ホーチミンでは最近、路上にプラスチックやアルミのテーブルとイスを出しただけの簡素な寿司屋が増えています。自然発生する訳もなく、それぞれ日本人が始めた日本食レストランで修行(働いた)板前だそうですよ。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/10/22
ホーチミンでは最近、路上にプラスチックやアルミのテーブルとイスを出しただけの簡素な寿司屋が増えています。自然発生する訳もなく、それぞれ日本人が始めた日本食レストランで修行(働いた)板前だそうですよ。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/10/22
財布っていいですよね!
財布の紐が固い・緩いといいますが、ボタンやマジックテープのものも登場している昨今では、広辞苑には『※必ずしも紐とは限らない。』という注釈が入っているそうです嘘です。
ベ トナムは日本より物価が安い安いと言われますが、日本食に関しては必ずしもそうではありません。
日本人が経営するほとんどの日本食店ではどれもこれも(定 食などの)一品の値段は100,000ドンを越え、その100,000ドンも、二年前は370円程度だったものの、今では470円という状態です。つま り、吉野家や日高屋など激安飲食チェーンが溢れている日本に比べて、最低価格のボーダーラインが確実に上回るのです。
ところで、ベトナムで働く日本人の雇用形態は大別すると3つに別れます。あくまで大別ね。
ひとつめは経営者。雇用というより自分でやっちゃってる人ですね。
ふたつめは駐在員。日本の企業がベトナム拠点を持っていて、その管理などを任されている人。
みっつめは現地採用者(現採)。ほとんどの場合はベトナム現地で採用された日本人です。現地勤務が前提の上で、日本から送られて来る人もいます。実は私はもともとこれでした。
はい、さて、ここでぶっちゃけた話をすると、最も賃金が低いタイプは3つめです(経営者は賃金とは違うか)。
立 ち上げ直後の経営者はそこより下回る場合もありますが、続けられていられるならいずれそのラインは超えると思います。駐在員の方は、現採が『物価が低いか ら賃金も低くする』という状態に対して『海外に送り出しているから手当を付ける』という状態で、更には物価が低い上に、娯楽も少なめでお金を使う機会も少 ないので、日本で働くよりもお金は貯まると言われています。
大雑把にですが、これが現地の日本人の賃金事情。
会社や立場によりけりですが、実際にいくらくらいなのかはお近くの現地在住者の方に聞いてください。
そういう訳で、現採の方や、他にも勉強が本分である留学生は、大抵は節約しなければなりません。ロー カル飯を食べればいくらでも安くつくのですが(めちゃくちゃ頑張れば朝昼晩で合計200円以内とか)、それでもやはり日本人ですから、日本食を食べたい時 がある。ジュワッとトンカツを頬張りたい、ツヤツヤの日本米を口の中にかっこみたい、ズズズと味噌汁をとすすりたい…そんな人に向けて、現採・留学生のお 財布に優しい日本食シリーズとして、安く食べられるローカル向け日本食店をレポートします。
まぁ…俺が一番教えてほしいんだけど。
初回は、ローカルのお寿司屋さん。
お寿司といえばカウンターがあって中に大将がいて…というイメージですが、ここは違います。
客席は見ての通り、路上に並べられたテーブルとイスです。
そういえば、お寿司はもともと江戸のファーストフードだったと聞いたことがあります。
案外、この方が本来のお寿司屋さんに近いのかもしれません。握るのはベトナム人職人!最近、他の日本食店で経験を積んだ職人さんがお店を開くというケースが増えているようです。つまり日本人が働いているお店と違って人件費が掛からず、結果として値段が下がるというからくり。
提灯のひとつが潰れていますが、これもまたご愛嬌。
というかなんであの位置にあるものがあんな形で潰れるんだ?
あ〜いいですね!ここだけ切り取ったら完全に浅草あたりの飲み街じゃないですか。
客層は、日本人とベトナム人が綺麗に半々でした。
角の席に40~50代くらいの日本人の方々が座っていましたが、常連さんのようです。
メニュー。
暗かったので微妙に見辛いのですが、価格は全体的にスシバーの1/3〜2/3くらい?という感じ。
枝豆、茶碗蒸し、だし巻き卵、全て20,000ドンを切っています。100円以下です。※スシバーは、ホーチミン市内に寿司文化を広めたといってもいい寿司屋のパイオニア的存在です。
串焼きや焼き魚もあります。秋刀魚の塩焼きが200円以下とは。
そして刺し身。
アボガドの刺し身が28,000ドン(130円程度)なので、アテにはもってこい。
それにしても、メニューの日本語や構成が割とシッカリしています。この価格を実現している分には考えにくいけど、日本人が裏にいるのかな…?
メインと言ってもいい、寿司です。実に種類が豊富。
枝豆。このボリュームで100円以下…は嬉しいのですが、味はあんまりでした。
ほぼハズレが無いというのは、日本にある飲食店が誇れることだと思う。
たこ焼き…何かけちゃってんの?
チリソースとマヨネーズを混ぜたもののようです、これもあんまりだったな。
と、アレなのはここまでで…
デン!寿司ー!!寿ううううぅぅぅぅ司いいいいぃぃぃぃ!!!
カニカマにチリマヨソースが乗っているのはさて置いて、美味しいです。
特に、サーモンに脂が乗っている。
写真を撮っていなかったのですが、うなぎが相当美味しかったです。
連れて行ってくれた人によると『うなぎとマグロが美味しい』とのことですが、あいにくマグロは品切れ。次回あるなコレ。
天ぷら、このボリュームで58,000ドン(270円程度)!
エビ、イカ、さつまいもなどがあります。
同量ではないけど、これにうどんが付いて60,000ドンのメニューがあったはず。
刺し身は、カンパチなら270円、とびこなら400円。
寿司は、鉄火巻なら130円、うなぎとアボガド巻なら400円、カリフォルニアロールなら240円。
といったところでした。
たらふく食べてビールを三瓶くらい飲んで、およそ一人270,000ドン(1270円程度)。
全てのメニューが美味しいとは言わないけど、サブでなくメインメニューならほぼシッカリしています。
大通りにある訳じゃないので偶然で見つかりはしないと思いますが、是非探し求めてみてください。
路上での飲み食いは一般的にはデメリットですが、これはこれでなかなか乙な感じでした。
店名:Sushi Ko
住所:122/37/15 Vinh Khanh, Q.4, HCMC