台湾が50年間日本だったという歴史は、教科書を開くより総督府を見学するより、ここを訪れるのが手っ取り早いです。日本語と台湾語が混じっているけど昭和臭がとんでもない、とても不思議な違和感を覚えるはず。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/02/06
台湾が50年間日本だったという歴史は、教科書を開くより総督府を見学するより、ここを訪れるのが手っ取り早いです。日本語と台湾語が混じっているけど昭和臭がとんでもない、とても不思議な違和感を覚えるはず。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2014/02/06
昭和っていいですよね!
大正天皇が崩御し、次の年号が昭和に決まる際、他に検討されていたものに「神化」「元化」「同和」「継明」「順明」「明保」「寛安」「元安」「成威」があったそうです嘘です。
微妙に、「成威」だけ今考えました。
今回は、以前のレインボーヴィレッジに続いて台湾旅行のお蔵出しシリーズです。
台中にある、『バナナパラダイス(香蕉新樂園)』というレストランをご紹介します。
バナナパラダイスと聞いて色々なバナナが食べるのかと思いきや、全くそんなことはありません。
ちなみにGoogleで検索すると…いかがわしいものばかり出てくるので良い子はやめとけ絶対に。
俺がリアルに親御さんから怒られる。
さて、一言で言うと、1960,70年代の台湾の街並みを再現したレストランです。
名前の由来は、バナナはかつて台湾の主要な農産物だったことと、湾曲している形が台湾に似ているというところかららしい。
これがもう、何処からどう見ても昭和ですやん!という内容なのです。ご覧あれ。
向かった時間帯は夜でした。
早速、入口そばには当時活躍していた電車が展示されています。
『月台』という言葉は中華圏では『プラットホーム』を意味します。
由来は諸説ありますが、電車に乗るために高い位置にする必要があった、そのため周りに遮るものが何も無かった、よって『月台』と名付けられた…とも言われています。
なんとなく、銀河鉄道999を思い浮かべる、ロマンチックな響きです。
見たことはないけど。
この電車には中に入ることも可能で、そこはちょっとした博物館。
この辺りから少しずつ、昭和の日本を感じさせます。
というよりは、思いっきり『とよはら』と(右から左読みで)日本語が書かれていますね。
それもそのはず、台湾は1895年から1945年に至るまでは日本の統治による日本だった時代。
もしかしたら、若い人なら日本語が話せても台湾語が話せなくとも不思議じゃなかったかもしれません。
電車内に掲示されているポスターも、昔の日本のそのままです。
果汁と書かれている辺りから、ジュースの宣伝のようですね。
そして、ここがバナナパラダイス!
1960,70年代の台湾を再現しているレストランです。
客席を囲むように当時のありとあらゆるものが展示されています。
ちなみにこの時、店員さんから、日本人だと分かると『ここはレストランだぞ』と言われました。
なるほど納得、この展示物を見ていると博物館だと勘違いしてスルスル入っていきそうです。
知ってるぜ!食べに来たんだぜ!と言ったらすんなり通してくれました。
台湾は50年間の日本時代を経て、太平洋戦争の日本敗戦と共に中華民国に編成されました。
ここはその直前の時代にも当たるため、戦争関連のポスターも目立ちます。
当時の歯医者にあった設備が丸々あります。
台湾へは、サトちゃんも渡っていたようです。
ものすげーいかちぃ校長だ…太平洋戦争の二年前かぁ。
『幼稚園』の歴史ってすごいですね。
こうした教育関係のものは、やはり日本語が多いようです。
『ALWAYS 三丁目の夕日』を思い浮かべるグッズばかり。
スペースの一角に押し詰められた骨董品の数々。
これ、ひっくるめたらそこそこ良い値がつくんじゃないの。
そして、このバナナパラダイスで必見なのは…映画のポスター!
もう、
まさしく、
日活の世界。
これほどまでにかつての日本に酷似した文化を、台湾以外の外国でお目に掛かれるでしょうか。
こうしたサブカルチャーにおいても日本が及ぼした影響は色濃かったようです。
台湾へ行った友人からは、『街並が日本と変わらない』という声をよく聞きます。
交通インフラから、コンビニから、ビルから何まで。
それもこうして昔の台湾を伺い知れると納得です。
そりゃ、戦後まで50年間に至るまで日本だったのだから、その後の路線もほとんど似るだろう。
三つ子の魂百まで、という言葉を思い出しました。
まぁ、日本統治以前にはまた違う文化だった訳だけど。
この時の台湾訪問は二度目だったのだけど、現地のことは直接行かないと分からないと感じます。
台湾旅行というとどうしても台北に集中しているためか、ここ台中以南はいまいち注目度が低い。
バナナパラダイス。今や映画などで若い世代にとっても身近になった昭和を、まさかの台湾で味わえる素敵なレストランです。
ちなみにカメラの充電が瀕死状態だったので料理の写真は一枚だけ…。
ラードの掛かったご飯、です。
何もこういったものばかりではなく、当時の庶民メシを再現したものなのであしからず!笑
他にも豚キムチとかとんかつとか、それこそめちゃくちゃ日本料理がありますよ。値段はお手頃だったはず。
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名前:バナナパラダイス(香蕉新樂園)
住所:台中市双十路二段111-1号
タクシーで台中駅から15分程度
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