チキンライスというべき料理はいろんな国にあります。海南鶏飯も、カオマンガイも、奄美の鶏飯もそうですね。ベトナムもしかり。ホイアンのコムガーが有名ですが、今回はそうではない!ダナンのコムガーをご紹介。見た目はシンプルですが、パリパリッとした皮とプリプリッとした鶏肉がたまりません!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2020/01/05
チキンライスというべき料理はいろんな国にあります。海南鶏飯も、カオマンガイも、奄美の鶏飯もそうですね。ベトナムもしかり。ホイアンのコムガーが有名ですが、今回はそうではない!ダナンのコムガーをご紹介。見た目はシンプルですが、パリパリッとした皮とプリプリッとした鶏肉がたまりません!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2020/01/05
チキンライスっていいですよね!
日本でチキンライスといえばオムライスの中身のあのケチャップライスを想像しますが、その発祥は明治の日本海軍で、ビタミンC摂取のためにトマトを細かく刻んで混ぜ込んだ炊きごはんがはじまり。それが転じて保存性に優れたトマトケチャップを使うようになったそうです嘘です。
トマトでビタミンCが摂れるかどうかもわかりません。
※この記事は動画でもまとめています。
目次
チキンライス。
日本語にすると「鶏飯」になるワケですが、これに該当する…つまり鶏肉と米を使った料理は世界各地にあります。日本にも奄美の鶏飯がありますが、タイにはカオマンガイがあり、中華圏には海南チキンライスがありますね。カオちゃんは海南くんがルーツとも言われていますが。
同じアジア圏なだけあってベトナムにもあり、代表的なものはホイアンのコムガーです。コムはライスで、ガーはチキン、なのでまんま「チキンライス」と言ってもよいでしょう。ちなみにカオマンガイも直訳するとそうなのだとか。
ターメリックと鶏から取っただし汁で黄色く炊いたご飯に、裂かれたチキン、オニオンの酢漬け、香草、チリソース、などがのっています(写真はチリソースかける前だけど)。ホーチミン市でも食べられるので、きっとハノイでも食べられるのでしょうけど、やっぱり本場ホイアンが一番おいしいと思う。
が、今回はそれではない!!
ホイアンの方もいずれ記事にするとは思いますが…今から書くものは、ダナンのコムガーです。
それを食べられるお店がこちら、”Cơm Gà A Hải“というお店。
いつ見ても、変わった店名だ。カタカナで書くと「アーハイ」と、無関心な人の返事みたいになるのですが、同じどころか似たような店名はこれまで一度も聞いたことがありません。通りの番地にAが入ってるってワケでもないんだけどなぁ。
以前ダナン名物汁なし麺のミークアンについて書いた記事で「人気店はランチタイム以外もやっていることが多い」と書いたのですが、このコムガー店についても同じことが当てはまります。多少時間をずらしたところで、必ずお客さんがいる場所です。
軒先ではひっきりなしに鶏肉の仕込みをしており、
ガッシャガシャと鍋でなにがしかを炒めております。
ピースサインしてくれた、優しいなアンタ…。
ここのチキン系メニューは、調理(”Gà”=鶏肉を…”quay”=ロースト、”luộc”=茹で、”xé”=裂いたやつ)によって値段がまちまちで、”Gà xé”(鶏肉裂いたやつ)がホイアン式のコムガーになります。価格を載せてあとから違った!更新しろ!地獄に落ちろ!と言われるのもいやなので(言われたことないけど)、載せません。自分で調べてね。ひと皿5万ドン(およそ250円)前後とだけ。
で、Google Mapsあたりで調べてみるとみんなその、ホイアン式コムガーの写真ばかりアップしているので、さぞかしおいしいとは思うんですが…やっぱりホイアンコムガーはホイアンで食べてもらいたい!というか、それはそれで紹介したい店があるのです。ので~~。
あたくし的にはこれを推します!
“Gà quay”、つまりローストチキン(ライス)です。
なんかもう、うまそすぎてエロくないですか!?
チキンライスがエロいと思ったの、後にも先もこれだけですよ。そして堂々とした鶏モモ肉よ、もはやデカすぎてライスが死角ですからね。ワンプレートの上で死角って概念、はじめてだよおれ!?
ちなみに全体的にオレンジ色なのは、Gấcという果物によって下ごしらえをしているためだそうです。っていうことが、ダナン観光案内所というサイトさんで書かれていました。ちゃんと調べて、えらいな~。
あ~、ずっと見てられるわ…。
寄りの写真はこちら。
パリパリしてんだろうな~!
ぷりぷりしてんだろうな~!
という期待感がふくらむし、実際こやつはそれに大いに応えてくれます。
が、実はこれは別日に撮った写真で、今回ちゃんと機材を携えて撮りに行ったときは…
こんなんでした。
う、うん。
もちろんおいしさは変わりないのですが、ヴィジュアル的なエロさが日により増減することは否めません。どうしてもパリパリぷりぷりの最高コンディションで!って人は、ここの写真を事前に見せて「分かってるよね!?」と強調しましょう。フリだと思って期待を裏切ってくれるでしょう。知らんけど。
付いてくるスープもダシがシッカリとれていてめちゃうまです。
これはチリソース、お好みでどうぞ。
ほんじゃま!
スプーンとフォークをシッカリと拭いて~!(ベトナムローカル店の習慣です)
器用に切り分け…
られませぬッ!!
鶏肉とはかぶりつくものだ、かの陸軍将軍・乃木希典もそう至言を残しています。これは嘘です。
で、味はというと、最高です。でもなんでも最高としか言わないとバカだと思われるのでもう少し言葉を足すと、もう炙ったというか揚げたくらいの皮はパリッパリ!で、そこにガブリ!と噛みついた途端に、歯から噴き出したと錯覚するほどのジュワワッ!!とあふれる肉汁。その発信源は白肌のような鶏肉、ぷりっぷりもいいとこで、うまみ成分の塊のごとし。つまり、最高です(最終的にバカになった)。
こいつは鶏肉、焼き魚のようにホロホロッととれる身でもないし、ましてやフォークが用意されているワケでもないので、これはもうかぶりつけという暗黙のルールなのかもしれません。その点で、たとえばカップル旅行なんかで「思いっきり大口開けて食べるのは抵抗がある」という場合には一考の余地ありかもしれませんが、マジウマなのは主張しておきます。なによりもこの!
チキン!ライス!スープ!の三角食べがもう天国行きの片道切符!!
一見するとそういう、食べ続けないといけない拷問を受けているのように見えますが、ふつうにおいしくて食べている光景です。というより、三枚の写真を使ったループgifです(それは誰の目にも明らか)。
っていうか、片道切符じゃ死んじゃうな。
ダナンにも、ミークアン、バインセオ、などなど、いろんな名物料理があり、いずれもクセは少なめのように思いますが、中でもこのコムガーはチキンとライスという日本人にも親しんだ食材ということで、もっともハードルが低いように思います。というより、アレルギーとかでなければ問題はないのではないでしょうか。詳しくないので断言できませんが。
オーダーをとる店員は若いお兄ちゃんが多く(家族経営かなぁ)、英語対応は期待しない方がいいのですが、ここで、牛肉、豚肉、海鮮系の料理を頼むって人もいないだろうし、そうなると必然的に前述した、”quay”=ロースト、”luộc”=茹で、”xé”=裂いたやつ、の三択です。まー写真を見せれば一発なので、よかったら本記事中のやつ見せちゃってください。
外国人のお客さんの大半が、このGà quayを頼んでいる気もするけども。
帰り際、Grab Food(日本でいうUber Eatsみたいなの)の料理待ちがすごかった。なにげにこれも人気店の指標のひとつになりますね。たまたま通りがかった店で彼らが集まってることで、人気店を見つけたというパターンもあります。
ちなみに、奄美の鶏飯、タイのカオマンガイ、ベトナムのホイアン式コムガーをまとめた、「俺が決めたぜ”世界三大鶏飯”を」という記事をデイリーポータルZというサイトで書いています。お暇なときがあればぜひお読みください。
Cơm gà A Hải
住所:100 Thái Phiên, Phước Ninh, Hải Châu, Đà Nẵng
記事の写真と動画はDJI製品の”Osmo Pocket”で撮ってます、興味あったら買ってくれよな!(正直)