ダナンとフエをむすぶハイヴァン峠。ここを境に、ベトナムの気候や市民性が変わるとも言われています。現在のようにトンネルが開通される以前は山を越えるしかなく、交通の難所であり、それゆえに軍事上の拠点としてしばしば使われました。そんなトーチカ(ミニ要塞?)が今でも見られる、しかもタダ!まぁ、管理してないってことだから、実はけっこう危ないんだけどね…自己責任で。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/12/23
ダナンとフエをむすぶハイヴァン峠。ここを境に、ベトナムの気候や市民性が変わるとも言われています。現在のようにトンネルが開通される以前は山を越えるしかなく、交通の難所であり、それゆえに軍事上の拠点としてしばしば使われました。そんなトーチカ(ミニ要塞?)が今でも見られる、しかもタダ!まぁ、管理してないってことだから、実はけっこう危ないんだけどね…自己責任で。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/12/23
峠っていいですよね!
山のアップダウン(上下)があるから、峠。しかし、地理学的に峠は山に存在しないそうです嘘です。
地理学的ってどういう的よ。
目次
日本もそうだし、どの国でもそこそこの国土の広さがあれば、元をたどれば違う国(集落)だったりしますよね。なので当たり前といえば当たり前なんですが、ベトナムにも地域性はあります。
たとえば方言、以前ベトナムでのウェブメディアが「ハノイ(北部の首都)はピアノ、ホーチミン(南部の最大都市)はヴァイオリン」という比喩を持ち出していましたが、言い換えるならば前者は1音1音が比較的はっきりしてピンポンパンと聴こえて、後者はつながってウネウネと聴こえる、というのだそうです。
ただ、もう方言の範囲に収まらないんじゃねぇかってレベルで、そもそも単語が違ったりします。たとえば「dĩa」は北部ではフォークで、南部ではお皿、したがってお互いがお互いの地域で話したら違うものを出されたというのはよくある話。ましてや、かつては戦争でドンパチしていたところ同士なので少なからずいがみ合いもまだあり、それを「いじめられた」と認識する…こともあるかもしれません。というより、あると思います。これまで双方の出身者から聞いた話をまとめるに。
で、本題。フエとダナンをつなぐハイヴァン峠は、そんなベトナムを分かつ大きな境界だと聞きます。今でこそトンネルがあり何の苦も無く行き来ができますが、かつては難所とされ、そのため戦時にはしばしばトーチカ(端的に言えば小さな要塞…だと思う)が置かれました。気候は山の影響として、人の気質の違いは行き来がむずかしかったゆえ自然と別れていったと考えれば腑に落ちます。
という訳で、北部のフエ方面からハイヴァン峠へ。
写真は途中にあるランコー村の干潟なのですが、ここはベトナム屈指の景勝地で、結婚記念写真の超大人気スポットとして知られています。降りてじっくり見たかったけど、ガッチリ予定のプレスツアーだったのでまた今度(めちゃ揺れる車内で撮ったので斜めになっとるワケです。
そして山道を登って登って…
鮮やかな青の海が見え!
着いた!!
と言いつつ、これめっちゃ上から撮ってるんですけどね。でも着いたと言いながら全体像が分からないのも着いた感がしないので。着いた!と同時にくるくるくるっと前回りしながら高いところへ降り立ったワケではありませんのであしからず。私は人間です。知ってたって人手ェ~挙げて!はい邪魔!手が邪魔!
で、写真をよく見るとお分かりの通り、ハイヴァン峠のトップがサービスエリアみたいな感じになってますね。それもそのはず、トンネルがあるにも関わらずこの道が活かされているということは、立派な観光スポットでもあるということです。時間帯によっては多くの観光バスが停まっており、実際にサービスエリア化してるってことですよね。
実際のところ到着するとこんな景観です。地味ね。奥に見える建造物がさきほどのトーチカで、具体的な年数はわかりませんが、まだグエン王朝がつづいていた頃だと聞きました。ほかにも、コンクリート製のものはインドシナ戦争かベトナム戦争中のものだと聞いています。曖昧ですみません、両方かもしれない。
入口にある看板は相当年季が入っています。好き。
さきほどのトーチカをくぐると…
なんとなくオープンワールドの洋ゲーっぽい雰囲気に。
すみません、ゲームあんまりしません。YouTubeでたまにプレイ動画を見るので、それを思い出したんだと思う。とくにこの夕日のライティング、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドっぽいし。和ゲーじゃねぇか!チョイオイフェスティバル第一回!(チョイオイの意味は各自調べてください。そして、オープンワールドも洋ゲーもわからなければ調べてみてください。このサイトはそういうところあります。)
でもなんかこれは旅人っぽさあるよね。みんなめっちゃ現代(服)だけど。
で、いい場所まで行くと、こ~んな景色が見れます!
サンセットと言わないまでも、けっこういい時間帯だったみたい。
ほら見てざわわ。
ツアーで行こうとすればもちろんその分だけお金はかかりますが、ハイヴァン峠そのものは無料です。無料というか、「おいおい大丈夫か」ってくらいに野ざらしにされています。この感じどこかで見たことあるなって思ったら、ムイネーのホワイトサンドドゥーン(白の砂丘)に近いかも。あれも入口にバギーを借りる施設があるけど、乗らなければ入場料は要らない。つまりいつでも出入りできる観光地のそばに施設があるって構造だからね。三店方式みたいだな、なんとなく(違う気もする)。
長い年月を感じるコケが好き。
歴史好きは楽しいと思うよ。
でも、同じくムイネーのフェアリーストリーム(妖精の渓谷)は最近整備がはじまって、入場料を取るようになったので、ハイヴァン峠ももしかしたらいつかそうなるかもしれません。こっちはこっちで歴史的遺構だから、むしろそうしてくれた方が文化遺産を守る観点からもいいのでは?と個人的には思うけど。
何の前触れもなく牛の親子が散歩していた。
置いてけぼりで焦って追いかける子牛、牛の犬っぽい姿って珍しいのでなんか笑った。
ダッシュ!四駆郎!頭に羽根男!
ベトナム全国に突如現れるペンギン型ゴミ箱、四体も現れるのは珍しい!絶対そんな必要じゃないってここ!
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ハイヴァン峠(Đèo Hải Vân)
住所:Lăng Cô, Thị trấn Lăng Cô, Huyện Phú Lộc, Thừa Thiên Huế