだけどね。
こうしてメンテナンス不足感のある場所ですが、観光にやる気がない訳じゃありません。なぜなら…
お土産屋!
お土産屋!!
お土産屋!!!
と、歌舞伎の声掛けみたいになってしまいましたが(大向こうと言うらしい)、こんな感じであちこちにキャッシュポイントが設置されております。ラインナップはよくもわるくも昔ながらのベトナム土産。ノンラー(笠帽子)とか、刺繍製品とか、コーヒーとか。ベトナム観光に来て間もないというタイミングだったら、定番とはどういうものなのか見ておくとよいかも。
ただ、ベトナムのお土産もちょっとずつ進化しており、最近はお茶にしろコーヒーにしろスタイリッシュなパッケージも増えてきました。その中で昔から変わらずあって謎なのが、
金具細工…!!
針金とか、ナットとか、チェーンとか。自転車あたりに使われていそうな金具を使って、シクロ(人力自転車)やらエイリアンやらつくられていたり。なんでなのっと思いながら今はじめて気づいたんですが、そうか、自転車かも!
今でこそバイク社会として知られるベトナムですが、その前は自転車社会として知られていました。イメージ的にはひと昔…いや、ふたつかみつ昔前の中国が存在感強いけど。みつ昔?
ともかくも、そんな変化の中でもしかしたら、不要になった金具の受け入れ先としてこうした工芸品があったのかもしれないですね。まぁ、売れてるとこ見たことないけど。
最近なにかとおしゃれ女子旅路線みたいな感じで広まっていると感じるベトナムですが、上書きされるような形ではなく、一見すると古臭さすらあるお土産や観光地ののどかさも、これはこれで愛していきたいと思います。勝手に。
郵便局でアクセサリーを買う人いるのかな…。
隣のマクドナルドもいちおう郵便局に合わせて黄色。
観光エリアの広場として人が集まりがちなので、お菓子屋台も見かけます。
サイゴン中央郵便局
住所:2 Công xã Paris, Bến Nghé, Quận 1, TP.Hồ Chí Minh