ベトナム旅行(とくにはじめての方向け)において、知っておくと安心につながる、旅行がスムーズになるであろう話をつらつらと書いてみました。振り返ってみると結局言いたいことは、『「安全意識」を忘れずに「ITサービスを活用」しましょう』って話だと思います。ベトナムに限らず言えるかも、これは。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/07/03
ベトナム旅行(とくにはじめての方向け)において、知っておくと安心につながる、旅行がスムーズになるであろう話をつらつらと書いてみました。振り返ってみると結局言いたいことは、『「安全意識」を忘れずに「ITサービスを活用」しましょう』って話だと思います。ベトナムに限らず言えるかも、これは。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2019/07/03
ベトナム紹介サイト(紹介してるか?)をはじめて7年以上経つ中で、あまり観光的な記事を書いてこなかった訳なんですけども。「ベトナム=観光!」と思われる方が大半なので(極々当たり前の話ながら)、「じゃあいっちょちゃんと書いてみようか!」「言いたかったこともあるし!」と思って書いてみます。歳ですかね、自分の知ってることを少しでも役に立ててもらいたくなったみたい。死期近い…?
ま、そうでなくても、ベトナム旅行に行って全員が全員100%良い思い出になる訳でもなく。お腹を壊したり、スマホを盗られたり、ベトナムに限らなくたってそれは起こり得るじゃないですか。という訳で、ベトナム観光において覚えておくと安心する、旅行がスムーズになるであろう話を書いてみたい。6000字と長めだし、面倒だから写真も使わないけど、行く人は読んでおいた方が安心できる。と思う。
もちろん、地域差はある(たとえば有名観光の島で後述のGrabが走っていないとか)ので、すべてがすべてに当てはめられる訳ではないし、私の体験に基づいているので、そこんとこよろしくお願いします。
では!
目次
北部の首都・ハノイ、南部の商業都市・ホーチミン市(以降サイゴンと書きます、打ちやすいので)、中部の海の街・ダナン、はじめてのベトナム観光の行き先といえばおそらくこれらが上位を占めていると思いますが、いずれも「雨季」と「乾季」に分かれています。ざっくり分けるとそれぞれが、
・ハノイ:乾季が11~4月、雨季が5~10月
・サイゴン:乾季が12~4月、雨季が5~11月
・ダナン:乾季が4~8月、雨季が9~3月。※9~11月はたまに台風
です。
諸説あるというか、線引きは人それぞれなので、詳しい気温や降雨量は調べてください。
で、すごく大ざっぱに言えば、「ダナン」と「ハノイとサイゴン」が逆、という感覚です。ベストシーズンは、ハノイは詩に詠まれるほど美観が多いとされる10~11月の秋、サイゴンは雨が止み暑さが落ち着く1~2月、ダナンは5~7月(暑いけど)、でしょうか。また、必ずしもベトナム全国一辺倒ではないと思うのですが、スコールが特徴的です(スコールは厳密には熱帯の突風を指し雨を伴わないらしいですが日本ではそう呼ばれますね)。短時間でドシャッと降る場合がほとんど。個人の感覚としては、メコンデルタ(メコン川に囲まれた三角州エリア)をふくむベトナム南部で降る雨はたいていスコールという感じ。
なんかさっきから()が多いな、ラップかよ。
で、基本情報は分かったから何着てば行けばいいの?というと、
・夏服(肌を焼きたくない人は薄手の長袖シャツ)
・パーカーなどの上着(店によっては冷房効きすぎだから)
・雨がっぱ(傘は意味が薄いし手が塞がるのは危険、現地で100円以下で買える)
基本的には上記をオススメするのですが、ハノイ(北部)の冬(12~2月頃)に限っては防水性のウインドブレイカーなどを常備してください。というのも、このときばかりは最低気温が一桁台になるので、年中高い湿度にそれが掛け合わせると、「寒い」というより「冷たい」です。直に体力が削られていく感じがします。そこに霧雨が降るともうキッツイキツイ。ただ、それでも最高気温は30度を超えがちなので、タイミングによっては一度も活躍せずに終わるかもしれませんが、それはそれで運が良い、もしくはあなたが晴れ男晴れ女だったということになります。よかったよかった。
あ、それと、よくサンダルだけで旅行に来る人がいるのですが、ベトナムの地面はゴッツゴツ!です。都市部においてもアスファルトの下からど根性のなにがしかが生えてきたのか?ってくらいに地面が割れています。それ以外にも、車やバイクとの距離が近かったり(もちろん走行中の)、あらゆる環境が変わるので、手持ちの中でもっとも歩きやすい靴をオススメします。自信を以て言えます、ベトナムの地面を舐めるな。自信持っちゃいけないな。もちろん、全日程リゾートホテルなら、サンダルで問題ありません。
悪いこたぁ言わねぇからGrabを使いな、これ一択です。
なんていうとタクシー会社、というよりレンタカー会社からも怒られそうですが。Grabとはマレーシア生まれの、日本で言うところのUBERみたいな配車アプリです。ただ違いは、日本は高級路線ですが、ベトナムではむしろタクシーよりも安い(気がする)。バイクもいけるし、タクシーもいける。最近は時間貸しなんていうのもはじまってるみたいです、これなら郊外もカバーできると。最高すぎるね。
惜しむらくは、おそらくなんですが、現在はベトナムの銀行口座とリンクされたクレジットカードでないと連携ができないので、キャッシュレス(現金を払わずに済む)というGrab最大のメリットを活かせないところ。ですが、それを差し引いても、「Grabの評価システムによってドライバーの信用が担保されている」というのは本当に本当にあまり余るメリットです。ベトナム観光において、タクシーやバイタクとのコミュニケーション・トラブルが長らく課題でしたから。
お手元のスマホで、「Grab」と検索してダウンロードすれば、利用地域のベトナム・タイ・マレーシアなどですぐにでも使えます。日本では使えません(ないから)。使い方については検索すればいっくらでも記事が出てくるので、そちらを参考にしてください。日常的に知らないアプリやソフトウェアに触れている人なら感覚的に分かるUIかと思います。
ちなみに、観光旅行ではほぼ用事がないと思いますが、Grabを通じて料理を頼める「Grab Food」という機能がエグいくらいに便利です。家にいながらにしてお店から料理を持ってきてくれるという、もうなんですかね!人をダメにするツールですわこれ(今ダメにされてる真っ只中)。余談ですが、最近一分未満で分かるベトナムの動画をつくりはじめたので、そんなGrab Foodについても近々公開すると思います。
もし「充電が切れた」とか、「SIMカードが使えなくなった」とか、そういうときにはタクシーを呼ぶことになるかと思います。安心タクシーとしては、「Mai Linh」か「Vinasun」を基本として、ハノイだったら「Hanoi Taxi」、ダナンだったら「MASCO Taxi」あたりがメジャーです。これらはトラブルの少ない良識のあるタクシー運転手が多い…のですが、たまに観光客と見るや欲かいて、料金メーターを無視して交渉してきたり、あるいは「お金を数えてあげる」と言って手にとってくすねる輩もいます。
その理由から、評価システムという形で信用が担保されているGrabにしましょう、という訳です。たまに「分からないアプリを使うくらいならタクシーがいい」という声を聞いたりするのですが、「リスクを下げたいならGrabを使わない理由はない」です。諦めるならまずやってから。少なくとも現時点においては。なので、優先順位としては、充電を切らしたり、SIMが使えないようにならないこと、ですね。
ではそんなSIMカードをどうやって手にするのか?というと、VinaphoneやMobifoneなどの携帯会社のオフィスに行ってふつうに買えます。ちょっと正確な価格は忘れたんですが、二ヶ月前時点で、一ヶ月使える(一定の通信量を超えると速度制限あり)もので700円くらいだったかな?つまり、めちゃくちゃ安いです。しかも払った分の一ヶ月経過後もその番号は使えます(2~3ヶ月放置すると使えなくなります)。ただし今はパスポートのコピーはもちろん、また顔写真を撮る必要があるので(その場でスタッフのスマホでパシャッと撮られる)、それがイヤなら事前にAmazonで買いましょう。
そうなんです、今って便利ですね。あらかじめその国で使えるSIMカードがAmazonで買えちゃう、いやAmazon以外でも買えるのかもしれない、っていうか買えるんだろうけど。日本お得意のSIMロックという事情もありますが、アンロックされた(というより最初からロックされていない)格安スマホも買えるので、ベトナムに限らず今後も海外旅行に行くつもりでセットで買っちゃっていいと思います。
スマホが、SIMカードのサイズが合っているかとか、本当にアンロック状態か手持ちのSIMカードを挿し込んで確かめるとか、そういうことはしておいた方がより安心かもしれません。
ベトナムって血なまぐさい犯罪が少ないんですよ。いや、統計を見た訳じゃないので、見聞きする上での感覚ですが。ただ、ひったくりやぼったくりはよく聞きます。ぼったくりは客側も値切り上等のコミュニケーションだったりするので一概に悪いとは言えないのですが、少なくとも、ひったくりをする輩は「ベトナムにおいてもクソ野郎」という当たり前の事実は伝えておきたいと思います。「ベトナムに住んでる」と話すとひったくられた&ぼったくられたエピソードをする方がたまにいて、まるでさもベトナム人全員がそうであるかのように語るので、めちゃくちゃ気分が悪いです。それはYOUの脇の甘さと運のなさを主張してるだけやぞって。俺も一万円相当をスられたことあるから言える立場じゃないけどな。
そうしたことからベトナムにネガティブイメージを持たれるのは、ベトナム人と日本人のお互いにとって不幸でしかないと思うので、みなさまにおかれましては…これ重要です、当たり前なんですが、外でお金を出さないでください。これについては次項の「お金編」で詳しく書かせていただきます。
そして、外でのスマホ操作も同様です。輩はそれを見て、「今夜は焼き肉だ!」と思っちゃいます。つまり、狙われます。おびただしいバイクの数を見て「すげー!」と言ってスマホ(カメラ)を向けるのも同じく危ない。渋滞していれば輩も逃げづらいので犯行には及ばないと思いますが、そうでなければ、あなたの前を風(バイク)が通り抜けたと思ったら手元のスマホがなくなっています。被害に遭ったある知人は、「マジック見せてもらった気分だからいいや」と器の大きなことを話されていました。といっても外で一切お金もスマホも出さないのは無理があるので、そのときは背中で周りから見えないようにするとか、両手でガッチリホールドするとか、盗られる前提で出しましょう。
あと、これは人によってはしょうがないと思うんですが、背広を着ることで、盗られづらくなることはなくても盗られやすくなることはあります。言い方ややこしいですね、狙われやすくなるんじゃないかと。できれば人と会う前に着た方が安心です(シワがつかないか気になるところですけど)。一見して出張中の日本人か韓国人(前者の方が多いかな)なので、一人でいると狙われる…のではないかと私は思います。服装で言えば、「サンダルはやめとけ」と書きましたが、これは防犯の意味からも言えそうです。サンダルだと犯人追いかけづらいからね。つまり、背広姿でサンダルを履いてる人は最悪です。いねぇよ。
なお、カラオケ(キャバクラ)のある夜の繁華街では、タクシーを降りた瞬間を狙うとか、女性2~3人組が近づいてきて身体をくっつけている隙に財布やスマホをスるとか、そういう話もよく聞きます。これ、女性でなく、そのために女装している男性と思わしき場合もあるようです。
こうして治安について考えてみると、実際に被害に合った知人友人はけっこういるんですが、それでもベトナムに足を運んでくれるって、すごく素敵ですよね。なんかうれしい。ま、そうだとしても被害に遭わないことがベストですから。くれぐれも気をつけてください。
余談ですが、ハノイとサイゴンの人間同士のディスりあいでたまに耳にする内容が、「ハノイの人間はぼったくる(相手がサイゴン人だと分かったら)」「サイゴンの人間はひったくる」です。歴史的にはしょうがないんですけど、同じ国でもこうなんだから、この項目冒頭で書いたように「ベトナム人全員がそうであるかのように」というのはしょうがないところもあるのかもしれないですね。
とはいえ、どこの国であっても、本気で全員がそうだと考えている主張はけっこう引きますけど。もうすぐで一億人やぞ一億人、ベトナム人人口は。
あっ、あと海外旅行全般に通じるであろう鉄則がありました。「向こうから話しかけてくる人はまず疑え」です。なんて言ってる自分がヤダなーと思いますが、そこが観光地ならやっぱり。海外でいきなり日本語で話しかけられると返したくなるのが日本人だと私は思っているんですが、あなたにとって一度きりの出会いでも、向こうにとっては毎日話しかけている膨大な日本人のひとりです。
ベトナム旅行において立ちはだかる壁のひとつがこれ、「ドンの桁多すぎ問題」です。ほとんどの場合、単位が1000ドン、観光客向けのお店だと10000ドン切り上げ切り下げであることが多いですからね。そら日本の桁数と比べれば頭もおかしくなりますよ。それでよくある失敗談が、「2万ドンと間違えて50万ドン渡した」というもの。同じ青系だからね、よりにもよって。
そうでなくとも、すでに書きましたが、会計のときになって「どれだっけ~」とバラバラと紙幣を出す人も多い。これ、かなり、めちゃくちゃ危険です。というより日本でもそれってあんまりしない気がしますけど、1万ドン以上の紙幣はプラスチック製なだけに、日本人からするとお金を触っている感覚が薄まるのかもしれません。
優しい店員さんなら「これだよ」と言って指を差したり、ピッとつまんで取ったりするのですが(このお金に対する感覚の違いも場合によってはトラブルになりうるけど…優しさなのに)、欲に目がくらんだ人間…密室という状況からどうしてもタクシー運転手の場合が多くなるのですが、「俺が数えてあげるよ」と言ってガサーッと持っていく訳です。
だからまず、知らない相手の前で必要分以上のお金を出さないこと。ただ会計しない訳にはいかないので、ここでナイスアイデアをあなたに(自画自賛)!50万ドンは最初から別の財布かなにかに分けて管理しておいてください。日本でいえば紙幣と貨幣を別々に分けて使うという感覚に近いでしょうか。もっと言えば20万ドン紙幣もそうすれば安心でしょう。大きな会計をするときに、伝家の宝刀のように出しましょう。そもそも、それくらい大きな買い物をする場所だったら比較的安全なはず(正規の金額なら)。
1万ドンは薄茶色、2万は水色、5万は赤色、10万は緑色、どれも色の違いがハッキリしているので、間違えることはないし、たとえ間違えたとしても最大500円相当(10万ドン)の損で済みます。あとは会計の前にあらかじめ、必要分よりちょっと多いくらいを用意しておくことですね。これは日本でもそうしてくれたらレジ待ちも減るのにな…と思ったりもしますが、今ここでは関係ない話でした。
あ、両替は、GoogleMapで調べれば高評価のところがすぐに出るのでそこに行きましょう。空港はレートが悪いですが、ほかに手段がなければ5000円くらい、不安な人は1万円くらいを両替しておくと良いかと思います。確実なのは、海外の銀行ATMと提携しているクレジットカードでのキャッシング(翌日から繰り上げ返済すれば両替よりもお得の可能性あり)。ただ事前に申し込みが必要だったりするので、ベトナム(というより海外全般?)へ行く前にまだ時間のある人は確認してください。
「現地でお金を準備できる」という状況か否かだけで、旅行中の安心感は断然違いますよ。
ベトナムといったらベトナム料理ですよね。
それを楽しみにして来る人もいると思いますが、同時にお腹を下さないかという心配もする人もいるでしょう。こればかりはその人の身体次第ということもあるので何事も断言しづらいのですが(責任持ちたくないし)、その上で1点だけ。多くの人が「飲む訳にはいかない」といって、氷を敵視しすぎです。
ガイドブックに「気をつけて」と書かれがちなのでそりゃそうなんでしょうけど、出版社からしたら「勧められたままに飲んだらお腹壊した!責任持て!」という訳分からんクレームを受けたくないという事情もあるので(想像です)、そりゃ書かないよりは書くと思います。実際に、ベトナムふくめて東南アジアのいくつかの国では、冷蔵庫や冷凍庫などの設備が普及したのってこの数年、あるいは10年ちょっとの話なので、その流れの中で書かれつづけ、そして言われつづけているだけなのだと思いますが。
少なくとも2011年から住んでいる、私自身、また私の周りの友人(在住者も観光客もふくめて)で、氷が原因でお腹を壊したと思われる話は聞いたことがありません。仮にあるとすれば、軟水と硬水という水質の違いが身体に合わなくて…ということなんじゃないかなと思います。そうでなくっても、長時間の移動で、いきなり気候が変わって、かつふだんと違う料理を食べれば、そりゃ体調も崩れるよって思いますし。それで「氷を犯人だ」っていうのは冤罪じゃねーの?っていう、ね。
ま、でも、「私が聞く被害の少なさ(というよりゼロ)に対してひどい扱いを受けすぎ」というだけで、飲料水からつくった氷はともかく、生モノは口にしない方が良いとは思います。基本的には調理したばかりのものを。とくにサイゴンふくむ南部はトロピカルフルーツが美味しいですが、切ったばかりのものを。これは絶対じゃなく、そうしたら安心かもね~ってくらいです。私は気にしていません。
6000字以上書いてますね!うーん、言いたいこと盛りだくさんだったな。まだ思い出してないだけで書けることはほかに山ほどあると思いますが、必要最低限のことは書けたと思うのでそろそろこのへんで。
振り返ると、“外でお金を出さない””話しかけられたらまず疑え”という「安全意識」と、”Grabを使おう””SIMはAmazonで買っておこう”という「IT活用」、このふたつです。ごちゃごちゃと書きましたが、ほんとこれ。実際に行ってみないと分からないことは多いけど、より砕いて言えば「平和ボケせず」「IT武装」しとけば安心です!という意味ですわ。これはベトナム旅行に限らずそうだと思います。
では、良い旅を!
最後に最近はじめた動画載せときます~、一分以内のベトナム紹介。ちょこちょこ増やしていってます。