みなさん、サイゴン(ホーチミン市)の街を歩いてますか~!?え?暑くて??雨降るし???無理だよ????バッキャロウが!!夜に歩けばいいだろが!それに比較的治安も良いサイゴンの街並み、真夜中だからこそ歩いて見えてくる景色というものがございます。いつもと違う世界へようこそい。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/05/24
みなさん、サイゴン(ホーチミン市)の街を歩いてますか~!?え?暑くて??雨降るし???無理だよ????バッキャロウが!!夜に歩けばいいだろが!それに比較的治安も良いサイゴンの街並み、真夜中だからこそ歩いて見えてくる景色というものがございます。いつもと違う世界へようこそい。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/05/24
丑の刻まいりっていいですよね!
丑の刻は深夜二時と言われていますが、実際は2:15~3:20の一時間と五分を指します。この五分、五寸釘の五とも掛けられておりましてって嘘です。嘘ですよ。
目次
ベトナムにしろどこにしろ、海外旅行時に気になるのが「治安」ですよね。
8年前に旅行でパリに行ったとき、ほぼ住んでいると言ってもいい友人に案内してもらって、「うわ~これがミッドナイト・イン・パリか~」なんてはしゃいでいたら、「深夜のパリは危ないから気をつけて」と言われた途端に借りてきた猫のように黙りこくってしまったことがあります。その言葉ひとつでシャンゼリゼ通りが猛獣うごめくジャングルに見えたよ。人ってふしぎ。在住者が言う説得力って半端ない。
日本ほどでないにしろ、ベトナムの治安もなかなか良いです。深夜でもまぁまぁ、オススメまではしませんが(責任持てないから)。そもそもベトナム人には大都会・ホーチミンシティにおいても早寝早起きが基本という、まるで健全な小学生のような暮らしっぷりで過ごす人が多い。なんなら都市部では朝5時台からふつうに車やバイクが走っており、街中の公園には運動で汗を流す老若男女で溢れ返っております。
筋トレに、バドミントンなど。中には「それどこで習ったの?」とふしぎな動きの体操を見せる人もおり、あまりにもみんなバラバラなもので、きっと一子相伝なのだろうと勝手に想像しています。あまり長時間見てはいけません、惑わされて仲間を攻撃してしまう系のモンスターかもしれない(ドラクエ脳)。
しかしながらこの4~5年で状況は一変!24時間営業のマクドナルドのオープンがきっかけだったと思いますが、同じく深夜でも開いているカフェやコンビニが増えてきて、またひとびとの暮らしに余裕が生まれたこともあってか、大きくライフスタイルが変わってきました。つまり、なにが言いたいかってーと!
深夜でも!
ひとびとが!!
街にちらほらいるんですなあぁ~~!!!
ぁああよいしょーーーい!!!
すみません、勢いが余ってしまいました。
という訳でこんばんは、ネルソン水嶋です。
最近あまり顔を出さないのは白髪が生えたり●ゲてきたからではなく、単にひとりきりで撮影することが増えたからです。今現在ダナンに拠点を構えているので、「時間あるときに手伝ってもいいよ!」という人募集中です。お礼?今かけてる眼鏡をあげよう。すまない思いつきだ。俺が困る。
そしてなにかしかめっ面だなぁと思われた方は大正解。炭水化物ダイエット中なのにベトナムでは何を食べても白米か米粉麺にぶちあたるから…という生々しい事情ではなくて(実話っちゃ実話)、ただただストレートに眠いのです。しかしそれでも我慢しなければなりません、なぜならばね。
今夜の企画は深夜のサイゴンを撮りたいからだ。
時計もちょうど24時を指しています。でも気分は楽、なぜならこの企画最大の関門は「撮影開始まで寝ないこと」だったから。カフェで何度か寝落ちしそうになりましたが。わりと治安の良いベトナムとはいえ、外で爆睡してたら追い剥ぎされても文句言えないですからね。と書いたけど外で爆睡してる人けっこういるよな。ハンモックで寝てる守衛とか。あれ今度企画でやってみようかな、守らない守衛。やだなんかカッコいい、「打たない棋士」「書かないライター」「走らないタクシー」みたい。無職じゃん!
あと、いまさらですが、毛深い腕ですみません。大学生の頃に母親から「あんた…脱毛しない?」と言われたことも今では良き思い出です。ずっと言いたかったんでしょうね。ちょちょちょ、遺伝子に言って!
では、行きましょう。
みんなだいすき!統一会堂からスタートです。
ノリでだいすき!とか言ってみましたが、ここに好きも嫌いも特別な感情を持ってる人は少ないだろう。だってお金払わないと入れないから、市民の憩いの場って訳じゃあない。ただ在住者あるあるで、「観光客が来るたびに案内する」という感じでめちゃくちゃ行ってる人はいるだろね。俺も4回は来てる。
いつもは若者たちで賑わっている4月30日公園も、夜だとたまに車やバイクが突っ切るくらい。
ちなみに急に2019年4月30日のことを振り返った訳ではなく、この公園の名前が『4月30日公園』なんです。ベトナムの地名や通り名は、偉人や記念日、なにかのイベントごとが命名される場合が多いからね。なお9区の住宅地に行けば『アインシュタイン通り』という道があります。ちょっとレア(?)です。なぜかそこにある鳥居を取材したことがありました。もう4年半前だー、この記事ね。
2019年4月30日のことを振り返ったら日本人はたいてい平成・令和関連になっちゃうな。
この白線は、朝ここでバドミントンをする人たちのために引かれたものです。さみしげだなぁ、と言いながら朝しか使われないんですけどね。
サイゴン大聖堂もずっと改装中で、周りにはレンガ風の囲いがされています。写真に写る光線はタクシーのライトを遅めのシャッタースピードで撮ったもの。そう、ずっとこれ撮ってみたかった。もはやこれが撮れた時点でこの企画の半分は終了といえます(半分は冗談です)。
サイゴン大聖堂…人がいないとぜんぜん雰囲気が変わります。このマリア像、いつもは人が入れ替わり立ち替わる撮影スポット化しているのですが、こうしてだれもおらず静謐な雰囲気の中にあると、本来持っている厳かさというか、神々しさっていうんでしょうか。感じられますよね。
真正面から撮ってもよき感じ。
サイゴンの定番観光スポットはドンコイ(Dong Khoi)通りに集約されており、先の統一会堂、今目の前にあるサイゴン大聖堂、それに加えてサイゴン中央郵便局とオペラハウスもすぐに見ることができます。最後のオペラハウスだけが少し歩いた場所にありますが、大聖堂に向かって右を見れば…。
この通り、サイゴン中央郵便局のお目見えですな。
ここまで来ると、「へ~人気観光地も夜だと静かだなぁ」くらいの感想しか持たれないと思うんですが、冒頭で書いた通り、最近は若者を中心としてナイトライフを楽しむひとびとが増えています。それがこの企画の肝みたいなもんですよ。だってその証拠に…ほら!
ゴミ!
ゴミゴミ~!!
ゴミゴミゴミ~~!!!
と、あんまり言うと性格が悪いか。というか、子ども向け特撮番組に出てきそうな環境破壊系の怪人っぽいな(攻撃方法は「ヘドロを飛ばして汚染する」)。つまりは何が言いたいかっていうとこういうこと。
ほら!
若者たちがダベってるんですよ…!!
「なにそれふつうじゃん」と思うことなかれ。日本でなら相当の田舎でもない限り、そのへんのコンビニにでも行けば若者がたむろしてるってもんですが(LINEとかで逆に減ったかもな)、この数年までここ大都会ホーチミンシティにおいてもそんな景色は少なかったんですよね!私が住みはじめた2011年なんてそりゃ、夜10時にもなれば不良外国人くらいしか出歩いてなかったですから(べつに不良じゃないが)。
ま、でも、ゴミは片付けたまえよ。掃除屋さんがいるから放置してるんだろうけどなー。
さて、そんな観光エリアから、ドンコイ通りに沿って南へ下ります。
ちょうど郵便局からオペラハウスへ向かうルートです。
途中、ヴィンコムセンターが。
俺がベトナムに来たときにあったかなー、なかったかなー、ちょうどそんな時期にオープンしたデパートでしたね。いずれにしろまだできて間もなかったことは確かで、在住日本人の間でも歓迎されていましたが、イオンができて、高島屋ができて、と、徐々に存在感が小さくなっていった印象があります。
しかしこの明かりの付いている場所にはZARAが入っておりまして!ベトナム一号店がここだったはず。「え、24時間以降もやってるの?」というとそんな訳もなく。防犯に明るくしているのです。私の祖父母の家は田舎の方で、外出時は同じようにしていましたが、ちょうどそんな感じですね(規模が違う)。
シャッター閉めれば解決じゃないか、と言われればまったくもってその通りですが、これだけ巨大な、かつガラス張りのお店となると、逆に明るくすることで目立っておいた方が防犯効果が高い&コストが低いんだと思います。こういった姿勢から、その国での当たり前が見えてきますよね。
防犯の話といえば、5年くらい前かな、サイゴンでは「トリモチ強盗」が流行っていました。なんだそれは、トリモチを盗むのかって話なんですが、むしろ逆で。部屋の窓の隙間からトリモチ(というより接着剤の付いた棒?)を挿し込んで、窓際に置いてある貴重品を盗むというものだったのです。日本人の友人が被害に遭ってた。まさかそんな原始的な盗み方を実践してくるとは思わないですよね、灯台下暗しってやつです(使いどころが微妙に違う気がする)。余談が長くなりました、次いこう次。
さきほど話にも出たオペラハウスだよ。
近づくとより迫力があります。
天使の装飾と月がいい味。
ここは隣にカラベルホテルという五つ星ホテルが建っていて、ここから見ると伝統と現代!って感じがしていいですね。ちなみにホテルの最上階にはカジノがあるので、こんな時間でもまだまだ遊んでいる人がいるのではないでしょうか。そんなカジノを以前取材させてもらった記事はこちらです、お時間あればぜひどうぞ。今もタダ飯が食えるシステムなのかな?(言葉選びがよくない)
カメラを動かさないように耐えたら意外と星が写った。
そしてこのオペラハウスにも…
若者たちが!
よく見ると外国人の方もいますね、在住者かな。地元の高校生や大学生とかなら分かるんですが、外国人でこの時間帯にオペラハウス前で座って過ごすってどんなライフスタイルなんだろう。と書いてみたところで、むしろそれを撮っている俺の方こそどんなヤツやねんって話になからやめとこ~。
ここでも光線を撮る。もうすごい今更だと思いますが、この企画は写真の練習と、それがわりとよく撮れたから見て見て!という自己承認欲求まみれの動機が80%を占めています。嘘です、50%程度です。
オペラハウスから地下鉄工事のフェンスに沿って南西へ。
グエンフエ通りです。
2015年の地下鉄工事のあと、ここは歩行者天国として生まれ変わりました。サイゴンの中でももっともティーンたちが集まる場所と言ってもよく、個人的には「サイゴンの渋谷」と心の中で呼んでいます。まぁ、これにそうそう異論は出ないだろうというか、ほかにも結構同じことを言ってる人は多いです。
このドンツキにホーおじさんこと建国の父・ホーチミンさん像があるのですが、今はイベント用のステージ設営のためか見えなくなってる。こういうことをするんだ。ホーおじさんへの敬意の念はそれはそれはすごいだけに(朝運動するのも元を辿ればホーおじさんが推奨したから)、ちょっぴり意外に感じます。
そのおじさん像の反対側にあるものが、ホーチミン人民委員会庁舎。つまり市庁舎。この通り、えっらい黄色。ちょうど先日、ベトナム人の友人からも「黄色は社会主義の色だから多いんだよ」と聞いたところで、さきほどのサイゴン中央郵便局も然り、なにかと公共の建造物はこの色に塗りたがる様子です。
これについてはちょっとおもしろい話がありまして。色を塗り直すたびに「黄色すぎる」という市民からの反対運動にあってソフトな色にまた塗り直すというニュースをしばしば耳にする気がします。いつもなぜか真っ黄色に塗りたがる行政側も、黄色すぎるだろと怒る市民側も、それを受けて素直にソフトな黄色に塗り直すということも、いつもながら「平和だなぁ」と感じ入ります。「もういっそのことRGB値で決めちゃえば?」って思うけど、きっと今後もそういうことはしないんだろうなぁ。なんとなく。
このあたりはいいホテルが集まってるからか、タクシーも多め。
イベント用の飾り付けでしょうか、深夜の中でお疲れ様です。
このグエンフエ通り、さきほど「サイゴンの渋谷」と書いたように、若者たちが集まる時間はそりゃすごい。多いときは、20~21時がピークですかね、こんな写真のような感じで盛り上がるのですが…。
深夜ともなるとグッと減り、「居残り組」が座って涼んでいます。楽しそう~。
「座らずに立っている」というだけでオシャレに感じるグループ。
彼らの小腹を満たす行商たち。ナイトライフが延びる分、商売人もまた遅い時間まで仕事することになるのですね。そうやって需要と供給が併走して、ぐんぐんと眠らぬ街になっていくんだろうなーと思った。
静まり返った高島屋の前と、
ベンタイン市場の前を通り抜けて、サイゴンの中でもひときわ眠らぬ街に向かいます。
そして極めつけは、
パンティ!!
えっ、なんでパンティ落ちてんの?
ここでなにしてたんだ…?
街中だぞ…??
さて、やってきましたよ!
ウーハーがズンドコズンドコドドスコ鳴ってるバックパッカー街、ファングーラオ通りです。
艶めかしくもあるビームライトがあちこちに飛んでいますが、あいにく向かいのクラブに人影は少なめ。寂しい。が、サイゴンのナイトライフが延びていく過程においてやはりこの一帯がいつまでもどこまでも中心地だと言えるでしょう。グエンフエ通りにもちらほらと人は残っていたけど、ここはこの時間(深夜1~2時)においても活況に溢れています。安宿が多いが、静かに過ごしたい人は避けるべし。
とくにブイビエン通りはご覧の通り!両脇の店の軒先に並べられたプラスチックス製のイスに座ってビールをちびちび飲むのが定番、欧米人率60%(主観)。ですが、この数年で俺たちイケてる!ナウいナウい!みたいな感じのベトナム人の若者たちがずいぶんと集まってきたように思います。でもつまみはそのへんを歩く行商からスルメやトウモロコシの炒めものを買うスタイルは不変なのがまた、いい。
こういう感じね(見切れてるけど自転車やリアカーに載せている)。
なお、2~3年前だったかな、街をクリーンにしましょうってなもんで、行政が路上での商売やバイクの駐輪を一斉に取り締まったんですね。その一環でこのブイビエン通りの路上酒場も規制され、一時期はプラスチックス製のイスがこつ然と姿を消したのですが、また元通りに戻っています。
これがベトナム…サイゴン観光の定番スポットになっているし、事実観光客がお金を落としていってますからね。もしかしたら観光局側からの反対もあったのかもしれません、想像の域は出ないけど。
ちなみにハノイはホアンキエム湖北側の旧市街がまさに似た感じです。
ブイビエン通りとデタム通りの交差点。
は~るか昔、ベトナムに住みはじめたばかりの頃に、職場の先輩にしばしば連れて行ってもらっていました。当時はGrabは当然なかったし、バイクにも乗っちゃダメと言われていたので(移住直後あるある)、タクシーで行ったということもあり、やたらと遠方みたいに感じてましたな。今ではご近所感覚です。
ちなみに左手のクレイジーバッファローというクラブ・バーは2013年に火事で燃えていて、こいつ(バッファローのネオン)、実は二代目です。もし移住前にも燃えてたら三代目になるけど。もしそうなら危機管理が軟弱すぎて畳まされるか。今考えたら何度も見てるしサイゴン在住外国人ならみんな知ってるはずのスポットだけど、一度も足を踏み入れたことはない…。よし今度行ってみよう。
ブイビエン通りの両脇にひしめくようにお店が立ち並ぶ。ただパーリーピーポーとは真逆の性分なので、自ら立ち入るってことはまずないですけどね。以前、友人に連れられてゲッソリしたときの記事はこちらです。もうずいぶんの時間が経ちましたが、いまだに踊って何が楽しいのか分からないまま。
さて、もう時間は深夜2時半。そろそろお開きにしましょう。しかし腹減った、となると夜食です。
そんな時間でも営業している場末の名店「Pho Quynh」で、
夜食のPho Bo Kho(ビーフシチューっぽいフォー)をごちそうさま!
69,000ドン…およそ350円か、やっぱりここは高いなぁ。
なお今回、これでも中心地だけ歩いていたので、かなり明るい方だったかと思います。マジで何にもないところはこの通り真っ暗ですからね(画像補正してるからまだ見れるけど肉眼だとほんと見えない)。
時間が違ってくるだけで街の表情はガラリと変わります。
旅行中だったらなおのこと、真夜中となると「なんだか怖い」という印象を抱く人もいるだけに、あまり見たことがない人も多いのではないでしょうか。ま、ふだんからブイビエン通りあたりで飲んだり踊ったりしている方なら、今回の風景はよく目にしているものかもしれないけど。
基本的には治安が良いとはいえ、人通りが少なくなってくるとなにか起こっても対処がむずかしくなるので、出かけるかどうかは自己責任で。それでも街中にはちらほらと若い人たちがたむろしているので、今回のような中心地だったら安心かもしれません。ハノイになるとどうなんですかね。旧市街あたりに集中すれば楽しそう、それ以外となると広すぎて歩き疲れてそうだ。