7月19日に公開された、乃木坂46の新曲『ジコチューで行こう!』のMV、これロケ地がダナンとホイアンじゃないですか!しかもけっこう良いとこ行ってる(独断と偏見)。という訳で、だいたい見覚えのある場所だったのでそれぞれのスポットがどんなものでどこにあるのか、紹介してみます。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2018/07/20
7月19日に公開された、乃木坂46の新曲『ジコチューで行こう!』のMV、これロケ地がダナンとホイアンじゃないですか!しかもけっこう良いとこ行ってる(独断と偏見)。という訳で、だいたい見覚えのある場所だったのでそれぞれのスポットがどんなものでどこにあるのか、紹介してみます。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2018/07/20
先日、「ベトナム・ホーチミンを拠点にSGO48というアイドルグループが結成する」と知りまして、へ~!と驚いていたら、海外7グループ目なんですね。インドネシア、タイ、台湾、フィリピン、中国、インド、こうして並べると今回のベトナムは、アジア圏では後発という印象すらする。韓国はK-POPのお膝元なので、日本のアイドルを持っていくことにはハードルが高そうですな。
海外7組目のAKB48姉妹グループ、SGO48がベトナムに誕生 – 音楽ナタリー
で!今日はさらに驚いた。乃木坂46の新曲『ジコチューで行こう!』のMVがね、ダナンとホイアンで撮ってんじゃないですか!へ~!じゃないですよ、どっひゃ~!ですよ。孫悟空も驚いてメディカルマシーンに引きこもり。とくに意味はないたとえでしたすみません。それにSGOの方が正直ビックリ。
海外に住んでいると日本のテレビを観ない分、どうしても日本の世間一般よりも芸能関係はとくに疎くなります。そんな私でも知ってる乃木坂46。すみません、ちょっと嘘です、48だと思ってました。
ベトナム外務省全面協力ということだそうですが、たぶんにそもそもダナン市人民委員会(自治体)が超絶親日的存在なので、それなくして実現しなかった撮影だったでしょう。同じことを他の都市でやるのはツライはず。それにしてもすごいね。SGOの存在を広める意味もあるのかもしれませんが、AKS(AKBの運営グループ)は日本コンテンツとして今後ベトナムと蜜月の関係を結んでいくんでしょうか。
追記(7/20 21:52)乃木坂46はAKSではなくSony Musicの所属だというご指摘をいただきました(でもプロデューサーはAKBと同じ秋元康氏)。誤解していた、大変申し訳ありません…。
目次
という訳で今回は、せっかく私も見たことある場所ばかりということで、『ジコチューで行こう!』のミュージックビデオの舞台を紹介したいと思います。いや、ダナンとホイアンに何度か行った人間としても、ロケ地は定番ではあるのですが、映像の映える良い場所に行かれているなーと感じるんですよね(この入稿の直前にコーディネーターが知り合いだと分かり、ものすごく納得できる方でした)。
ぜひ、乃木坂46のファンの方、たまたまMVを見て良い場所だなぁと思った方、夏休みの予定がまだ未定の方は、最近のクソ暑苦しい(らしい)猛暑日を乗り越えて、ぜひベトナム中部まで涼をとりに来てほしい。暑いと思われがちですが、というか暑いんですが、湿度は低いのでこまめに日陰に入ればむしろ快適です。僕がベトナムで一番好きな場所がダナン…と、あとサパなのでオススメしたく(ふたつだった)。
「ほぼ半年ぶりの更新が便乗企画かよ」という声が聴こえてきそうだけど、いや!もともとダナンのまとめ記事は書こうと思ってたんだよ!疑うつもり!?殴るよ!?殴るぞ!!ズッシリと重いバインチュン(テト限定)で!…なんしかね、手元に写真もあって、そこにこのタイミング、どのみち今パッと書ける人も多くはないと思うので、社会貢献と思って許してーな。それに、更新再開の口火にしたいねん。
では、紹介します。
いちおうYouTubeでの再生位置も表記しますが、同じ場面が入れ替わり差し替わり出てくるので「このタイミングで出てくる場所」という意味でひとつだけに絞りました。
さっそくダナンで一番私が好きな場所です、分かっていらっしゃる。もしかしてべとまる読んだ?冗談です、すみません。北側(海に向かって左側)にはすぐ山があるため、早朝には雲が引っかかったりしてとっても幻想的な雰囲気を出しています。その一方で西側から南側、つまり背後から右側にかけてせっせと高級ホテル建設中なので、シティリゾート感が漂っているというギャップのある景観です。
ここは日の出前に行くのがベスト。沖縄ではそのエグい日射量から地元の人は朝か夕方に海に入ると聞きますが、それは同じ南国のベトナムでも同じです。海沿いにはホテルも多いので、そこに宿を取れば早朝でもアクセスは容易です(ホテルによっては守衛を起こして鍵を開けてもらわないといけませんが)。
MVではほとんど人を見かけませんが、早朝と思われるこの時間帯にはふだん、所狭しと地元の住人で賑わっています。何をしているかといえば、運動。ベトナム建国の父・ホーチミン氏が「おめーら運動しようぜ!(意訳)」と提唱したことにより、ホーおじさんラブのひとびとは大変運動好きで、自然の少ない都市部では公園に運動器具が設置されており、朝6時頃から大勢の男女で賑わっています。
それが海沿いの街・ダナンだと、公園ではなく海になるんですよね。砂浜の足場の悪さを逆に活かして走っていたり、その場で腹筋していたり、あるいは単純に水遊びをしていたり、ビーチ全体に設置されたスピーカーから流れるベトナム歌謡も相まって、とても穏やかな雰囲気が漂っています。
そんなミケビーチの様子はこちらです。
記事はこちら。
そんな普段の光景を知っていることもあって、MVを見たときは「この場所って(撮影用に)人を履けさせて押さえられるんだ!」と驚きでした。あの日の住民たちはどこで運動したのか、個人的には気になります。逆にみんなで沖へ泳ぎに行ってたらシュールで楽しいのでそう思っておきます。
さすがはベトナムでもっともロマンチックな街(個人の感想です)。400年前から残る旧市街の街並みは世界遺産であると同時に天然物のKAWAII、ホイアンでもいろんな場所が登場しています。場所を聞かれると旧市街!としか言えないところもありますが、その中でピンポイントで挙げられるものをご紹介。
ランタンを飾り付けた船がある川です。昼間はメコン地域特有の赤土から茶色く濁って汚く見えるかもしれませんが(見た目通り汚いってことはないと思う、ゴミは割と簡単に捨てられる傾向はあるけど…)、夜になると一変。川沿いの建物に飾り付けられたランタンがそれはもう色とりどりに美しく輝き、トゥボン川はそのきらめきをすべて受け止めて、色彩だけの世界を水上に生み出します。
さきほどロマンチックな街は個人の感想だと言いましたが、この光景こそがその所以であり、実際にベトナムを知る人間(ベトナム人もひっくるめて)に聞けば、半数以上は「ロマンチックな街といえばホイアン」と答えるのではないでしょうか。ハネムーンや恋人との旅行先にオススメです。
乃木坂46メンバーがベトナム料理を食べているところですね。ホイアンの名前を冠する通り、地元を代表する一番大きな市場です。というか、これ以外に屋根付きの市場ってあったっけ?忘れた…。柱を背にコの字でイスに囲まれたお店が並び、その中央にいる店員さんに注文します。南側には商店が並び、ホイアンでしか手に入らないとされる地元名産チリソースのひとつが買えますよ。そのまま持ち帰るとほぼ確実に容器から漏れてひどい目に遭いますけどね(ひどい目に遭いましたけどね)。
ホイアンの麺料理といえばカオラウで、形状はきしめんに近く、ベトナムの麺には珍しくコシがあり、醤油のような濃いめのスープが少量かけられています。そこにレタスと香草と揚げ餅がパリッシャクッモグモグッと…あぁ、食べたくなってきた。なんとこのカオラウ、伊勢うどんにルーツがあると言われています。突拍子もない話でもありません。実は400年前のホイアンは当時あった広南国の重要な国際貿易港『ファイフォ』であり、我々が歴史の授業で学ぶ『朱印船』の寄港先のひとつでもあったのです。
すると、さまざまな人種が集まることも当然、一説によると多いときには1000人近くの日本人が住んでいたとか。その長の商人が現在の伊勢市出身であったため、カオラウのルーツは伊勢うどん説があるんですね。詳しくはデイリーポータルZというサイトで記事にしていますので、ご興味があればどうぞ。
このほか、ホイアンには日本の名残を感じるものが多く、たとえば日本人が設計したといわれる橋があったり(来遠橋。日本橋とも呼ばれ、紙幣のデザインにもなっている)、郊外には400年守られている日本人の墓があったり、資料館には朱印船で持ち込まれた伊万里焼が展示されています。
ナイトマーケット。トゥボン川のシーンで岸に上がるとある市場です。日中はなんでもない(ホイアンの中では)大通りですが、夜になるといそいそと飲食店や雑貨などの屋台が現れ、またランタン屋に明かりが灯され、インスタ映えのパワーゲージが振り切れます。インスタ女子も泡吹いて鼻血ブーです。
トゥボン川と並びホイアンを象徴する風景で、たま~にこのことを知らず夕方にはダナンに戻ってしまう観光客もいるようで(ダナンとホイアンはバスで40分ほどとアクセスが良い)、友人がそんなスケジュールを計画していると分かれば、迷惑と承知の上で夜まで留まってくれるよう促します。それほど、ホイアンに行って夜景を見納めないという行為は考えられないことなのです。
ご存知なら共感いただける方もいるかと思いますが、ダナンの観光スポットとしては少しマニアックですよね!ここを選んだの。個人的には好きですが。さきほどの広南国と同時代にも存在したチャンパ王国。国の歴史はなんと192年から1832年とかなり長い。日本は世界最古の国でありますが、チャンパ王国も存在していれば世界二位の長さだったのです。その文化が集約された場所が、ミーソン聖域。
チャンパ王国はヒンドゥー文明を受け入れているため、専門家でもない限り、その見た目はカンボジアのアンコールワットやタイのアユタヤと同じように映るでしょう。ダナン中心地から1時間から1時間半ほどで、そこそこ離れていますが、見られるものはほとんどふたつ前の写真のような遺跡。あくまで現代的なたとえですが、まさにベトナムの中のカンボジアという印象。アンコールワットはテレビなどでよく知っているかと思うので、歴史を学んで行かないとちょっと退屈するかもしれない。
チャンパ王国の末裔はチャム族と呼ばれ、少数民族として今もなおベトナムで暮らしており(個人的な印象では見た目はカンボジアの多数派民族、クメール人に近い)、ミーソン聖域では一定時間を空けてチャム族伝統の舞踊が見られ、それもまたクメール文明感全開です。3年ほど前に私が行ったときは、異常なまでに息継ぎなしで笛を吹くおじさんがいました。あれってどういうマジックだったんだろ、心のどこかでBGMだと疑いつつも、「人間ってすごいな~」と感心していました。
MVではこの場面でメンバーの衣装が色とりどりになるので、あれ、もしかしてチャム族の民族衣装?と思ったのですが、アオザイも混じっているところから違う…気はします(詳しくはないので断定はできません)。まぁ、民族衣装を着てチャム族伝統の踊りをしないってさすがに違和感ものすごいでしょうしね…わざわざ着物を来てロボットダンス踊るみたいな。あ、まずい、それは見てみたいぞ。
00:57に登場するプールが特徴的なのでかろうじて分かったのですが、フラマリゾート。昨今リゾートホテルが雨後の筍のように開発されているダナンですが、ここはベトナム初の五つ星リゾートホテルという老舗ホテル。椰子のパラソルがある、ミケビーチとはまた趣の違った(小綺麗な)ビーチが出てきますが、あれはフラマリゾートのプライベートビーチでしょう。
ここは五つ星ホテルだけあって私は行ったことがないので(笑)、著作者記載の上で掲載が許可されている写真を載せておきます。Googleで検索すればいくらでもフォトジェニックな写真が出てきますよ!
花火を見ているルーフトップバーは、ノボテル(Novotel)というホテルの屋上にある、SKY36です。ここもお察しの通り、私には縁のない場所なので行ったことはございません。個人的に興味深かった点が、花火。ダナンって二年に一度、世界各地から花火職人を呼んで大会を開催しているんですよね。で、今年は4/30、5/26、6/2,9,30と計5回にも渡って開催されたんですよ(もう「一度」じゃないな)。ってことはですよ、乃木坂46のみなさんはこの日程のどこかで撮影されたんでしょうね。なんとなく、ちょっとした裏側を知れた気分でおもしろかったです。しかしSky36貸し切りって何気にお金掛かりそう。
どうでもいいですが、Novotelの名前を見かける度に「のび太みたいな名前やな」と思っています。
以上です!!
最後の花火大会への力の入れようからも分かる通り、ダナンは観光に力を入れています。都市景観もベトナム全土の中で洗練されている方でしょう。文化的な建築を楽しみたい人には、かえってよくないかもしれませんが、海外旅行馴れしていなかったり、あるいはリゾートを楽しむ前提の人には良いはず。
近隣のホイアン、また今回のMVには登場しませんでしたが、北側へ2時間ほど車で走れば同じく世界遺産の古都・フエがあります(見た目が地味ということもあるけど、ベトナムの前身であるグエン王朝があった場所でまずあそこで撮影許可が下りるとは考えづらいので、それもふくめてなかったことは納得)。
今回のMVはダナンとホイアンのプロモーションとしてもけっこう良い場所を選ばれているなという印象で、正直アイドルにあまり関心がなかった自分でも、そういう意味ではうれしくなりました(「アイドル」とひとくくりにするつもりはないのですが…便宜上ね)。おそらくこれは、多くのベトナム在住日本人や、日本と関わりの深いベトナム人にとっても同じじゃないでしょうか?
いや、「そういう意味では」というのはちょっと嘘かも。この記事を書くために動画を何べんも再生していたので、「かわいいな~なんでこんなかわいいんやろな~」と感じていたことは否めま、せん!
これからはSGO48も活動されることでしょう。ベトナムに長く住んでいる方の間では、比較的若い日本コンテンツの流入に対してはさまざまな受け取り方があるようですが、これをきっかけにベトナムに多くの日本人が関心を寄せてくれることは私はうれしく思います。ダナン、ホイアン、またほかの地方についてはおいおい役立つ感じのまとめ記事でも書こうかと思っています。ネタ的な企画もね。ではではでは。