アユタヤの遺跡は芝生に囲まれているので、ラピュタっぽくもあり、日本人の心をくすぐります。ストⅡのサガットステージのモデルと思われる涅槃像ですが、どう考えたってその前に闘えるスペースはありませんでした。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/12/05
アユタヤの遺跡は芝生に囲まれているので、ラピュタっぽくもあり、日本人の心をくすぐります。ストⅡのサガットステージのモデルと思われる涅槃像ですが、どう考えたってその前に闘えるスペースはありませんでした。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/12/05
アユタヤっていいですよね!
タイ語でアユタヤはพระนครศรีอยุธยาと書きますが、似た発音でกรุณาอย่ามองไปที่というものがあり、その言葉の意味は「猿顔」だそうです嘘です。
さて。
「べと」まるですが、前回の記事から続いてアユタヤ旅行記。
たった40円でほぼ難なくアユタヤへ到着。
ゲストハウスにチェックインし、それではいよいよ観光です。
支度を整えて外へ出ると、
やだー!のっけから遺跡じゃないですかーー!!
来る時は全然気付かなかったが、まさかゲストハウスのすぐそばにあるとは思わなんだ。
そして、それから数分歩いても、
やだー!ここにも遺跡じゃないですかー!
WAT SONじゃないですかー!時にWAT SONって何ーー!!
お、そういや囲いが全然無いんですね。
観光客も普通にペタペタと触っています。
もともとは都であったということを考えると妙な表現ですが、「遺跡のある街」というより「街に遺跡がある」という感じです。
アンコールワットと違って遺跡を持ち上げていないというのか、ほんと歩けば至るところに囲いもなくしれっと遺跡が存在しています。
が、なんだかんだで2時間も見れば正直飽きることは必須なので、今回はサガットステージの涅槃像と大木に飲まれている寺院が見られたら十分。
見回したところトゥクトゥクも無いしひとまず徒歩で。
観光ポイント巡っていればそのうち流しが掴まるでしょ~。
が、この判断がいけなかった…。
歩けども、
歩けども!
歩けどもー!!
お目当ての遺跡に辿り着かず。
アユタヤさん、意外に広めでいらっしゃる…。
ただ、この日はとても快晴で、かといってバンコクの様に粘る様な暑さもない。
木陰も多いため、日除けに困らずこうして歩いて回るのも悪くはないかも。
アユタヤは観光都市として整備が行き届いているのか、遺跡のみに限らずその周辺は芝生が敷かれまるで公園の様。
お、遂に3つ目の遺跡か…?
な…!
これは…!!
法衣!?坊さんの法衣!!?
気をつけろー!近くに全裸の僧侶がいるぞ!!
まぁ、ここアユタヤに限らず寺院の近くでは、ああいった法衣がたまに木に引っ掛かっていたりします。
理由は…全く謎です、抜け忍みたいなものだと勝手に想像しています。
ちょっと祭壇みたいになってますね。
線香や水と一緒に民芸品も供えられています。
ここは四方は壁に囲まれていて荘厳な雰囲気を感じる。
このアユタヤは16世紀から18世紀に至るまで、ビルマ(現・ミャンマー)による度々の侵攻を受けたため、その際に頭部から破壊されてしまった仏像がたびたび見られます。
逆に言えば、そういう仏像ほど300年近くも前からあるということか。
なんだかじんわりと来る光景です。
池で釣りをしていた、兄弟と思われるマルコメ少年たち。
もうお分かりかと思いますが、アユタヤを回る時はトゥクトゥクか観光バスが基本の様で、主要な遺跡周辺を除けばこの街は本当に普通の街だなぁという印象があります。
加えて、やたらと野良犬が多い。
しかもサイズがどれもこれも中型以上という。
パッと見たこの写真の中に、
10匹は写っていますからね。
ピクニックを楽しんでいる家族が、ガッツリ取り囲まれています。
しかし別段彼らは慌てる様子も無く、これが日常の光景なのかしら…。
ちなみに中央の派手な色の車は一応タイのタクシーですが、この通り全く機能していません。
何故野良犬がはびこっているかというとこの通り、もはやゴミ箱がその存在意義を為していないゴミ捨て場。
この撮影も相当ビビリながら撮ってます。
だって奴ら、気付いたらすぐ背後にいるからね。
そうなんです。
野良犬も野良犬で縄張りがある様で、しかもこれが普通の観光ルートにあったりする。
で、吠えるヤツはまだいいんです。俺が離れるし。
最も厄介なのが忍者みたいにススーッと背後に近づいてくるヤツで、気が付けば囲まれてる。
というか、実際に、10匹くらいに囲まれてしまいました。
犬1「ワン!(兄ちゃんよォ…)」
犬2「ワンワン!(ここワシラのシマやねんけど…)」
犬3「グルルルルル…(それをちゃーんと重々分かった上で…)」
犬4「ワオーーーン!!(踏み入ったっていう了見かいコラアアァァァ!!)」
正直、今まで旅行でiPhoneや金を盗られたことがあるけど、このままじゃ今回は流石に血を見るなと思いました(短パンだったし)。
慌てて逃げようとすると、背中を向けた途端に野良犬が急接近!
ダン!
と後ろの地面を踏むと後ろの犬は怯むんですが、すると右と左から来る。
ダン!
と右の地面を踏むと右の犬は怯むんですが、すると左と後ろから来る。
ダン!
と左の地面を踏むと左の犬は怯むんですが、すると右と後ろから来る。
正直、顔面蒼白。
マジでふざけんな、マジで泣くぞと。
全力疾走で逃げるか?でも向こうも全力疾走されたら必ず追いつかれる。
これは恥ずかしいとか考えている合じゃない、マジで「ヘルプ!!」と叫ぼうかと思った時に…。
犬5「グルアアアアアアア!!(素人さんに手出してんじゃねぇーバカタレが!!)」
一匹のドスの利いた鳴き声で、他の犬達がビタッと止まった瞬間…に、逃げなければ!スタコラサッサ!
それ以上は追い掛けて来る様子もなく。
正直、本当に恐かった。
犬一匹なら上手いこと頭を蹴り飛ばせば或いは…と期待してたけど、集団で襲い掛かれたらマジで冗談抜きで怪我しちゃうかもなと狂犬病なら最悪死んじゃうなと。
皆さん、アユタヤは歩いちゃ駄目です。
レンタバイクか、せめてレンタサイクルか。
トゥクトゥクを利用するのは、単純に徒歩が疲れるっていう理由だけじゃない。
野良犬に襲われないためにっていうのがとてもよく分かったよ…。
何にせよ危機は切り抜けられたので、引き続き犬に警戒しながら先へ進みます。
あの白い山は何だろう…?
これはまさか…もしかして…!?
ま、ままま間違いない!!
夢にまで見た涅槃像!
ストⅡ(ストリートファイターⅡ)に出てくる、別名「サガットステージ」や~~~!!
なるほど、このステージでサガットとリュウは死闘を繰り広げたのだな…って、
そして何故かここで黒のパンティ発見!
気をつけろー!近くに痴女がいるぞ!!
やはり涅槃像はアユタヤでも最大の観光スポットらしく、その前には複数の観光バス、そしてお土産屋さんが密集していました。
そこで売ってたドリアンアイスキャンディー、確か20バーツ(50円程度)くらい。
冷静に考えたらたっけーな、日本並やん。まー観光地価格だけど。
この後、しばらく口が臭かったことは言うまでもありません。
次の遺跡を求めて歩きます。
すると川の中から…
おぉ…おおおぉぉぉ!?
ア…アユッシー!いやアッシー!?
UMAだ!とにかくUMAの類だ-!!
しばらく様子を見ていると、どうやら網漁をやっている様です。
こんな川に泳いでる魚を食べたくはないが…いや、ベトナムも同じか。
何だこの変ちくりんな鳥は…一番大きいやつなんて2mは軽くあるよ。
と思ったら、あー。
寺院に祀るものなのか。
隙間から草が生えてる遺跡を見ると、300年以上の経年を感じますね。
下からの迫力はなかなか。
先の上半身が削られていた仏像と同じ様に、
こちらの浮き彫りされているタイプも顔が無くなっています。
遺跡の裏手には遊具が。
観光地化されている様でされていない、ある意味で自然体の遺跡群。
それがアユタヤ。
タイ語で話し掛けられました。
お坊ちゃんお嬢ちゃん、そんなに俺がタイ人に見えるかい。
ゲストハウスを出てから2時間歩きっ放し。
流石に疲れたので地面に腰を下ろしてボーッと小休憩。
17時を知らせる?お経が聴こえ、目の前では子供たちが追いかけっこして遊んでいる。
空は薄暗くなっていき、「こういうの昔あったなぁ」と何故か懐かしさを感じました。
アユタヤでは、特別でも何でもなく、日々繰り返されている風景なのでしょう。
トゥクトゥクをチャーターしなかったためにこれだけ歩くハメになってるんだけど、一方でその選択をしなかったからこそこんな日常風景を見ることが出来ているんだと思う。
野良犬に追い掛け回されたりもしたけど、これで正解だわ。
地図を見ると、アユタヤでも最大規模の遺跡と、ナイトマーケットへ一本道で行けるルートがあったので再び歩き出す。
道中で撮らせて貰ったお坊さん。
擬宝珠をひっくり返した様な額の生え際やな…ご利益ありそうだ。
街中にいる野良犬ですが、不思議とお坊さんにだけは懐いている素振りがあります。
私が絡まれた場所も、そのまま真っ直ぐ行くと現役の寺院がありました。
野良犬の気性が気性なだけに、ヨソから見ている限りは完全に魔物使いです。
遺跡が邪魔だと言わんばかりの、隙間を縫う様に張られた電線。
主要な遺跡以外はこの様な感じでぞんざいに扱われていますが、これはこれでありのままのアユタヤの遺跡っていうことですね。
ポーンと開けた場所に出ました。
見たところ地元の青年たちが草サッカーを楽しんでいますが、その後ろには…
ドーン!と遺跡、しかもかなり大規模です。
ボールが当たったらそれはそれでしゃーねーべ、とかのたまいそう。
それにしても、この持ち上げ過ぎない雰囲気はアンコールワットより京都に近い気がします。
流石にお寺の境内でサッカーをする人は見たことがありませんが。
そろそろ日が暮れて来ました。
時間も18時、遺跡も見れたとしてもあと1つが限界だなぁ。
なんと!ここだけは入場料を取るらしい。
そしてやはりここはタイ、キッチリと外国人料金を取って来ますね。
区画一帯が保存されている様です。
一体いつから生えてるんだろう…。
おぉ!
これは完全に!!
ラスボスじゃないですかー!!!
アユタヤの遺跡を象徴する仏像と言ってもいいですね。
実際、イメージ検索をしても2~3割はこの画像が出てきます。
それにしても…スクウェアの往年のRPGに登場しそうなオーラがムンムンです。
暗くなってくるとそれはそれで雰囲気がありますね。
いよいよ何も見えなくなってきました、そろそろ出よう。
そして…東南アジアの観光都市にはセットの!ナイトマーケット!
一見したところ観光客は少なそうです。
目当てにしていたんですが、お土産品はほとんど扱っていない様子。
スムージーや、
寿司のまがい物とか、
フランクフルトやつくね串、
KFC顔負けのフライドチキン、
ガッツリと食事が出来る定食屋も。
オモチャ…縁日みたいやね。
よく見れば日本のキャラモノがすごく多い。
ケーキ!ここで!?
や…八百屋!?
更に先へ行くと服…がありましたが、ここは閑散。
そしてあっという間に端へ、引き返そう…。
戻る途中で目に入ったヌードルを夕食に頂きます。
奥にはナンプラーや砂糖などがありますが、この調味料を自己流で調整するのがタイの基本的な食べ方らしい。
オフシーズンだから?
それとも遺跡同様に観光地然としていないから??
アユタヤのナイトマーケットは、完全に地域の住人向けでした。
涅槃像の前でお土産を買うかどうか
迷った末にナイトマーケットに託したのですが、こうなると買えるところで買っておいた方がいいのかも。
よく見えませんが、噴水の周りではスケボーの練習に励む若者たち。
おい、なんか同じ光景を高円寺にいた時に駅前でよく見た気がするぞ。
これまでアユタヤといえば、前回の記事でも触れた様に頭のてっぺんから足の先までラピュタの様な街だと思っていました。
が、もう分かっていることだけど、国や観光都市に抱いているイメージというのは、行くと必ずと言っていいほど気持ちいいくらいに覆されます。
さぁ、そろそろゲストハウスに戻ろう。
ただいまーっと、
チャーンビールを飲んで一息、かれこれ5時間は歩きっぱなしだったので疲れた……。
アッサリと帰った風ですが、帰り道は正直言って怖かったです。ナイトマーケットなど人が集まっている場所は別として、それ以外のところは主要な道路に点々と街灯が設置されているだけで、たとえば公園を突っ切って近道しようにも真っ暗闇で入ることすらはばかられます。
加えて野良犬は日が暮れた頃から、飯を求めて集団で行動するとも聞いているので、日が暮れる前に宿に戻るかトゥクトゥクを利用することをオススメします。
さて、アユタヤの遺跡巡りは今回でおしまい。
私はアンコールワットへ行ったことがあって、周りからは「それじゃアユタヤは楽しめないね」と言われたものの、想像していたものとはまた全く違った趣があってかなり楽しむことが出来ました。
ラピュタの城の様な世界観が好きな人は、共感して貰えること請け合いでしょう。
さて、次回は、ここへ行こうと決めた決定打と言ってもいい、アユタヤの「ウルトラマン・ヘッド」を見に行きたいと思います。
異常です、以上じゃなくて異常です!お楽しみに!!