ベトナム北部の山合いの街、サパ。秘境とか言われてますがそうでもねぇ。しかしそこからちょいと行った駅舎から、ロープウェイでインドシナ半島最高峰まで行けちゃいます!その名前はファンシーパン山、ファンシーな名前ですが、富士山八合目級の山なのでなかなかにハードです。風がすごいよー!寒い!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/05/13
ベトナム北部の山合いの街、サパ。秘境とか言われてますがそうでもねぇ。しかしそこからちょいと行った駅舎から、ロープウェイでインドシナ半島最高峰まで行けちゃいます!その名前はファンシーパン山、ファンシーな名前ですが、富士山八合目級の山なのでなかなかにハードです。風がすごいよー!寒い!
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/05/13
霧っていいですよね!
霧は湿度100%の状態なので、ライターの火が着きません。しかし逆に、常にフーッと息を吹きかけた状態で試すと着火するそうです嘘です。霧が湿度100%かどうかも調べてないので信用しないでください。
目次
サパ、そなたは美しい。
はいどうもこんにちは、ジブリ全作品中で男が憧れる男ランキング一位のアシタカですよ。間違えた。
訂正します。サパ、そなたは美しい。僕こそが有名なサパ好きゴリラ、略してサパリラですよ。大して略してないし、なんか寄生虫っぽい名前だし、そもそも有名じゃないですよ。4~5人しか話したことがありません。が、好きというのはそこそこマジです。「ベトナムで好きな街は?」と問われると、「うーん、ダナン!あとムイネーとサパ…」と答えるくらいには好きなんです。つまりまぁまぁ好きってことです。
サパはベトナム北部の山岳地域にある街で、以前はハノイからラオカイまで鉄道で行き、さらにバスに乗り換える必要がありました。が、2016年に高速道路が整備されたことにより、ハノイからたったの4時間で行けるようになったんです。はじめて行ったのも確かその直後だったな~。で、今回の本題です。
そんなサパに~!世界一…!!だったものがあることをご存知だろうか!?
その正体は~!?
ロープウェイ。
うん、ロープウェイ。ウェイウェイ(陽気)。
まずそもそも、サパにはファンシーパン山という、お花畑と子どもの落書きをイメージする名前の山があります(つまりファンシーってことですな)。しかしこれ、かわいい名前だからといって舐めてはいけません、なにしろインドシナ半島最高峰、その標高は3,143メートル、富士山よりは低いとはいえその8合目(3,100メートル)を越えるほどです。怖いですね~死にますね~ご留意いただきたいですね~。
以前からファンシーパン山の山頂を目指すには、二泊三日だの、泊まりがけの登山が必要でした。もう行軍ですよ、八甲田雪中行軍の悲劇再び、ですよ。いやちがうけど。八甲田ってなに?って人はググってください。最近「ググる」って当たり前すぎて聞かなくなったよな。んで、そういえば確か、わりと最近にも外国人観光客が滑落して亡くなったという話があったはず…。あぁ、3年前(ベトナム語の記事)か。
しかし現在は…山頂までロープウェイが伸びているのです!
いや、信じられないと思うけど、伸びてるんだよそれが。ほぼ山頂まで。
全長6,293メートル、高低差が1,410メートルのトンデモナイロープウェイが。これは富士山でたとえると五合目(吉田口)から山頂までの標高差(1471メートル)とほぼ同じ。かつて死ぬ思いで私も登ったことのある富士山ですが、あれをロープウェイでひとっ飛びって!あはは!もう笑っちゃうね~!!(真顔)。ちなみにベトナムは、というよりサングループという運営会社は、国内でロープウェイの世界一の更新をひっきりなしにつづけており、ダナンのバナヒルズの5,771メートル、ファンシーパン山の6,293メートル、フーコック島の7,899.9メートルと、己との戦いをつづけております。なぜか。他国の追随を許さない、というよりは、他国がロープウェイの長さにそれほど興味を示さないんだと思いますけどね。
なお、「しかし現在は」というと、前述の青年が亡くなったあとに開通しましたよ、タイミングが違っていればきっと彼も命を落とすことはなかったんですよ…みたいな書き方に思われますが、開通は2016年2月のことで、青年の遭難時期は同年6月です。つまり、ロープウェイがあるにも関わらず、というよりそのロープウェイのルートにわざわざ沿って登っていたらしい。なにかに操られていたのか?と疑うほどの謎行動。古代、そういう冒険者が人類を繁栄させたと思うんですが、開通直後でガンガンに動いてるロープウェイに沿って行ったら遭難したっていうのもまぁ…死んだら仏なのであれですが。命は大切に。
だいぶ話が逸れてしまったな。
という訳でサパからタクシーで10分ほど走り、駅に到着。タクシーは宿に頼めばだいたい手配してくれます。宿に泊まらず日帰りで行く人なんて滅多にいないと思うけど(往復がバスなら滞在時間4~5時間くらい)、そのときは旅行会社のオフィスに行けばなんとかしてくれるんじゃないかしら。わしゃ知らーん。
はためく旗がカッコいい。
エベレストのキャンプ地っぽいなと思ったら、そういえば本来ガッチガチの登山地だったな。
日曜市みたいな催し物がありましたが華麗にスルー、
できませんでした。と思って見たら、ただの漬物か。
そうそう、サパは少数民族のひとびとが多く住む街としても有名です。正確には、その周りの山々に住んでいて、サパまで出稼ぎに来るって感じですけどね。伝統衣装姿じゃない人もカウントすれば、サパにもたくさん住んでると思うけど。中心地では、週末の夜ともなると、どでかい広場に集まって立ち話したり踊っていたり、これがゲームの世界に飛び込んだみたいで最高なんですよ。また機会を見て書きますね。
旗がたくさんある(見たまんまを伝える無能)。
ひっきりなしに写真を撮っているので撮影スポットだろうな。
ロープウェイの駅舎は、
レストランがあったり、
中でソーセージを売っていたりとちょっとした商業施設になっています。どっちも食べ物やないか。
ほんじゃ、ま!
乗ーり込ーみまーす!!
あ、料金は70万ドン(およそ3500円)ってほかのサイトで書かれてました。ハイ覚えてまっせん。だってもうこれ一年半前のはな…ゲフッ、ゴホッ、ゴホッ!ちよこさんメシはまだかの?いざ行かん養老院!
ロープウェイは思ったより広い、15人くらい座れるかも。
確か、ダナン(中部)のバナヒルズにあるケーブルカー(それが世界三位かつ国内三位だったかな)はもっと手狭だったはず。こっちは広いだけあって恐怖心も抑えられます。はい、わたくし高所が苦手なんです。だからこの言葉を窪塚洋介氏に捧げたい、アイキャントフライ!「だから」ってなんだよ。
晴れてるなー気持ちいいなー。
いい時期に来た!と言いたいところなんですが…
はげ山なんですよ!!よく見ると。
いやね、実はサパが一年を通して一番美しく見えるベストシーズンは稲刈り収穫前なんです。棚田にたくさんの穂が実っているタイミングで、それはだいたい10~11月と言われてます。秋で気候も安定していたはず。だけどこの日は11月17日で、ちょっと前に収穫を終えたばかりらしい。つまり、せっかく空から見下ろせるのに、棚田にはなーんもない!という最悪中の最悪なんですよ。といっても…。
それでもなお!
唸らせる景色を見せてくれるので、「来てよかった」と思います。
サパよ、そなたは美しい(三回目…あ、「サン」回目)。
はい!
雲を抜き抜けて!
到着ー。
ほー、いなさるいなさる。
駅舎を出るとこんな景色。
撮影スポットみたいですね。
この雲、右後方からゴゥッ!と飛び出しているように見えますが、現にゴゥッ!という感じで飛び出しています。でもそりゃそうだ、ここは富士山八合目と変わらぬ標高。タイムラプス(定間隔で撮った写真をつないだ動画)のごとく、おまいさん生きてるの?というレベルで雲が走りまくっています。
ほら見てよこの動き!早送りじゃないよ。
風の強さがよく分かるセルフィー。
ちなみにこのダウンジャケットは思った以上にサパが寒くて緊急用に買ったNORTH FACEの偽物です。
わー
うひゃー
そこから階段を上がったところから見るとなおさらすごい。
あそこ、
仙人だ、人間嫌いの仙人がいるはず。カスミむしゃむしゃ食ってるわ。
って、いやいやいや!まだ先はある!山頂へ!
お寺などが見られるので、仏教ともつながりがあるんでしょうか。
そこかしこに、
仏様の姿が見られます、
これに至っては、
金粉を塗りたくった井手らっきょにしか見えない。
はぁ、はぁ。
はーっ、はーっ。
なんかあれだな…知らない間に体力落ちたな…。と思ったんですが、そもそもここ富士山八合目(レベル)だった。そこにいきなりロープウェイで行ったんだもん、そりゃ息切れするわ…。
ここに来てめちゃくちゃ頭が痛くなってきた、心なしか身体も冷えてきた気がする。
吐きそう。
死にそう。
ぶっちゃけ吐きそう。いや違う、今ここで内容物をぶっちゃけたい。
レッドブル売ってるけど、
高山病に効き目あるんだろうか?逡巡してやっぱりやめる。
そしてこれ、階段が整備されているとはいえ、傾斜が強すぎて先が見えず、あとどれだけ歩けばいいのか分からない。どうしよう、めちゃくちゃしんどい、こういうときに限って飲料水も持ってきてない。「もしかしたらこれマジで引き返すかもしんない」と、脳裏をよぎった…そのときでした!
あ!!
着いたー!!(達成感ありすぎてふだん絶対しない顔とポーズ)
まぁ、達成感といっても、ほとんどロープウェイなんですけどね。でもしんどかった…。
代わる代わる記念撮影される山頂の証。
よく見ると「ここが山頂です」みたいなものがみっつくらいある。撮影用なんだろうけど、本物はどれ。
満足。山頂は雲まみれで景色はいまいちでしたが、雲のダイナミックな動きは一見の価値がありました。それに、「あのファンシーパンに、インドシナ半島最高峰に登頂した」という達成感はひとしおです。
ファンシーパン山とロープウェイの存在は以前から聞いていたので、こうして来れて満足でした。自分にそういう登山家精神みたいな部分はないと思っていたのですが、意外にも「ベトナムで一番高いところに行った」というのは今でもなお満足感が残っていますね。在住外国人としてなにか大きな経験値を得た、中ボスを倒した、みたいな。まぁ、ただの気分なんですけど。
改めてお話すると、サパからファンシーパン山へのロープウェイ駅舎までは、宿などでタクシーを手配してもらってください。覚えてないけど、法外な価格では決してなかった。悪徳タクシーにつかまったら知らないけど、言ってみればあんな僻地(僻地はいくらでもあるが「外国人も頻繁に行く観光地」としては一番の僻地)で、そんなことをする人も少ないような気がする…俺の偏見だから油断はしないでほしいけど。駅舎まで行ったらあとは、チケット買って登ってくるだけ。一本道です。
宿から見たサパの星空、次回はちゃんとした機材と技術でまた撮りたい。