ベトナムの打ち上げ花火はもう大変、何が大変ってバイクの密度が大変。外で人が集まる機会にこういった状況になる訳で、これはベトナムの隠れ観光シーンだと思うんですよね。でも最近打ち上げ花火を制限気味なのでいつか無くなってしまわないか心配です。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/09/06
ベトナムの打ち上げ花火はもう大変、何が大変ってバイクの密度が大変。外で人が集まる機会にこういった状況になる訳で、これはベトナムの隠れ観光シーンだと思うんですよね。でも最近打ち上げ花火を制限気味なのでいつか無くなってしまわないか心配です。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/09/06
花火っていいですよね!
「たまや~!」という掛け声の由来は、江戸時代の花火職人の名前だったということは有名ですが、打ち上がった時に「たまや」という文字が広がる花火があるそうです嘘です。
目次
ここホーチミンで手持ち花火は見たことがありませんが、打ち上げ花火であれば見られる機会が一年を通して4回あります。
元旦、旧正月(テト)、4月30日の南ベトナム解放記念日、そして4つ目が9月2日の…ベトナム社会主義共和国建国記念日、です。
余談ですが、ベトナム国民の休日は、ここに5月1日のメーデー労働感謝日を足した計8日で全部。
なんと日本の15日に比べておよそ半分近くと実はものすごく少なかったり。
加えて土曜出勤も一般的であるため、純粋に日数だけでいえば日本人より働いているといえるでしょう。
(ただし残業するという習慣は日本に比べて圧倒的に浸透していないハズ)
話は戻って、9月2日。
もちろん建国記念日ということ自体を祝うこともありますが、年にたった4回の打ち上げ花火が見られるということもあって、心なしかいつも見る何気ない景色もそわそわしている様に感じます。
ちなみにこれも、よ~く見ると、ベトナムの国旗と社会主義を示す鎌と槌の旗がちらほらと。
大通りに出れば、より多くの赤い旗がずららららーっとはためいています。
夜、一区から、二区を臨む川近辺にて。
普段は道交法的にほぼ無法地帯のエリアも、混雑を予想してか交通規制が行われています。
花火は21時から…15分。そう、たった15分。
年4回あるけれど、全てがたったの15分間しか打ち上げられないのです。
現場に到着し、ガチャガチャとカメラをセッティング。
さーてもうすぐってところかな~…。
「21:02」
て、あ、やべーもう
ドーーーーーーーン!!
ワーーーーーーーー!!
一発目の花火の破裂音と観客達の歓声。
ちんたらとやってる場合じゃなかった!慌ててシャッターを切る。
花火に目を向けるホーチミン市民達。
日本の花火大会における観客の多さもさることながら、このフレームに収まっている人数はあくまで街の一角ですからね。
市内二箇所で行われているこの打ち上げ花火、それらを臨める市内中の川沿いや公園周りにこれだけの人達がギッシリと広がっています。
ただ違う点があるとすれば、「徒歩よりバイクの方が多い」ということです。
言わばドライブインシアターの様なもので、この後に起こることが…大変、見物なんです。
あと、ちょっと面白い点が。
携帯やカメラで撮影している人がちらほらいる。
ほらほらほら。
今までこういう行動って
なんとなく日本的だと思っていたんですが、実際はそれほど独特なものではないのかも知れません。
それでも日本でなら半分くらいの人達は撮ってそうだけどね。
しかしふと思ったんですが、ベトナム人の方が携帯に保存している写真の中身って気になりますね。
日本人だったら料理の写真のウェイトが大きいだろうし…。
誰か可能な範囲で公開してもいいっていう人はいないかなぁ。
メールの中身でも面白いだろう、25歳/ベトナム人/女性/アパレル会社勤務。とか。
世界中の色んな人達のメールを集めれば。
角度を変えてより多くの人が映っている画像。
老若男女、あらゆる人達が花火と同時に歓声を上げています。
さぁ、さぁさぁさぁ。
観客を撮ることも大切だけど、そろそろ僕も純粋に花火を楽しむとしましょう。
よく考えたら、テトは見たけれど、今回の建国記念日を祝う花火は初体験なのです。
あっ、
これはひょっとして、
全く見えねえええぇぇぇぇ!!!!
ドーーーーーーーン!!
ワーーーーーーーー!!
ええぇぇぇ!?
君ら花火見えてないよね!
角度的に君ら花火をほとんど見えてない筈だよね!!?
ま、まぁ、以前のサッカー観戦の時に、自国以外ならどちらが勝とうが負けようがはしゃぐ国民性を僕は見ている。
花火が見えなくても打ち上がったら喜ぶ…今更驚くことでもないかも知れない。
いや、でも、おかしいだろやっぱ。
ついつい納得してしまうところやったわ。
それにしても、だ。
ドーーーーーーーン!!
ワーーーーーーーー!!
さっきから、
ドーーーーーーーン!!
ワーーーーーーーー!!
全くと言っていいほど、
ドーーーーーーーン!!
ワーーーーーーーー!!
花火の打ち上がるリズムが単調でメリハリが無い。
日本でいえば、打ち上がる前の「ヒュルルル~」や、打ち上がった後の「パラパラ…」も趣があるとするけど、ここベトナムだとえっさほいさっと正月の餅を杵でつくかのごとく単調に事は進むのだ。
※ほとんど見えませんが、一応フィナーレで、しかも現場はめちゃくちゃ盛り上がっています。
いやー終わった終わった…。
満喫出来たかといえば胸を張って否!だけど、終わった…。
さて、と。
ここからです。
ここからなんです。
花火は確かに終わりました。
しかし、このイベントの見物はそこではない。
グォン…
グォングォン……
一体何の音?
そう、それはバイクのエンジン音。
恐ろしい嵐の到来を告げる木立のざわめきです。
皆さんは、ベトナムでサッカーを観戦する方法は読まれましたか?
読まれた方は、そのラストを今一度思い出して下さい。
まだ読まれていない方は、早く読めバーカいや嘘ですすみませんほんとすみません。
イベントが終わったら即帰る、それがあの記事で分かったベトナムの国民性でした。
あの時はカフェにいるお客さんだけでした…が、今ここには市内各地から市民達が集まっているのです。
つまり!
花火の終了を合図にッ!!
市内中のバイクは動き出すッッ!!!
モッ(いち)、
ハイ(にい)、
バー(さん)、
ヨーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
しかと刮目せよ、このバイクの洪水!!
花火の時期はお店がやっていないというリスクはありますが、このバイクの波こそガイドブックには載らないがベトナムらしさが分かる絶景シーンかも知れません。
あ、それでも、流石にテトは来ちゃダメだけどね。
マジで何処もかしこもお店は開いていませんから。