市場っていいですよね!
市場は英語で「マーケット」ですが、ドイツでは「マルケット」と呼ぶそうです嘘です。
形の違いはあれど、どこの国にでも存在している市場。
特にベトナムを含む東南アジアの多くの国では、朝から晩まで地元の人々の活気に満ちています。
売り物はさまざま、肉、野菜、果物、服飾、お土産…など。
しかし、場所によって自然と特色が生まれてくるようです。
そこで今回は!
ホーチミンの主要な五大市場を巡ってみたいと思います!
まぁ、五大と言っても、きっといろいろあるのでしょうけど。
完全に独断と偏見で選んでいますが、2,3年住んでいる方にとってもほぼ同じ認識じゃないでしょうか。
下記、リンクから同じページの該当箇所に飛びます。
住所をまとめた地図は、一番最後に載せていますので是非ご覧ください。
知名度No.1!世界中からの観光客で賑わうベンタイン市場
ホーチミン市内で最も有名な観光スポットは?と聞かれるとこの名前を挙げる方も多いはず。
立地も中心の中心と言っても良い場所にあり、「市内で最も地価が高い」という噂もちらほら。
今年はベンタイン市場が誕生して100周年と、何気に記念すべき年だそうです。
意外にも、一時だけ装飾を施したくらいで、これといって盛り上がってはいませんが…。
大型の市場は上から見ると正方形であることが多く、ベンタイン市場はその四方に出入口があります。
ひっくきりなしに出入りする人の波に逆らわずに入っていくと…。
とりあえず気になる点が、匂い。いや、ここは臭い(におい)と書きたい。
ベンタイン市場は売り物の住み分けが甘く、乾物、コーヒー、果物(というかドリアン)、などなどの匂いがいっしょくたになった臭いが市場中に漂っています。スコールがよく降る雨季などはそこに湿気も加わってもうある意味で最高です。
一度、「ベンタイン市場で一番臭い場所は何処か」という企画を考えたくらいだけど、臭気計が軽く十万円を超えると知って諦めました。日本だとレンタルが出来るんですけどねー。
そして、この市場の最大の特徵は何と言っても「お土産市場」である点。
ただ、同時にあまり良い印象を持たれておらず、というのも猛烈にボッタクって来るのです。
以前ここで靴を買おうとしたところ、最初に200万ドン(当時一万円くらい)だったものが、そのあとで店員と仲良くなって結局50万ドンにまで落ち込みました。嬉しいけど…1/4ですよ、1/4!そういう場所なので、ベトナム語での値段の聞き方と数字を把握しているか、最低でも現地の相場の感覚が無いと、ベンタイン市場で真面目に買い物をすることはオススメできません。
とはいえ、お土産くらいならどれもそれなりに少額なので、交渉もひとつのアクティビティと考えるくらいであればそれはそれで構わないと思いますけどね。前向きに捉えれば、ここにお土産品が集約されているので、他に回りたい場所があるなら時間の節約にはなります。
さて、説明以外に、変わったものを探してみましょう。
アジア圏の一部の国々は招き猫が好きらしい…
なんだけど…
何て書いてんのコレ?
これまで「一千両」くらいに読み流していたんですが、じーっくり見ると何とも読めず。
どれもこれも同じなので、おそらく招き猫を最初に持ち込んだ人が適当に書いたため、それが原型として大量生産されてしまったんじゃないだろうか。
ちなみに日本以外のアジアの招き猫は、基本的にめっちゃ招いています。
ん?
知床?
知床国立公園って書いてるわ…。
周りに木製品が並んでいるあたり、意外に本当に知床の土産品はベトナム生産なのかもしれません。
これ、間違いなく、絶対に置いちゃいけないものだったんじゃないか。
ベンタイン市場は敷地の1/4程度がフードコートになっています。
ネルソン「おーいろいろとあ」
ガタッ
店員さん「食べる?食べるね?あんた食べてくね!?」
ネルソン「食べません!すみません!!」
ただ客引きされて断っただけなのに、食事を中断させたことに申し訳なく感じてしまう。ちくしょう。
ちなみにメニューの価格を見ると、高いけど暴利ってほどではなかった。
外で食べるものの1.5倍くらいかな。
前述のボッタクリもあってベンタイン市場には高いイメージがつきまとうけど、真っ当に商売しているところは店の家賃から考えると妥当な価格帯なのかもしれない。
こちらはチェー(ベトナム風ぜんざい)屋の密集エリア。
ひとつ25,000ドン(150円くらい)、味とボリュームを考えると妥当だ。
ちなみに今更ですが、この日は友人の中島さんと二人で来ています。
この嬉しそうな表情は、チェーがおいしいからではなく、
テレビに出ることを話していたからです。
チェーもおいしかったです。
ベンタイン市場はこんなところ!
- お土産の数と種類は市内随一
- 市場であり同時に市内最大の観光スポット
- 値段交渉に慣れない内は、店員と仲良くならない限り相場より高く買うことになる
- 日本人には時に強引に時に同情を引きとあらゆる客引きをされるので、買わない場合は非情に対応
- 臭う
中華の香り漂う!市内最大級のビンタイ市場
ホーチミン市内の5区や6区に当たる中華街は、チョロンと呼ばれます。
古くから華僑が住み、そのままベトナムに土着した人々が多く住むエリアです。
ベトナム語で「大きな市場」と意味するように、中華街の至る所に多種多様なお店があります。
その中心にドン!と構える市場が、このビンタイ市場。
外観からして、非常に中華らしさを感じさせる、銅鑼の音でも聴こえてきそう。
入口。いつ来ても、何故かここで休んでいる人が多い。
正面に階段がある通り、ビンタイ市場は二階構成です。
ちなみにビンタイ市場に日本人観光客はほとんど来ている印象がありません、外国人といえば欧米人ばかり(中国人もいるだろうけど華僑も多いので分からない)。市場というカテゴリーではベンタイン市場と同じなので、おそらくこちらにまで足を伸ばそうと思わないのだと思います。
一見するとここは市場の中心のようだけど、正方形型の市場の一辺の中央に位置する場所。
地図がないから推測だけど、入口を除けばこの吹き抜けが三箇所あるということなのかも。
それにしても下のお嬢さん、すごいところで寝てんな。
ベンタイン市場とは比較にならないほどひしめき合っていて、こちらの方がよりローカル感は満載。
外国人観光客向けにいじられた形跡は全くなく、現地の雰囲気をより感じられます。
市場二階の内側に沿って歩いていくと、
この通り中庭が!
中に入って撮ったアングルはこんな感じ。
龍などの中華を感じさせる彫像があり、ちょっとした公園になっています。
お店を見ながらこの内側を一周するだけでも10分、知られざる名ストリートと呼べるかも。
ビンタイ市場は、市内の市場で最も限りなく「無いものが無い」場所かもしれません。
文房具(何故か中央にはワックス)、
大量のマニキュア、
お菓子、
服、
アオザイに映えそうな布など。
ゴロゴロゴロ…
青年 「ヨーヨーヨー!」
ネルソン「!?」
段ボール箱を載せた台車が通っていった。
市場の中で商品の移動が激しい点もビンタイ市場の特徵。
広いから移動が起こるとも言えるけど、それ以上に物がよく売れるということか。
そのほかにも、おもしろい光景に遭遇しました。
誰もやってこない食卓。
例のアップルマーク型の穴が開いた箸入れ。
日活のポスターに使われそうなロゴの、パン粉。
何故かシャンプーのパッケージを磨き続ける二人。
SHISEIDO(資生堂)…と思いきやSEISNIDOという名のサンダル。
中島さん「あそこのお店、もうすぐで商品に鳥の糞が掛かりそうですね…」
ネルソン「いやあれ絶対もう掛かってるでしょ…」
ビンタイ市場はこんなところ!
- チャイナチャイナ
- アパレル関係の好みはともかくなんでも揃う
- より現地に溶け込みたい人ととっては名観光スポット
- 中庭でホッと一息
服がつくりたきゃまずはここ!タンディン市場
Hai Ba Trungという大通りに面した、外観からも原色の衣類が見られる市場。
それがこのタンディン市場、予想させるまでもなくここはー。
そう!布市場です。
朝9時も回るとワラワラとお客さんが買い出しに集まり、両脇を布で埋められた通りは歩くことも困難に。ベトナムは刺繍が盛んな国ということもあって、自分や家族の服も縫って作ることも多いのです。よって、業者だけではなく、個人で買い付けに来る人も多い。
ちなみにこの布が積み重なった向こうには空間があるようで、
いきなり、ボッ!っと人が現れたりします。
個人的な話ですが、布の柄は観賞するだけでも結構好き。
妹が買っていた「りぼん」や「Zipper」を読んでいた影響かもしれません。
女性だったらワンピースの素材に使ったりと楽しめるのだろうけど、流石に身も心も男なんでね。
この猫柄の布なんて、トートバッグにしても可愛いだろう。
もうちょっとお金に余裕があれば、小物を作って販売したいなーと思ってます。
この市場ではアオザイ用の綺羅びやかな布も多く、ここで寸法を測って作ることが可能です。
通訳の人がいればお願いしてもいいかもしれません。
タンディン市場の特色は布くらいで、それ以外は他の市場と同じです。
思い切り精肉店や乾物屋がある中で、布には匂いが移らないどころか寄っても来ないので、余計にベンタイン市場のスメルミックスっぷりが際立つんですよね。
タンディン市場はこんなところ!
- 多彩な布が売っている
- 安くアオザイを作りたい時ももってこい
市内のアパレルショップはここから流れてる!?アンドン市場
5区にある大きなホテル~!!
…の下に!アンドン市場はあります。
漢字で書かれていますよね、ビンタイほど外観はチャイナチャイナしていませんがここも中華系。
一階にはレストランなどのテナントが入っています。
中島さん「ここは他の市場に比べて、何か市場っぽくないですね」
ネルソン「新しいですからね、二軒隣に旧市場がありますがそちらは市場っぽいですよ」
さて、旧の方はあとで行くとして、まずは新の方から入ってみましょう。
アンドン市場は三階建てになっていて、全てにアパレルショップが入っています。
内観は…。
少しだけ商品の置き方が雑っぽいデパート、という感じ。
すげぇ大阪のおばちゃんっぽいな。
あれは大阪独自のものではなく、グローバルスタンダードだったのか。
絶対GUCCIちゃうし。
めっちゃForever21ってタグが付いてるし。
ベトナムではあらゆるアパレルブランドが工場を置いてあるため、製品どころかタグも横流しされています。だから、このように、GUCCIと印刷されておきながらForever21のタグが付いているという製品が生まれ得る。だとしても、付けりゃいいってもんじゃねぇだろ。
この通り、しれっとPRADA。
それはいいとしても、この2ポイントはダサいだろう。
ウルトラマン、と思いきやスーパーマン!?のバッグ。
そして左端のコイツだけ立体加工されずちょっと不憫。
ん、何だアレ。
Goo…ま、まさか!
Goog…パ、パクリ疑惑だ~!
Googl…そ、そこまで堕ちたかアンドン市場~!
と思ったらなーんだ、「Google Google」か!
繰り返しただけだもんね!全然違うよね!セーフセーフ!
アウトだよ。
ネルソン「何かこう…さっきからパクリばかりで日本人的に刺さる服がないですね~」
中島さん「そうですね~」
ネルソン「これもジャケットに透かしでジャングルて…ねぇ?」
中島さん「そうですよ…ねぇ?」
ネルソン「…」
中島さん「…」
ネルソン「これ、お洒落じゃないですか?」
中島さん「お洒落っぽい…と思います」
ネルソン「あれ!これって…お洒落ですよね!?」
中島さん「いや!多分きっと…お洒落ですよ!?」
あまりに自分の好みの範疇から外れた服を見続けていると、お洒落って何だっけ?というゲシュタルト崩壊が起こる。自分が自分にとって正常な判断が下せているかお互いに確認。今、この記事をご覧の皆さんにとっては、このジャケットはお洒落でしょうか。いかがでしょうか。
で、結局、買わずに先へ進む(完全に冷やかし)。
ネルソン「これはお洒落ですよね?」
中島さん「いやー、うーん」
ネルソン「あれ?」
ポケットに手を突っ込めばいくらかお洒落に…なって、ん!?
ポケットなかった!!
しかも「XXL」って、絶対適当だろ!俺170cmちょっとだっつーの!
この直後に店員さんがポケットの穴を作るためにハサミを取り出したので、必至に止めました。
いや、ごめんなさい、買わないの俺、買わないのに着たの。ごめんなさい。
いや、だとしても、ハサミで切ったところでポケットは出来ないと思うけどな。
そしてこちらが、二軒隣の旧アンドン市場です。
完全なるイメージですが、建築様式に社会主義感が出てます。
新アンドンに比べると比較的静かです。
きっとひとつだった頃はもっと賑わいがあったのでしょう。
二階と地下に分かれており、それぞれ服飾とそれ以外という印象だった。
階段でうなだれる男性。
漂う雰囲気が、とても「MAKING LIFE BETTER(より良い人生を)」じゃない。
カメラを持ってフードコートに入るとピースをしてきたので撮影。
パシャリ
女性 「キャッ!(照れる)」
ネルソン「何故ピースしたんだ」
占い?と思ったが相手もいない、ゲームのようなことをしているおばさんがいた。
あれ?こっちにも!
こっちにもいる!
き、気付いたら!お…俺たちを囲んでやがる!!
とかなんとかキャッキャしていると一斉に片付けはじめた。
なんだったんだ、一体これは。
Tシャツ売り場。
ここに一体、全部で何件の著作権侵害があるだろう。
このお姉さんのTシャツに関しては…きっとオリジナルだろうな。
アンドン市場はこんなところ!
- チョットチャイナチャイナ!
- センスを貫けば掘り出し物が見つかるかも
- 紹介しなかったけど女性物もところどころセンスは良さそう、あくまでところどころ
鉄と油の匂いがたまんねぇぜ!工具とミリタリーグッズのヤンシン市場
今回の記事は随分と長くなっていますが、いよいよ最後!5つめのヤンシン市場です。
市場巡りで一番「来て良かった!」と思った場所はこちらでした。
まぁ、それ以外の4つは全て行ったことがあるんだけど…そうだとしても。
ヤンシン市場に入ってすぐに頭に浮かぶ言葉は、「鉄」!
これまでの市場(特にタンディンやアンドン)に比べてあまりに色味がない。
西口から入ると、すぐに広がるミリタリーワールド。
あぁ、中高生の頃に憧れがあったなぁと郷愁を呼び起こされます。
高校二年生の頃にフリーテーマで絵を描くことになり、社会科の資料集で戦争の写真をコラージュ風にたくさん写し描いたことがあったそのチョイスを思い出すだけで恥ずかしいのだけど、同級生から「水嶋くんって戦争好きそうだよね」と言われたことを思い出し、今もっと恥ずかしい気持ちでこれを書いています。
戦争好きそうだよねって、わしゃ戦争屋か。
余談ですが、その当時の先生が今、中部都市・ダナンの
Eena Hotelというホテルを経営しています。
足元にはヘルメット…この汚れ具合、もしかして本物か!?
そう、ヤンシン市場にあるミリタリーアイテムはいわゆる骨董品。
「MP」(ミリタリーポリス)なんて書かれたヘルメット、映画でしか観たことがなかったよ。
時代を経て、同じミリタリーアイテムとして同じ場に置かれる米軍と北ベトナム軍の軍用品。
ものすごく不思議な気持ちです。
これは何?潜るの??
ネルソン「ガスマスク!被っ…」
ネルソン「…!」
店員さん「あんた頭デカイから無理やわ~」
ネルソン「そうですか~」
別のマスクを被ってみた。
これアレだね、メタルギアソリッドに出てくるサイコマンティスみたいだね。知らないよね。
売り場の店員さんは本当に好きで扱っているのか、すごく楽しそうに説明してくれました。
まぁ、何を言ってるのかほとんど分からなかったけど。
ある程度歩くといきなりアオザイやドレス売り場になり、突如として売り場が色付きます。
これはまさか社会主義と資本主義の対比を表現して…は、いないでしょうね。
ここからは思いっきり鉄、工具や金物の世界です。
ガッシャンプシューとインダストリアルな環境音が聴こえてきそうだ。
専門の人間にしか分からなそうな計測機器ばかり売っているお店や、
とにかくライトとクラクションばかり売っているお店があった。
工具関係は本当に用事がなければ行かないけれど、当時モノのミリタリーアイテム売り場は隠れた名スポットだったかもしれない。今度、ここに焦点を当てて何か企画を考えようかな。
ヤンシン市場はこんなところ!
- 工具や貴金属素材はとにかくここへ行けば見つかる可能性高し
- 当時物のミリタリーアイテムは見るだけでおもしろい、広くはないが一見の価値大いにアリ
***
と、以上、ホーチミン5大市場の紹介でした。
今回登場した市場は、全てべとまるマップの「市場・デパート」のカテゴリに記載しています。
これまで市場というものに着目してこなかったのですが、こうしてつぶさに見てみるとそれぞれに特徵があってかなりおもしろかったです。少なくとも今後は、掘り出し物の服はアンドン市場、工具関係や少しマニアックな観光にヤンシン市場、という選択肢が生まれました。タンディン市場も布を見ているとムラムラとしてきたので、お金に余裕が出来たら布をいくらか買って何かつくってみようかなぁ。