これがベトナムのアニメイベントの初体験でした。回を重ねる度、規模は広がっていく一方。ベトナム人の友人の話によると、オタクは現地だとクールで誇るべきものらしいです。日本でもイメージは変わりつつありますが、立ち位置にギャップはありそう。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/07/29
これがベトナムのアニメイベントの初体験でした。回を重ねる度、規模は広がっていく一方。ベトナム人の友人の話によると、オタクは現地だとクールで誇るべきものらしいです。日本でもイメージは変わりつつありますが、立ち位置にギャップはありそう。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/07/29
漫画っていいですよね!
かの「漫画の神様」こと手塚治虫は、原稿を迫る編集者からいつでも逃げ出せるために、常に机の引き出しの中には靴が入っていたそうです嘘です。
目次
ある日、Facebookにてイベントの招待状を受け取りました。
タイトルを見ると「Manga Festival Ⅲ 2012」がどうのこうの。
詳細はベトナム語で書かれていたのでほとんど分かりませんが、これはどうやらホーチミン市内で漫画やアニメのフェスティバルがあって、招待者が4000人以上であるところを見るに市内在住の邦人全員が招待されているらしい。
フランスでもJAPAN EXPOがあるけど、ベトナムでも同じ様なことをやっていたとは初耳です。
これはレポートしない訳にはいかないなと、早速行って来ました。
会場は、Hội Trường Nhà Văn Hóa Thanh Niên TP. Hồ Chí Minh。
日本語で書くと、「青年文化会館」です。
三階建ての建物とそれに隣接する広場があり、ここでは定期的に催し物が開かれているらしい。
ホーおじさんが覗けるホーチミン市労働局。
道を挟んでその向かいに青年文化会館はあります。
入口には大きな看板。
何故かイラストに指差ししている方は、マンガ喫茶UTOPIAのオーナー・江渕さんです。
今日はUTOPIAでベトナム語教室に通っていたので、その流れで一緒に行くことになりました。
べとまるに度々登場しており一見は蜜月の関係の様ですが、金銭のやり取りはありません。
そろそろカツ丼の一つくらいおごって欲しいです。
入口。
左手に見える建物が青年文化会館ですね。
パラソルを見るにNOKIAがスポンサーに付いている様です。
まぁ、ベトナムだし、たまたまそういうパラソルだったオチも否めませんけど。
入ってすぐに目に映ったのが、メシ屋。
フェスタイトルに「JAPAN」は入っていませんでしたが、やはり「漫画」と「日本」は切り離せないのしょうか、SUSHI推しです。
SHU…SHI……。
アメリカにはカルフォルニアロールもあるし、百歩譲って寿司の圏内としても右の串揚げは何なのか、「揚げれば全部天ぷらや!」と言わんばかりの揚げまくりフードです。
そしていきなりの痛車、定番の初音ミクですね。
会場の中央奥にはステージが設営されており、司会が何やらわーわー言うてますが当然意味は分かりません。
ネルソン「江渕さん、あれ何て言ってるんですか?」
江渕さん「そんなの分かんねーよ。」
あなた、ペラペラの筈やないか…。
ちなみにこの画像で、会場のほぼ8割は収まっています。
ハッキリ言って、超狭いです。
日本だと東京ビッグサイト、フランスだとノールヴィルパント展示場。
どちらも丸一日満喫出来る広さなんですが、コレは…学校の校庭レベルです。
しかし、人口密度は相当なものなので、今後拡大していくポテンシャルは高そうに思います。
あと、手前の女の子のシャツ、マドノヨシカって何?
この日はあいにくの雨で、見ての通りですが、会場全体をサーカステントの様なもので覆っていました。
が、ほぼ5m間隔で雨漏れ!
コレ、ところどころ下に出っ張ってますけど、全て溜まった雨水の重みですからね。
天井に段々と膨らみ続ける水風船を50個くらい仕掛けられている様なものですよ。
スコールのある雨季に行うベトナムでの屋外イベントは、常にこういった危険を孕んでいます。
さて、肝心の出し物を見て周りましょう。
お面とか、マグカップとか、売ってます。
どう見ても散歩中に迷い込んだとしか思えないオッサンもいます。
スラ…イム…?
メイドインジャパンの、
フィギアも盛り沢山です。
中央下のヤツとかよう持って来れたな…。
※グラビア雑誌程度のエロでもベトナム入国時にバレれば即罰金
ベトナム語で描かれた漫画が置かれています。
オタ系や少女漫画方面には疎いと言えど、全然見たことが無いタッチです。
もしかして国産じゃないのかなー。
ちなみに隣のテーブルには、ベトナム語訳の幽遊白書などがありました。
上の看板に書かれている言葉も面白いですね、「Otaku Shop」です。
「アニメ」とか「コスプレ」とか、日本の漫画文化を象徴する言葉の一つになっているのかも知れません。
ラ…カ……ロ………ア…………日本語バカにしとんのか!
左に「只今準備中」ってあるけど、このとおりキリキリ働いています。
そして一体何の店かと思えば、
お、お守りですか??…絶対にご利益ねぇー。
こういうフェスには定番のK-POPです。
まぁ、ジャパンが冠についてる訳じゃないからいいか。
囲碁打ってます、屋内でやれ!
ミシン!何でミシン!?縫うのここで!?
とまぁ、店舗は大体こんな感じ。
やっぱりちょいちょいベトナムですね。
まぁ、フランスのJAPAN EXPOへ行った時も似た様なところはあったけど。
で、こういった漫画(というかアニメ)フェスと言えば、必ずと言ってもいいほどセットになっているものがありますよね。
そう、コスプレです。
多分に漏れずこのフェスにもコスプレイヤーが。
参加者の2割程度と圧倒的に数は少なかったですが、ベトナミーズ・コスプレイヤーの皆さんをご紹介します。
ちなみに当方、アニメに詳しくないので再現度は分かりませんが、なりきりっぽさも含めてクオリティが高くなっていく順に並べてみました。
まずは、ファスナーが開いてます。
これはハルヒですね、服がシワクチャです。
隣で江渕さんが笑ってます。
すみません、右端のアメリカ野郎が気になります。
彼がいきなりベトナム戦争中にタイムスリップしたら相当ヤバイですね。
これは何かな?剣が凝ってます。
隣で江渕さんが笑ってます。
全身は映ってないのですが、小道具も凝ってますね。
双子のキャラみたい。
ポーズからしてなりきりっぽさは高そうなんですが、どうしてこの撮影位置にしたのか甚だ疑問で仕方が無いです。
完全に、痛車が邪魔になるだけやろ!何でバックに撮らないんだ君らは!
カメラを向けると必ずこのポーズ、なりきってます。
キャラ、全く知らなくてごめん!
ロリータ・ファッション。
さっきまで笑ってたんですが、カメラを向けると即無表情。なりきってます。
彼らがベスト・コスプレイヤー。
ベストというか、一番人気がすごかった。
この世界じゃ有名人なのでしょうか、
歩いてポージングする度に「キャー!」って輪が出来ていました。
江渕さん「ナルシストめ…」
コスプレイヤーなんだからそりゃそういうところはあるだろう。
ステージではイントロクイズが開かれている様で、ちょいちょい一瞬だけ耳をつんざく程の爆音が流れます。
挙手!えっ挙手!?
この人数で、挙手形式でクイズやってんの!?
まぁ、そうか、それしか無いもんな…。
何処にいても、答えが分かるや否や彼らは意気揚々と手を挙げます。
挙手してステージまで答えに行くなんて、日本だとまず有り得ないプログラム内容です。
はいはいはい!
俺、当てられちったぜ!
ちなみに、彼の視線の先を振り返ったんですが誰も応えていませんでした。
と、ここまでがマンガフェス全体の雑感でした。
最後に寄った場所が、ホーチミンに住んでいる邦人でもその名前を知られているあのお店…。
ベトナム人の女の子達がおもてなしてくれるメイド喫茶、「べともえ」です。
普段はとあるビルの一室で営業しているのですが、今回のこのマンガフェスにも出張してきているとのことです。
店頭にある、宣伝用ポスター。
左から二番目のpopoちゃんのポーズが完全にマキシマムザホルモンにしか見えません。
いや、これは、マジでアレだろ。きっとそうなんだろ。
「お帰りなさいませ、ご主人様ー!」
ややっ、フツーに可愛いね。
ちなみに私、日本でのメイド喫茶経験はありません。
店内(?)は、
あぐかるというアニメの復興ポスターとか、
(剥がれてるけど)NARUTOのポスターとか。
メニューです。
内容は見ての通り、両面に日越訳で書かれています。
基本的にベトナム人向けのためか?日本食の価格としてはリーズナブル。
日本のメイド喫茶さながら、オムライスにはお絵描きして貰えるみたいですね。
江渕さん「俺、レッドブル。」
ネルソン「アイスミルクコーヒーで。」
待つこと一分ー。
メイド 「ご主人様、お待たせ致しましたー。」
江渕さん「…。」
ネルソン「…。」
メイド 「美味しくな~れ~美味しくな~れ~。」
江渕さん「……。」
ネルソン「……。」
メイド 「もえもえ、きゅーん!」
江渕さん「………。」
ネルソン「………。」
メイド 「はい、美味しくなりましたー!!」
江渕さん「レッドブルじゃん!」
ネルソン「レッドブルじゃん!」
上記、美味しくなったレッドブル。
俺のコーヒーも美味しくして貰いました。
上記、美味しくなったアイスミルクコーヒー。
こちらの女の子達もスタッフらしいです。
それはAKBのコスプレかと聞くと、「失楽園」という答えが返って来ました。
失楽園…えっ…役所広司とみのもんたの…?
調べてみるとどうやら百合(女と女の)漫画らしいです。
それにしても、パッと見だとまるで日本の女の子の様ですね。
ベトナム人のお客さんも訪れます。
テイクアウトということで、直立不動からの美味しくな~れ~。
ベトナム人に対してベトナム人が一方的に日本語を使うという光景はなかなか斬新極まりない。
僕らがインドカレーを食べに行って、ターバン巻いたインド人シェフが一方的にヒンディー語でカレーにまじないを掛けたら、お金置いて逃げる。
それにしてもこの少年、ガン見である。
服を透かして見る能力を持っているんじゃないかというくらい、ガン見である。
大丈夫でしょうか、彼の中のフタを開いてしまったのではないか。何かは分からないけど。
コーヒーを飲みながら落ち着いていると、キャッキャキャッキャとメイドさん達がにわかに賑わう。
何かと思えばステージのイントロクイズに分かる分かると手を挙げているらしい。
そして見事に司会に指名されてステージへ駆けていった。
江渕さん「いや~ベトナムってほんと面白いよね。」
うん、本当に。
景品を貰って喜んで駆け戻るメイドさん。
スキップしながら…やだこの子マジでめっちゃ喜んでる!!
実に無邪気である。
なになに~。
ポスター当たってんよ!こいつポスター当たってんよ!!
多分、アマチュアの人が描いた、「ヒカルの碁」の「佐為」です。
いや…どうだろ…すごく微妙に似ていないので自信失くなってきたわ…。
と、まぁ、このへんでおしまい。
ここで僕らもマンガフェスをおいとましたのでした。
どうでしたでしょうか。
全体のクオリティはひとまず置いといて、ネタ的にはとても楽しめました。
その後、ガン見の少年は、友達を連れてべともえへ戻ってきました。
良い常連客になることを期待しています。