お土産屋は星の数ほどあるので、陶器や刺繍など色々とあるここで揃えちゃえばいいんじゃないでしょうか。工房では、こういう風に作ってるんだなーととても勉強になりました。質が良いので、大事な家族や友人に是非。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/02/23
お土産屋は星の数ほどあるので、陶器や刺繍など色々とあるここで揃えちゃえばいいんじゃないでしょうか。工房では、こういう風に作ってるんだなーととても勉強になりました。質が良いので、大事な家族や友人に是非。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/02/23
お土産っていいですよね!
お土産は「その土地で産まれたもの」だからその表記。かと思いきや、神社などでの配り物であった「宮笥(みやげ)」に語源があるとも言われているそうです本当です。
サイゴンは観光都市、たくさんのお土産屋があります。
ドンコイ(Dong Khoi)通りに集中しているのですが、そことも接続しているマックティブイ(Mac Thi Buoi)通り。
ここにも小規模ながら、そこそこ集中しているのです。
そのMac Thi Buoiから枝分かれした、一見して入りづらそうなHEM(路地裏)に、
勇気を出して進んでいくと…。
AUTHENTIQUE、というお店があります。
「本物」や「正統的」という意味があるそうです。
このAUTHENTIQUE、移転して規模を縮小したものの、老舗ベトナム観光サイトのベトナムナビでもとりあえず行っとけ!と勧められるほどの有名店らしい。
取り扱うものは、刺繍品と陶器。
ベトナムらしい可愛さが満載です。
個人的にはかなり好みの部類。
観光客なら買ってるかも。
陶器もこの通り。
北部にある陶芸村・バッチャン村のデザインを基調としているそうです。
で、ここは実を言うと、友人の従姉妹がマネージャーをしているお店なんですよね。
最近移転をしたそうで、日本の人に紹介してほしいというお願いを受けたのです。
お世話になっている友人なので断れません、お土産に密着する機会も少ないので行ってみましょう。
ネル「でも、このままじゃ絵力が足りないね」
友人「じゃ、工場に行きましょう」
という訳で行ってきましたよ!(言ってみるもんです)
車に乗って30分、ホーチミン市内のトゥードゥック(Thu Duc)区にある工場です。
AUTHENTIQUEの製品は、全てこの工場で制作しているとのこと。
つまり自前の工場があるってことですが…。
経済体力…あるじゃないっすか!だったら別に…いや、何も言うまい。
左端が友人、その右が乗ってきた車。
従姉妹のお姉さんの運転が荒くて、2%くらいは死ぬんじゃないかと思ってた。
工場は、陶器製品、刺繍製品、そして家具を制作している区画に分かれています。
家具職人は現在とあるホテルの家具制作に駆り出されているのでいないそうです。
まずは陶器製品の区画へ。
謎の、
マネキンが、
反省しています。
これに至っては、
もう完全にホラーです。
シャイニングのジャック・ニコルソンのラストシーンってこんなんだったよね。
陶器もこれだけ並べられると圧巻ですね。
こちらが職人さん達です。
集中してらっしゃいます。
それにしても、
これを焼いたら、
こんな色になるのですから不思議です。
目の前には着色道具、容れ物もまたここの製品。
こちらは違う製品…って、
めっちゃ!めっちゃ音楽聴いとる!!
おかしなことではないんだけど、牧歌的な風景にいきなり現代機器がぶち込まれていると不思議な感じ。
こんな美しい絵柄を、デスメタルとか聴きながら描いていると嫌だなぁ…曲名を聞いときゃ良かった。
他にも、
陶器を磨いていたり、
ろくろ回しで線画を入れている人がいました。
スーッ
ピッ
ピピッ
実にお見事!(そのセンター分けも!)
隅の方には大量の割れた陶器…。
店頭に並ばれたものは、選りすぐりの出来なんですねぇ。
こちらの方は10年になるベテランさん。
ネルソン「得意な絵柄はありますか?」
職人さん「何でも描きます、オーダーによるけど」
ネルソン「この仕事をする上で最も大切なことは?」
職人さん「やっぱり集中ですね。最初からは無理で、日々の集中を重ねるしかありません」
こちらの方は12年、最も経験が長いそうです。
今では職人さん達の管理を任されているのだとか。
ネルソン「ろくろを回す上で最も大切なことは?」
職人さん「動かさない、ということです。ちょっとでも動いたら取り返しがつきません」
ネルソン「さきほど陶器の焼き色を見たのですが、随分違いますよね。あれは想像がつくものですか?」
職人さん「はい。長くやっていると、仕上がりがどうなるのか分かってきますよ」
こちらの方は、入ってまだなんと2ヶ月!22歳の若い女性です。
それにしては、素人目ではベテランさんと変わらないものをつくっているように思える…。
ネルソン「前はどのような仕事を?」
職人さん「レストランの会計です」
ネルソン「どうしてこの仕事に転職したんですか?」
職人さん「慌ただしくないのが、私に合うかなって」
そして、こちらの方は職人さんではなく陶器の絵柄を決めるデザイナーさん。
友人の従姉妹ではないですが、AUTHENTIQUEから共に同行して来ました。
ネルソン 「この仕事を始めるに至った経緯は?」
デ ザイナー「元々は建築デザイナーをしていたんですが、今の仕事に誘われました。ご存知の通り、陶器の絵柄は北部にあるバッチャン村という陶芸の村の、伝統 的な絵柄がモチーフです。それを知った時、私も伝統を守りたいな、自分ならそこにアレンジを加えられるなと思い、ここで働くことを決めました」
これがバッチャン村の伝統的なデザインに、アレンジを加えたもの。
先日私も実際にバッチャン村へ行ってきたのですが、なるほど理解ができます。
こちらの製品はかなり売れたようで、工場に残っていた最後の一個(アウトレット)とのこと。
確かに可愛いですね、これでご飯を食べたら美味しいだろうなぁ。
職人が出払っている家具工場を挟んで…。
隣接している工場が、刺繍製品が作られる場所です。
お邪魔しまーっす…。
建物内に入ると所狭しと積み上げられた製品や素材の数々。
そこで散らばって、職人の皆さんが刺繍をしていました。
ネルソン「ん、これは…」
日本の国旗に…タイの国旗!?
タイはよく分からないけど、もしかして歓迎してくれてるの!?
職人さん「クックッ…フフフッ!」
ネルソン「え?」
職人さん「そ、それね、近所で売ってるアイスに付いてたのよ!」
職人さん「デザインが良いと思って。ほら、そこの壁にも張ってあるでしょ?」
ネルソン「ほんまや…流石はクリエイターというべきか」
という訳で刺繍職人さん勢揃い。
こちらの皆さんが、AUTHENTIQUEの刺繍製品を手作りでつくっています。
建物を出ようとすると、ある女性に遭遇。
話をしてみると、刺繍製品のデザイナーさんでした。
なんだか知ってる雰囲気だなぁと思っていたのですが、腑に落ちました。
日本にいるデザイナーの友人に雰囲気と同じ、志向が同じ人は国が違えど似るんだろうか。
これで見学とインタビューは終了。
時間はお昼に差し掛かり、職人さんの何人かがぞろぞろと中庭へ。
何をしているのかと聞いたら、木に生っている龍眼(果物)を取っていたのでした。
AUTHENTIQUEは、
71/1 Mac thi Buoi, Dist.1, HCMC
にあります。路地に入りますが、冒頭の写真そのまんまです。
ネイティブレベルの英語を話すスタッフさんがいれば、その方がマネージャーです。「べとまるで知った」とでも伝えてください。
安くなるのかって?
はい!
もちろん!
私の株が上がるだけです!