ベトナムのバイク天国は行ったことがない人でも有名ですが、その大群の中にパノラマカメラを持って突っ込むという発想は全くなかった(機材はもちろんなんだけど)。貴重な機会をいただけたことに、感謝!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/05/01
ベトナムのバイク天国は行ったことがない人でも有名ですが、その大群の中にパノラマカメラを持って突っ込むという発想は全くなかった(機材はもちろんなんだけど)。貴重な機会をいただけたことに、感謝!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/05/01
360度っていいですよね!
全周の角度は360度。
これは紀元前の一年が365日ではなく360日だったことに由来しているそうです嘘です。
日頃、私のところにはべとまるを通していろいろなお問い合わせをいただきます。
記事に関する質問や、アポイントメントなど、その内容はさまざまなのですが…。
ある日、このようなお問い合わせがありました。
***
こんにちは。近日、初めてのサイゴンツアーに参加します。そこで以下のようなパノラマ映像を撮影したいと考えているのですが、右も左も分からぬ観光客が出来るものなのでしょうか。
※要約しています
***
以下のような…パノラマ映像……??
な、
何だ!
何だこれはー!?
はい、キャプチャを取ったところで凄さを伝える自信がないのでテキストリンクのみでお送りしましたが、記事を読み進める前に是非一度リンクに飛んで観ておいてください。そしてマウスでグリグリしてください。リンク先にあるものはパノラマ映像、360度の映像です。
Googleストリートビューって静止画の集合体でしょ?たとえるなら、あれが動いてるんですよ!
それで、グリグリとマウスを動かして、あっちこっちを観れるんですよ!
それを、サイゴンでやりたいと。
こりゃ大変だ!面白すぎる!!手伝いたい!!!
という訳で、
お会いしてきました。
こちらがお問い合わせいただいた、谷口とものりさんです。
お名前を検索させていただいたところ…何と!パノラマ映像の第一人者であられました。
谷口さんについて詳しく知りたい方はこちらのページへ。
[DSMC/DSLR #3]Vol.03 360度ムービー/新ジャンルへの挑戦
偶然とはいえ、まさかそんな方からご連絡いただけるとは…ヤバイ、情報発信超ヤバイ。
ちなみにここで「右も左も分からない観光客が出来るものなのか」に回答すると、「難しい」です。
障害物には注意すれば問題は無いでしょうが、良い絵を撮るならバイクの波に潜る必要があります。
それもバイクタクシーに運転してもらえればいいのですが、運転手とのコミュニケーションに難がある。
目的を理解してくれるか、そもそも安全に運転してくれるか。
在住者の方は、この難易度の高さをご理解できると思います。そこで私がその役割を名乗り出た、ということです 。
それにしても、
ネルソン「Tシャツの柄がカメラとは徹底してますね…」
谷口さん「はは、たまたまです」
こちらがパノラマ映像を撮るツールですが、秘匿事項です。
さて、撮影ポイントは3つのラウンドアバウト。
バイクの波に潜り込んでいきます。
………
…………………
……………………………
それでどのような映像が撮れたのか。
キャプチャを貼ってみるとこんな感じなんですが、
全く凄さが伝わる気がしないので、こちらのリンク先をご覧ください。そしてマウスでグリグリしてください。
刮目せよ皆の者!これがパノラマ映像だー!!
http://t-photoworks.com/moviefolder/2014/Ho_Chi_Minh_traffic/video.html
うーむ、Googleストリートビューが公開された時は驚いたものですが時代は着実に進んでいますね…。
なお、この翌日に谷口さんはメコンデルタツアーへ行かれたそうです。
その時の様子もパノラマ映像に収め、GW中にブログで公開するとのこと。非常に楽しみ。
後日、谷口さんにはメール取材(5つの質問)を受けていただきました。
今後、技術の進化と共に、近い未来の身近なコンテンツとなるであろうパノラマ映像。
その第一人者の谷口さんから、どのような話を聞けるのでしょうか。
*
質問1:360度パノラマ映像を始めたきっかけは何でしょうか
回答 :2000年頃からすべてデジタルカメラでスチル写真の仕事をするようになりましたが、だんだん紙媒体が減ってきて仕事もなくなってまいりました。
そんな中、2007ごろ静止画パノラマがフルスクリーンで見られるようになりました。これはFlashの普及と回線の高速化でそうなったのですが、それまでのQuickTimeでのパノラマがアップルの技術であってPCでは普及しなかったことにも原因があります。
最初にフルスクリーンパノラマを見た時の感動はすごいものでした、それまでの低画質で小さな画面にくらべ圧倒的な迫力だったのです。
それから、(インターネットでの)独学で勉強を始めたのです。
質問2:現在の活動を始める前は何をされていたのでしょうか(仕事や趣味など)
回答 :週刊誌カメラマンを経てスチルカメラマンをしていました、今でも続けています。
質問3:360度パノラマ映像の撮影および制作を人に勧めるとすれば、どのような話をしますか。
回答 :一般的には世の趨勢(すうせい)として実社会を体験させるバーチャル技術は伸びしろがあるなんてことをいうでしょうが、実際には面白いことに尽きます。
質問4:今後、360度パノラマ映像コンテンツの分野はどのような展開があると予想されますか。
回答 :一気に増えるでしょうね。
一般用にはコンシューマカメラや技術やソフトの普及、これは撮影に関してです。
見る環境もPCではなくスマホとタブレットが主流になるでしょう。加えて、オキュラス(VRヘッドセット)やドーム施設などで見られるようになります。ストリーミングも現状は問題がありますが、普及していくでしょう。
質問5:360度パノラマ映像を撮る上で、ベトナム独自の魅力はどのようなものだったでしょうか。
回答 :今ベトナムでのたくさんの映像を製作中ですが、熱気があるのがいいですね。
我々の普段の常識と違う世界があるということが面白く、それを見る人に伝えるのにパノラマ映像ほどぴったりな物は無いと思います。
*
その分野でご活躍されているからこそ見える景色、というものがよく伝わってきます。
特に最後の、
>我々の普段の常識と違う世界があるということが面白く、それを見る人に伝えるのにパノラマ映像ほどぴったりな物は無いと思います。
この一文にはついつい「ウムウム」と頷いてしまいました。
私も普段カメラを持って取材していますが、その場の熱気や雰囲気というものは伝えることが難しい。
自分が知らない場所の質感を捉える、という点でパノラマ映像ほどぴったりのものはないと思います。
む、思わずほぼ同じことを言ってしまった。
谷口さんのサイト・T-Photoworksでは他にも豊富なパノラマ映像が観られます。
是非、ご覧ください。
なお、5月10日に都内にて、電塾セミナーというイベントで、谷口さん自ら撮影技法を紹介されるそうです。
電塾 2014年05月10日電塾定例勉強会のお知らせ DENJUKU 春のパノまつり
あと最後に一言だけ言わせてほしいんだけど、べとまるやってて良かったわ。
追記(5/11 18:05)市場でのパノラマ映像が公開されたので、リンクを追記します。
こちらの方が人や物との距離も近く、カメラに向けてピースサインしたりするベトナム人の明るい気質を感じます。
http://t-photoworks.com/moviefolder/2014/HoChiMinhMarket/video.html
こちらはメコン川。
http://t-photoworks.com/moviefolder/2014/mekong2/video.html