中部の高原地域と言えばダラットが有名なのですが、バンメトートはそこよりも小規模の街のため、のどかです。娯楽らしい娯楽はないのですが、自然と触れ合うにはとても良い。象使いの村では象に乗れ、ジャコウネコのフンから採った高級コーヒーを飲む。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/08/18
中部の高原地域と言えばダラットが有名なのですが、バンメトートはそこよりも小規模の街のため、のどかです。娯楽らしい娯楽はないのですが、自然と触れ合うにはとても良い。象使いの村では象に乗れ、ジャコウネコのフンから採った高級コーヒーを飲む。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2012/08/18
象っていいですよね!
動きが鈍そうに見える象ですが、最大速度は60kmと言われています。
ただ、その中間の速度が出せず、彼らには早歩きという行為が出来ないそうです嘘です。
調べてみたらアフリカゾウの最速が39km/hなんだそうで。
ヒトが37km/hだから意外に変わらんのね、まぁスタミナは向こうの方があるけど。
目次
さて、バンメトートの旅も最終日。
いよいよ目玉である「象使いの村」と「コピ・ルアック」です。
コピ・ルアックって何ぞや?
という方はくれぐれもググらないで最後までお読みくださいませ。
はじまりはじまり~。
象のいる村はブオンジュン村というらしい。
バンメトート中心地から、タクシーに乗って一時間近く掛けて向かいます。
料金は450,000VND(1700円)程度。
案内してくれている塩川さんを除いても四分割、てーしたことありません。
とはいえ、現地には観光バスも数台並んでいたので、中心地でも探すことは可能かも知れません(英語すら通じる可能性は低いけど)。
朝のバンメトートを疾走、窓から入り込んでくる風が爽やかです。
時折牛臭くなるので流石は田舎やなぁ~と思ってい、た、ら…。
ほんまにおりよったー!
50頭はいようかという水牛の群れ!
野生なら死ねますが、幸い家畜の移動らしい。
というより、流石にベトナムでも野生の群れはおそらく無い。かな。(自信ない)
ラオスへ旅行した時も、ツーリング中に同じ様な光景を見たことがあります。
その直後に一歩間違えれば死ぬレベルのスリップをかましたのであまり良い思い出ではないですが…。
象がいる村、ブオンジュン村に到着。
象や!
象やがな!!
象でんがな!!!
三枚目の画像は、象使いが象に乗るところですねー。
右足を上げて足場をつくって乗せてやると…お利口さんです。
この日は日曜のためか観光客も多く、ひっきりなしに客を乗せて移動していました。
行ってくる象もいれば戻ってくる象もいるので、決まったルートをローテーションで回しているらしい。
目に映る範囲でざっくり見積もっても200人の観光客がいます。
が、9割はローカル…つまりベトナム人の様です。
西洋人は1割にも満たず、日本人以前に東洋人は僕ら以外にいませんでした。
バンメトートもブオンジュン村も、一応は「地球の歩き方」にも載っているそうですが、象に乗るといったらルート的にもみんなタイに行っちゃうのかなぁ。
周辺にはお土産屋さんも充実しています。
とはいっても、別にここで売らんでもええやんってものばかり。
漬物とかまであったけど…果たしてこれは売りさばけるもんなんか?
右奥に象があるのは、まぁ分かるんですが、鳥も水牛も関係無い。
ちなみに象を撫でると「パオーン!」と鳴きます。
これが結構なボリュームで、あちらこちらで聴こえる。
ちなみに本物の象はというと…一度たりとも鳴きませんでした。
象の発着場です。今にも底抜けそう…何にせよ、登ります。
おぉ…おおおぉぉぉぉ。
眼下に見下ろしているとはいえ、やはり象の圧倒感がすごい。
発着所の周辺は、物売りやお客さんの連れ添いで賑わっていました。
ちなみに、一回の料金は30,000VND(115円)程度だったかと思います。
背中に取り付けられた席は、大人三人がギリギリ入れるスペース。
…細身のね。
彼らは何か、三角関係だったりするのかな。
遊んでみた。
CさんとWさんがまず出発。
そして続いて僕と誠さんも。
ギシッ…ギシッ…
あのー、あれだ。
ギシッ…ギシッ…
これ、意外に、恐いわ。
車輪でも何でもなく、足で歩いているので上下の揺れが結構なもの。
取り付けられたイスも針金で何度も補強された跡があって軋む軋む。
そして、この高さ!
柵が、座った状態のヘソの高さ程度なので、飛ばされてしまわないよう手汗と一緒に終始握りっ放し。
日常的にバイクに乗っているベトナム人は体幹が良いから平気なのかも。
しかし、それだけではなく、
当たる!当たるよ!高いから!木枝が当たるよ!
いつも同じコースを通るなら切っとけよ!ご神木かよ!
当たる!当たるよ!高いから!電線が当たるよ!
これは流石に何とかしろよ!あんたらのインフラじゃねーか!!
先へ進むと川に出ます。
ここで水浴びをしてUターンするみたい。
丁度出ていく象もいます…ん、結構浅いのね。
水面が見えると高さもハッキリと分かってちょっと恐い。
ただ座っているだけなのに、真下でバシャバシャと音が鳴る感覚が何とも不思議。
向こうにはCさんとWさんが…って、あれ。
結構深いね!?
最深部での2,3分の水浴びタイムを終えた後で陸地に戻る。
上がってみると濡れた位置で相当深かったことが覗える。
これ、ひょっとすると水深2mくらいはあったんじゃないか。
すると…
「♪~♪~♪~」
携帯?俺のはこんな音じゃないぞ…。
象使い「ヘロー?」
お前かよ!仕事の片手間感スゴイな!!
途中で、川へ向かうお客さんともすれ違う。
ベトナム人だとは思うんですが、
ここに来ると何処の人であれほとんどが観光客ですね。
ホーチミンで外国人はほぼ観光客として対応されるので、こうしてベトナム人と同じ目線で観光を楽しむという状況は新鮮です。
象乗りはこれでおしまい。
近くの川べりへ向かいます。
澄んだ川、とは決して言えませんが、それでもこれだけ緑が多いと清々しく感じるものです。
この上に架けられた竹製の橋を渡っていく。
なまじ「しなり」が良いのでとんでもなく弾みます。
誰かが「ギシッ」と踏み込んだかと思えば跳ねっ返りでグワングワンと揺れる。
体幹が良いと言ってもここじゃほとんどの観光客が足をすくみ恐る恐る。
されど子供はいつでも元気。
ここにもお土産屋がありました。
この杖、日本の観光地でいうところの木刀みたいなもんか?
本物は一切見掛けないのに、猿のぬいぐるみがあります。
こいつの頭を押すと…
ひっ、光ったー!なにこの蛇足のお手本!!
猿というより、猿型サイボーグといった方が正しいです。
昼飯時だったのでご飯を食べます。
川の上に建てられた場所なので、さしずめベトナムの川床料理ってところか。
バンメトートのご当地ビール、セルポックです。
ほんのちょっぴり、苦味が強い気がするかなぁ。
コチラ、何の肉だと思います?
なんと…カンガルー、なんです。
生身のカンガルーとの接点すら無かったのに、まさか肉の形で対面するとは思わなんだ。
強い味付けだったので特に臭みも感じませんでしたが、歯ごたえは少し固め、豚と牛の間という食感で美味しいです。
もち米があったのでそれを頼んだところ、素朴そうなお姉ちゃんが持ってきてくれたモノが…。
おーい、お姉ちゃん!
これただの竹筒や、もち米でも何でもあらへん!
いやいや実はコレ…
中にもち米が入っているんです。
バナナみたいにぺろーん、と。
少数民族で伝わる米の炊き方で、竹筒にもち米を詰めて炊くんだそうな。
ほのかに竹の香りが付いて、これだけでも美味しくいただくことが出来ます。
日本人なので日本米がベストですが、ホーチミンで食べる米より明らかに美味しい。
ただ、竹なのでカッテーーーの。
剥いてる途中で力を抜くとバチーン!と指を挟んでしまい兼ねません。
各自色々なスタイルで昼を過ごす観光客。
ココ、一応はレストランなんですが…自由過ぎるなぁ。
そして川床料理を後にします。
ブオンジュン村、残すところ最後のイベントは…。
例の長生きおじいちゃんに会うことです。
何でも彼と握手することで5年は寿命が延びるとか延びないとか。
日本にも箱根の大涌谷で売られている黒タマゴなどがあるし、世界各地にある長寿イベントを実行していく旅って面白そうですね。
地元の若者たち。
体力仕事ばかりやっているのか、年齢の割に身体がガッチリしています。
これからドライブでしょうか?
この辺りになると観光客もほとんど歩いておらず、長生きおじいちゃんなんてニッチな情報はまず外国人の耳に入りません。
現地の住民の民家も並んでおり、幼い少年が弟か妹と思われる赤ちゃんの面倒を見ています。
とても微笑ましい光景です…。
と言いたいところですが、俺がカメラを向けた途端に睨まれてしまった。
さっきのは誠さんが撮ったヤツだった訳だけれど、何故だ、何故なんだ。
俺の顔はそれほど悪意に満ちてるってーか!えぇ!!ほんとごめんなさい警戒させて!!!
到着、ここが例のおじいちゃんが住んでいる家です。
観光スポットと化しているのか、場所を示す看板まであります。
電話番号はまだしも、Faxからメールアドレスまで。事務所かここは。
ピンポーン。
ピンポーン。
2分経過ー。
ピンポーン。
塩川さん「昼寝してるみたいです」
昼寝!ダチョウに続きまたしても!!
しかし、アポも無ければ、向こうに会う義務も無い訳ですから、昼寝中だからダメだと言われてしまえばそれから僕らには何も出来ません。
せめて、ネタ的にでも「ザメハ」とか地面に描いて行けば良かった。
道中ではさきほどの若者たち…ん?何してるの??
完全に事故ってはるわ。
右「どないしよ…グエン先輩にシメられる…。」
左「ダラットや!ダラットまで逃げれば先輩も追って来られへんやろ!」
とかなんとか話していて貰いたいです。
ブオンジュン村はここでおしまい。
最後に、お土産屋にあった絶妙にエロい胸像を置いておきます。
B地区を隠しておいた訳ですが、なんだかシャーマンっぽいのでバチが当たるかも知れません。
その次は中心街まで戻り、コピ・ルアックを飲みに。
コピ・ルアックとは何か。
それは…ジャコウネコ(いたち)のうんこコーヒーです。
もっと言うと、ジャコウネコのうんこから、コーヒー豆だけ取り出してそれらを焙煎したコーヒーです。
これは香り高い最高級のコーヒーということで、都内ではたった100gがなんと7000円近くの値段で売られています。
これがコピ・ルアック。
右から、うんこから取り出した状態、洗浄した状態、焙煎した状態、といった流れで並んでいます。
色々な写真が貼られています。
左上から、コーヒー豆採ってー、ジャコウネコに食わせてー、うんこさせてー、洗浄してー、瓶詰めしてー、煎るー、みたいな。
ちなみに右上の青年、それほどまで写真に映り込みたかったのか。
さて、コピ・ルアック。
この一杯の価格はおいくらだと思います?
なんと…………200,000VND(760円程度)!!
たか!
たっか!!
たっっかーー!!!
実にホーチミンのローカルコーヒーの8倍。
いや、マジで、ドローカルなら20倍は余裕だわ。
しかしここまで今更来て引き下がることも出来ず。
全員でお金を出し、幻の一杯を回し飲みすることにしました。
焙煎を始めます。
塩川兄弟はお土産屋で買った帽子を被って待機。
二人共似合い過ぎやろ…。
えっ!あれっ!?急に怒った!!?
画像を確認してみて初めてビックリしました。
俺、何か、塩川さんを怒らせることを言ってたっけ…。
コピ・ルアックを扱っているこの店は大きなお土産屋で、キーホルダーから民族衣装まで色々なものを売っています。
石仮面の出来損ないもズラズラとありました。
外は突然のスコール(スコールは常に突然ですが)、これはこれで味のあるコーヒーブレイクを演出してくれます。
…と、そうこうしている内にコピ・ルアックがヘイお待ち。
載せられているお盆は百均に売られていそうですが、メインはこの正真正銘のコピ・ルアック(200,000VND)。およそ760円です。
フタを開くと芳しいコピ・ルアックの香り。
早速、試しに飲んでみます。
ネルソン「むむ、コレが噂に名高いコピ・ルアック…。
ネルソン「まずは香りを…。」
ネルソン「ンフ~~~ッッ!!」
ネルソン「ト!トトトトトト!!」
ネルソン「トレビア~~~ッッ!!」
ネルソン「ンヌゥッッハッッッ!!!」
塩川さん「アホや。」
少年 「あいつアホや。」
で、感想は…………………………よく分かりませんでした。
だって飲み比べとかじゃないんだもーん!
どうせ違いの分からない男ですよーえぇ!!
唐沢寿明や緒形拳にも及びませんよ!
いやいやこれは当たり前ですねーホントすんません!で!し!た!
ただ、味はとてつもなく濃かった。
この点はコピ・ルアックの売りでもあるそうで、一度淹れた後でもほとんど味を損なうことなく二度目も淹れられるとのこと。
次は、「làng cà phê TRUNG NGUYÊN」へ向かいます。
TRUNG NGUYÊNといえば、ベトナム在住の方なら聞き覚えがあるかも知れません。
こちらでは名前の知られたコーヒーブランドで、ベトナム国内には500を超える店舗もあるそうな。
その本社がバンメトートにあるということで建てちゃったという、世界でも唯一かも知れない!?コーヒーのテーマパークなのです。
入ると早速、珍妙なキャラクターが出迎えてくれます。
コーヒー豆をモチーフにしていることは間違い無いのでしょうが、「不思議の国のアリス」のハンプティダンプティを想起させます。
展示コーナーがあり、様々な種類のコーヒー豆が置かれています。
他にも、コーヒー豆を焙煎する?機械なんかも。
昔はこんなん使ってましたーという感じですね。
これは…誓約書か社則かでしょうか、革に書かれています。
と、まぁ、さっきから長い歴史がありそうですが実はこのTRUNG NGUYEN、創業がたったの…
1996年。
短いとは言えないですが、だからといって長くもありません。演出、全ては演出。
展示コーナーはこのへんで終わり。
販売も行われています。
で…でで……伝説のコーヒー!大層な!
どうやらコレ、先のコピ・ルアックに似た風味を加えたものなんだそうです。
つまりカニカマみたいなもんか。ちょっと違うか。
この辺になるともうコーヒーと関係無いモノが売られています。
多分、バンメトートすら接点が無いと思う。
あのカボチャの入れ物、ベンタイン市場で見たことあんぜ。
展示コーナーを抜けて屋外へ出ると…
!?
突如として屋上遊園地にありそうな乗り物が出現。
ここまで来ると、ブランディングもクソもヘッタクレもありません。
悠然と構える誠さんはさながら戦国時代の名将を思わせます。
敷地内の所々にある謎の泥人形。
テーマもモチーフも全く分かりません。
ただひとつ言えることがあるとすれば、とても幸せそうです。
ん…?
これは…??
発泡スチロール!発泡スチロールだ!
見てくれをごまかしてまでコレを作らなければならなかった理由が全く分からん。
ホイアンから移築してきた様な建物があります。
内装は昔のベトナムの王宮をイメージしてか、なかなかゴージャス。
ここはカフェになっていて、メニューは通常のTRUNG NGUYEN店舗と同じ。
これは…名前忘れた……コーヒーアイスとかそういうの。
クリームの上にコーヒー味のアイス、その上には黒蜜が掛けられていてかなり美味しいです。
他店舗でも同じものが頼めるので、一度食べてみてください。
そのあとは、夕食をとり、僕らは空路でいざ戻らんホーチミン。でした。
帰りはバスじゃなかったのかと聞かれれば、半ギレで「心が折れたんだよ!」と言い返します。
三回に分けて書いたバンメトートの旅行記も、これにておしまいです。
ベトナム旅行といえば、まずはハノイとホーチミン。
ちょっと掘り下げれば、フエ、ホイアン、ダラット、ニャチャン、ダナン。
僕自身も、塩川兄弟との接点が無ければ、バンメトートの名前を聞くことすら無かったかも知れません。
バイク量も少ないので空気は綺麗で風は爽やか、天候も一年を通して比較的涼しいとのことです。
有名な観光地にもう飽きた在住者の国内旅行や、二度目以降のベトナム旅行にいいかも知れません。
ホーチミンのタンソンニャットとは比較にならないほど綺麗な、バンメトートの空港。
出来て間もないためか?食い入るように飛行機を見る地元の住人と思われし人達。
フードコートを兼ねた半屋外型のラウンジ。
予定していた便が3時間近く遅れたためタダで利用。
想像以上に綺麗でした。
さらばバンメトート!素敵な旅を有難う!!