私はしばらく結婚の予定もないですが(どうでもいいか)、今まさにそういう状況の方もいるかも?
という訳で以前、法人設立について伺ったThong弁護士に婚姻手続きについて聞いてみました。
ベトナムで結婚する場合、公的機関による面接がある!
ネルソン 「ベトナム人との国際結婚というと、歳の差があると出来ないイメージがありますよね」
Thong弁護士 「出来ないという訳ではないですね」
ネルソン 「あれ、勘違いしてた。韓国人男性との結婚後の生活が社会問題になってるとかなんとか」
Thong弁護士 「制限規定があります。韓国のほかに、中国と台湾にも」
ネルソン 「原因は、ドメスティック・バイオレンスなどですか?」
Thong弁護士 「そうです、そもそもブローカーありきの人身売買だったりしますので」
ネルソン 「制限があるけど出来ない訳ではない、これはどういうこと?」
Thong弁護士 「まず、ベトナムで結婚する場合、結婚登録局による面接が行われます」
ネルソン 「え、外国人との結婚の場合?」
Thong弁護士 「いいえ、ベトナム人同士であってもです」
ネルソン 「全員!」
Thong弁護士 「その上で、一部の外国人との結婚は制限が課せられます」
ネルソン 「その一部というのが、韓国、中国、台湾という訳ですか」
Thong弁護士 「はい、外国人との結婚の場合、面接の際に通訳を入れることが可能です」
ネルソン 「日本人との結婚でも?」
Thong弁護士 「可能です。しかし、この三カ国の場合は、通訳を入れられないということなんです」
ネルソン 「さきほどの社会問題もある中で、ベトナム語を話せないと信用しないということですか」
Thong弁護士 「そうなりますね」
近年、ブローカーの仲介による国際結婚が増えている。しかし、容姿や年齢で決めることが多いため、お互いのことをよく知らない上でのカップリングだったり、ベトナム人(女性)側も自身や家族の生活のために報酬をもらって結婚する場合が多く、その後のトラブルが絶えない。ドメスティック・バイオレンスの末に死んでしまうこともあり、ベトナムでも「相手の国に嫁いだあとで物のように扱われる」といった報道がされている。この制限は、そうした状況が反映されたものだと言える。
ネルソン 「それじゃあ、ベトナム人と日本人の場合は難なくスムーズに?」
Thong弁護士 「さきほどの三カ国以外は、基本的にベトナム人同士の結婚の面接と同じです」
ネルソン 「あ、意外ですね」
Thong弁護士 「ただし、男性の年齢が満50歳以上だったり、年齢差が満15歳以上ある場合には審査が厳しくなります」
ネルソン 「厳しくなる?」
Thong弁護士 「提出する資料が増えたり、追加の面談があったりします」
国際結婚で、男性側の年齢が満50歳以上、または夫婦間の年齢差が満15歳以上になる場合、結婚登録局による結婚の真偽を確かめるために複数回面談が行われる場合がある。結婚が偽装や不自然なものではないかどうかを確認するため、両方の結婚相手がお互いの状況を理解しているか話を聞かれる。初回で判断できない場合には、その30日後に改めて二回目のインタビューが行われ、二回目で真偽が確認できない場合には結婚登録は拒否とされる。
ネルソン 「でも、男性が50歳で女性が45歳とか、年齢差もそれほどない場合もあるじゃないですか」
Thong弁護士 「もちろんそういった場合はあまり厳しくなかったりしますよ。ケースバイケースです」
ネルソン 「へぇー。でも、そもそも国際結婚を偽装する背景って、どういうものがあるのでしょう?」
Thong弁護士 「さきほどお話した人身売買や、ベトナム人が海外に住む手段としてです」
ネルソン 「あー、海外に住む手段…なるほど」
Thong弁護士 「はい」
ネルソン 「二回目の面談で結婚登録が拒否された場合、二度と結婚は出来ないということですか?」
Thong弁護士 「半年後に可能ですよ」
ネルソン 「それ、粘ったら何とかなるって感じだな」
面接で聞かれる内容は?
ネルソン 「一言でインタビューと言ってもいろいろある訳ですが、どういう内容なんでしょう?」
Thong弁護士 「たとえば、出会った時期や、いつからお互いが好きになったか、婚姻を決めた時期について、二人の認識が合っているかです」
ネルソン 「なんだかそういうバラエティ番組みたい」
Thong弁護士 「ほかにも、お互いの家族の状況や、仕事、趣味、結婚について両家の家族は同意か反対か…など」
ネルソン 「想像以上にシッカリと聞かれるものなんですね」
Thong弁護士 「両家の家族で撮影した写真や動画、手紙なども提出する必要がありますよ。披露宴をすでに開いている場合には、当日の写真や招待状や、ほかに領収書なども提出した方がベターです」
ネルソン 「領収書て!ま、そこまでやっておいて嘘ですってのは無いですもんね」
Thong弁護士 「ベトナムでは結婚手続きに時間が掛かることもあるので、結婚式を先に行うケースが多いんですよ」
ネルソン 「そういうものなんだ」
外国人の婚姻届における新たな規制
Thong弁護士 「今年の5月15日に新たな政令が出され、取り決めごとが変わりました」
ネルソン 「厳しくなったんですか?」
Thong弁護士 「むしろその逆と言えます。以前は2部必要だった書類が1部になり、書類提出時に必須だった夫婦二人の出席が一人でも可能となりました。ほかにも、インタビューの回数が一回から二回に変更されています」
ネルソン 「じゃあ、二回のインタビューは最近になって変わった話なんですね」
Thong弁護士 「そうですね」
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べとまるを読まれている方の中には、ベトナムに住まれている方や日本でベトナム人の友人と関わりのある方も多いので、もしかしたら本当に役立つ情報かもしれないな、という思いもあって今回の記事を公開致しました。是非ご参考までに。
また、こちらはあくまでベトナムにおける婚姻届の提出方法です。
日本側で行う場合は、全く変わってくるものだと思います(これは想像)。
最後に、婚姻届提出時に必要となる資料はこちら。
ベトナム人:IDカードの公証コピー+戸籍謄本、独身証明書、精神鑑定証明書、4cm*8cmの顔写真8枚
外国人: パスポート公証コピー、独身証明書、精神鑑定証明書、4cm*8cmの顔写真8枚
※離婚経験者は、離婚証明も提出すること。
具体的な実務をお願いしたい、という方は下記のお問い合わせフォームよりH2弁護士事務所へどうぞ~。