バインベオはフエ料理、それは華やかで味の濃い宮廷料理がルーツと言われています。つまり古都フエが本場というワケですが、中部旅行はダナンが起点になりがち。しかし!ちゃんと!ダナンでもおいしいバインベオが食べられますよ~。今回はそんなバインベオ料理店を紹介します。ベオ以外もご賞味あれ!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2020/01/02
バインベオはフエ料理、それは華やかで味の濃い宮廷料理がルーツと言われています。つまり古都フエが本場というワケですが、中部旅行はダナンが起点になりがち。しかし!ちゃんと!ダナンでもおいしいバインベオが食べられますよ~。今回はそんなバインベオ料理店を紹介します。ベオ以外もご賞味あれ!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2020/01/02
妖怪人間っていいですよね!
ベム、ベラ、ベロ、の三匹(匹?)の人間になりたい妖怪が繰り広げる悲哀のアニメ、妖怪人間ベム。いちおう、ベルもいるそうです嘘です。
※この記事は動画でもまとめています。
目次
ベムでもベラでもベロでも、ましてやベルでもない、ベオ。妖怪人間ベオ…じゃなくってですね、バインベオ。米粉を溶いた水を蒸して、肉でんぶやエビのすり身などをのせた、おいしく、見た目にもかわいらしい料理です。
おいしそーね!
バインベオはフエ料理。フエは、ダナンから北へ車で二時間半ほど走った先にある古都。ベトナム最後の王朝グエン王朝の王宮があった場所で、日本でたとえると平城京のあった奈良に近いかもしれません。
「古都なら京都じゃないの」という声も聴こえてきそうですが、あの地方都市らしさ全開ののどかな空気を踏まえるとやっぱり奈良かなと。グエン王朝があったのは、1945年までとわりと最近ですけどね。平城京は784年までだから。ちなみに以前、ベトナム各都市を日本でたとえるというアンケート企画を行ったので、興味がある人はぜひご覧ください。
で、バインベオはフエ料理と申しましたが、もっといえば宮廷料理がルーツといわれています。見た目に華やかなことも、また味付けが濃いめ(といわれる)ことも、そうした背景があるからだとか。
ただそんなフエ、あくまで主観ですがー、中部地方においては存在感が薄め。
というより、同じ中部なら、今となってはダナンとホイアンが強すぎて強すぎて。
ダナ~ン!
ホイア~ン!
フエという街は、ベトナム戦争をテレビなどを通してリアルタイムに知っている世代の方には、「テト攻勢」というベトナム民主共和国(現在のベトナム)の勝利に大きく影響した戦いの舞台となったので知られていると思うのですが、基本的に見どころはグエン王朝の建造物群なので、見た目には地味めです。
中部旅行は、日本との直行便もあるダナンが起点になることが多く、北へ二時間半かけてフエ、南へ40分ほどかけてホイアン…。となると、同じ世界遺産で、かつ写真映えもする後者へ人は流れがち。
まぁ、フエの道中にはハイヴァン峠も越えるし(トンネルを抜けなければ)、越えてすぐのところにあるランコー村の干潟はそれこそ「ベトナムのウユニ塩湖」とも言うべき、ベトナムの結婚写真の超絶定番人気スポットとなっている。ので、いくらでも楽しみようはあるんですけどね~。
前置きが長すぎましたが、整理すると、
フエ料理のバインベオがおいしい。
でも中部旅行はダナンが起点でフエはちょっと行きづらい。
でもご安心めされよ。
ダナンでもおいしいバインベオが食べられます。
それがこちら、Banh Beo Ba Be(バインベオバーべー)さん。
よく見たら頭文字Bが四回もつづいてますね、というワケで以降は”4B“と呼びましょう。鉛筆ならめっちゃ濃いやつ。さわったこともない。SEO的にはちゃんと店名を連呼した方がいいんでしょうけど、この際無視です、どの際か分からないけど。だから今のうちに書いとくよ。
Banh Beo Ba Be~!
Banh Beo Ba Be~!!
Banh Beo Ba Be~!!!
よし、SEO対策終了(ぜったい間違えてる)。
さていきましょう!4Bの紹介です。
外観からもお分かりかと思いますが、ローカルです。プラスチック製の椅子に座って待ちますよ。
ただローカルって地元という意味なので、なんというか、「いうほど外国人向けじゃない」ってことですね。ただ口コミ評価は高く、確実に名店です。んで、さっきからバインベオバインベオいうとりますが、ここでの「バイン」は米粉を水で溶いたものを指し、その変化形のメニューも豊富にあります。
それは分かりやすく…。
お店の壁に、
写真付きで、
このように、
かけられている。
うひゃ~!わかりやすいっぞ!
思いつきで書いたら下手クソな悟空の真似みたいになった。
調理場にはタレが。茶色がかったオレンジ色って謎にうまそう。
店員さん「何食べんの~?」
私「あー、ひと皿おいくらですかね?」
店員さん「なんやあんた、外国人か!セットあるでセット」
私「ほなそれで!」
というフィーリング手話(身振り手振り)でのやりとりがありました。つまり、日本語は当たり前ですが、英語も通じるとは思わない方がいいです。ダナンはそういうところがまだあるのが、人によってはいいところだし、人によってはよくないところ。だから指差しでも頼めるようにデカデカと写真があるのかもしれないけど。それにとても親切です。
で、
ドン!
来ました~バイン兄弟セットでおまんす~。
皿に乗っているもの、左上から時計回りで、「BAN RAM IT」、「BANH UOT」、「BANH NAM」、「BANH LOC」。基本的にはどれも水で溶いた米粉で、製法が違うだけ材料はほぼ同じ。さきほどのタレに、干しエビ・エビのすり身・肉でんぶなどが使われ、小ネギとフライドオニオンが散らされている。そして長方形のお皿に乗っているものが「CHA NEM」、あとで中身を見せますが、ソーセージです。
この通り材料は似ているので、口の中に入れてしまえば同じ…というと身も蓋もない言い方だけど、その食感のバラエティを楽しむ一皿とも言えます。まぁ、その食感もひっくるめて味かもしれませんが!
ここで勘のいい人ならここである事実にお気づきかもしれませんが、それは最後に…。
そんなバイン兄弟の味を引き立てるものが…
このタレ!さきほどのオレンジ色のものとは違い、こちらはあとがけ。
ヌクマム(魚醤)ベースに、おそらく酢・唐辛子・ニンニクを加えてあまじょっぱく仕上げております。ヌクマムはしばしばクサイという人もいますが、これはものすごーく引き伸ばされているのでそんなこともない。というより、できたての(少なくともフーコック島という特産地で口にした高級の…)ヌクマムは臭みもなくおいしかったです。臭い(におい)は、単に劣化した結果なのよね。
これをピッと回しかけ…てもよし、かけなくてもよし!
これはバインウット(BANH UOT)で、生地をシート状にしたもの。
日本食で無理やりたとえるなら、めちゃくちゃ幅広なきしめん、あるいはめちゃくちゃ分厚い湯葉みたいなやつです。どっちに転んでもめちゃくちゃです。いや、ディスってるワケじゃなくて。
いただき…
カメラ確認 ※使いはじめだったので不安でした
ます!
っまぁぁぁあああ!!
モチモチとした生地を、さきほどのタレがコーティング、ツルツルッという滑らかさを生み出し、舌の上でおっとっと!転がります。砕いた干しエビと肉でんぶのうま味を、酢とヌクマムを合わせたタレがキュッと引き締め、まーうまい。ほんとうまい。最終的に「うまい」という三文字に落ち着いちゃう。
これはバインラム(BANH RAM)で、モチモチとした生地と、
カリッと揚げた生地をドッキングした変わり種。
変わり種といってもフエ料理としてはメジャーですが、同じ生地ながらモチモチカリカリという真逆の食感を組み合わせた料理は、ベトナム料理はもちろん、日本食でもあたしゃ知らないね。知ってる、という方はそんな無知なわたくしをご笑和ください!
いただき…
カメラ確認 ※使いはじめだったので不安でした
ます!
っまぁぁぁあああ!!
思わず白目を剥くほどおいしいです(単に開きかけの瞬間なだけです)。
そしてこのちまきのようなものは「CHA NEM」という…
豚ソーセージ(たぶん)。
これについてはバイン兄弟とは違って、おつまみ枠というべきか。中には黒コショウが入っており、酒のつまみには最高です。というより、実際酒のつまみになってんじゃないかな。
ひとつひとつは小さいけど、これだけ種類が乗っていればお腹いっぱい!これでお会計は4万ドン(およそ200円)くらいだったので、ずいぶんお得!持つべきは、舌に合うローカル料理店の情報よ。
で、勘のいい人ならお気づきかも…と書いた話ですが、よく考えたらバインベオ食べてなかった。
もう一度言います。
バインベオ食べてなかったわ。
あっちゃ~。あれだけバインベオの話をしたのに。これだけ店名にバインベオが入っているのに。
が、お店の人のオススメメニューを食べたので、よしとしよう。よしとしようね?ね…??すみません!でも、バインベオもあるし(前回食べた)、確かにおいしいので、プラスチック製イスなんてCHA-LA HEAD-CHA-LA!!(ちゃらへっちゃら)という人はぜひぜひ行ってください。そもそも、プライスがダメって人はこのサイトは見ていなさそうだけど。
あ、あと、4Bも最初しか言ってなかったな。
バインベオバーべー(Bánh bèo Bà Bé)
住所:100 Hoàng Văn Thụ, Phước Ninh, Hải Châu, Đà Nẵng
記事の写真と動画はDJI製品の”Osmo Pocket”で撮ってます、興味あったら買ってくれよな!(正直)