アニメイベントになるとたくさん見掛けるベトナム人オタクですが、ベトナムには秋葉原もないので普段何処に集まっているのか謎でした。おそらくは、このカフェなどの場所に集ってヲタトークを展開しているんでしょうか。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/11/18
アニメイベントになるとたくさん見掛けるベトナム人オタクですが、ベトナムには秋葉原もないので普段何処に集まっているのか謎でした。おそらくは、このカフェなどの場所に集ってヲタトークを展開しているんでしょうか。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2013/11/18
二次元っていいですよね!
数学の世界では2次元を表現する数式があり、x、y、zときて、zzとなるそうです嘘です。
べとまるでもマンガフェスを二度取り上げているように(2012、2013)ベトナムではオタク文化が盛り上がりを見せており、絵描きはもちろん、コスプレイヤーなんかも増加傾向にあるようです。そんなある日、ホーチミン市にある漫画喫茶・ユートピアの江渕さんからメッセージが送られてきました。
江渕さん「昨日、うちにOTACOOL CAFEのオーナーってのが来た。行かない?」
ネルソン「行くわ。」
よく分からんが面白そうだ。
翌日、江渕さんが渡された名刺を頼りにバイクを走らせるとそこには…。
ウェルカム!見せかけてここじゃねぇ。
これは行き先を指示する張り紙らしい。
なんだこれ、どういうことだってばよ。
本当はここでやる予定だけど、間に合わなかったのかな。
という訳で再び指定された目的地へ向かってバイクを走らせます。
ベトナムにありがちな路地を進むと…
ここ!…て、
肝心な部分ちっちぇえな!
雑居ビルにこれまたちっちゃめの目印があったので階段を上ります。
おぉ!
アニメの張り紙が!
い〜っぱいっ!!
それでは入店してみましょう。
広くは、
ないな…。
部屋の奥には申し訳程度の日本の国旗が。
カフェ、というよりは、大学の理系のゼミ室といった方がシックリ来ます。
店内の壁という壁には、
自宅で印刷したと思われるポスターや、
ベトナム語版も含む漫画本があるようです。
これに至っては海賊王の海賊版っぽい。
他にも、
自分でペンを走らせたと思われるイラストや、
フィギュアやグッズなどが所狭しと置かれています。
部屋の角を埋め尽くすフィギュアの箱たち。
まずこれ、
どうやってここに、
持って来たっていう話だよな。
で、ここはカフェですからオーダーします。
Vocaloid!?
Gundam Unicorn!?
すげぇ、全く名前以外に説明が書かれていない!オタクなのにある意味で漢らしい!!
Vocaloid>Mikuを頼んでみる。
ほおぉ、確かにこのカラーは初音ミク色。
そういえば最近、初音ミクの開発者が藍綬褒章を受賞しましたね。
オタクカルチャーが国から認められるとは、市民権を得ているどころではないようです。
味は…ゴクッ!あ、うん、スプライトとミントを混ぜたやつですね…。
それにしても、俺を誘った本人がさっきから携帯をいじってばかりだ。
江渕さん「最近ビザの申請が難しくなってよ〜、本当疲れるよ。」 ※江渕さんはビザ申請代行の仕事もしています。
知らん。
店内はひっきりなしに人が出入りしており、ベトナムオタクの憩いの場となっている模様。
ま、麻雀!何故麻雀!?
こちらのカップルが小包からウィッグを取り出していたので気になり、話を聞いてみました。
ネルソン「ここにはよく来るの?」
彼女 「週に2,3は来てるわ。」
常連じゃねーか!
ネルソン「そのウィッグは…コスプレ用だよね?」
彼女 「うん、そう。」
ネルソン「ちょっと小包を見せてもらってもいいかな。」
彼氏 「どうぞ。」
あ…広州!中国やん!!
ネルソン「中国から取り寄せているんだね。」
彼女 「衣装はベトナムでは作れないことないんだけど、品質が悪いんです。」
ネルソン「だから中国から取り寄せていると。」
彼女 「そう、中国はこういう業者が多いの。」
ネルソン「なるほど。ちなみにさっきから気になってたんだけど…それ、見せて?」
彼氏 「これ?」
か、棺桶…じゃなくてカバン、ですよね…。
彼氏 「はい、カバンです。これも中国から取り寄せました。」
うーむ、ベトナムのオタク文化から見えてくる中国の脅威よ。
でもこれってベトナムだとブルーオーシャンだよね、この先どうなるか分かんないけど。
とはいえ、ここ数年の盛り上がりを見ていると、儲かると踏んで既に動いている人がいるかもしれないな。
江渕さん「水嶋君水嶋君。」
ネルソン「はい。」
江渕さん「何か奥の部屋に案内してくれるって。」
ネルソン「へぇ。」
あ、すごい流れと関係無いんですけど私の本名は水嶋です。
ひとつ目のドアを抜けて、
更にふたつ目のドアも抜けると、
ネルソン「な!」
ネルソン「なんじゃこりゃあ!?」
奥の部屋には、
表の部屋とは比較にならないほどの数のフィギュアが!
それにしてもこの保管の仕方はまるで、
レジスタンスの武器保管庫か!と突っ込みたくなります。
そんなスタッフ、と思いきやマネージャーだった彼に話を伺いました。
手元の人形は、写真撮影をお願いしたら慌てて持ち出して来たものです。
ネルソン 「これだけのフィギュア、どうやって集めたの?」
マネージャー「ボス(オーナー)が日本の文化が大好きなんだ。それで、全部取り寄せた。」
ネルソン 「えっ、日本に行って買い付けたんじゃなくて全て取り寄せ?」
マネージャー「そう。」
ネルソン 「そのボスは日本に行ったことはないの?」
マネージャー「一度も無いよ。」
ネルソン 「わーお…相当のお金持ちだよね?」
マネージャー「そう思う(笑)。」
ネルソン 「ちなみに君はいくつ?」
マネージャー「23歳。」
ネルソン 「ボスは?」
マネージャー「22歳。」
ネルソン 「最近、市内にこういうカフェは増えてるの?」
マネージャー「んー、ちょっとずつ。4,5店舗かなぁ。」
ネルソン 「そうか、ありがとう!」
マネージャー「こちらこそ!」
ベトナムでのオタク文化、沸々と盛り上がっているようですねぇ。
冒頭で書いたように理系のゼミ室って印象ですが、今後ブラッシュアップされていくのかもしれません。
*おまけ*
引き戸!?