ホイアン料理には有名どころがみっつあって、それが伊勢うどんがルーツと言われるカオラウ、特産チリソースと愛称よしのチキンライスのコムガー、そしてみっつめがホワイトローズ。白いバラ?バラ??いいえ、ワンタンです。先のふたつに比べて観光色は強いですが、おいしいでっせ。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2020/01/18
ホイアン料理には有名どころがみっつあって、それが伊勢うどんがルーツと言われるカオラウ、特産チリソースと愛称よしのチキンライスのコムガー、そしてみっつめがホワイトローズ。白いバラ?バラ??いいえ、ワンタンです。先のふたつに比べて観光色は強いですが、おいしいでっせ。
ライター:ネルソン水嶋 公開日:2020/01/18
ワンタンっていいですよね!
王(ワン)さんが呑(タン)むように食べたことから呼ばれるようになったそうです嘘です。
目次
中部の街ホイアンは旧市街が世界遺産に登録されていることでも有名ですが、同時においしい名物料理がある街としても知られています。それが…。
伊勢うどんにルーツがあるとされる、カオラウ!
酢漬けオニオンとチリソースが愛称抜群のチキンライス、コムガー!!
そ~してそして…
白く透き通った見た目は白薔薇のごとし、ホワイトローズ!!!
まぁ、ほかにもあるんですけど、挙げられがちなのはこれかなと。
いやそりゃ料理だから「つくられる」でしょっていうと、そういう意味ではなくて。
これは聞いた話なのですが、カオラウとコムガーがホイアンの伝統的料理であることに対して、ホワイトローズはお店が観光客向けの名物としてつくったものだとも言われています。というよりも、市内で食べられるホワイトローズはほぼひとつのお店(後述)が卸しているらしいので、そう考えると長い歴史の伝統料理とは確かに言えないのかもしれません。
実際、先のふたつは地元の路上店などでも出されるのですが、ことホワイトローズに至っては少ない印象。
なにしろホワイトローズの有名店は”Bông Hồng Trắng”といいますが、
まんま「ホワイトローズ」という意味だし、日本語の強調もすごい。戦略的意図も感じる。
そういう違いから私もどちらかといえば伝統的なカオラウ・コムガーびいきなのですが、だからといっておいしくないワケじゃない。というよりおいしいです。
店内に入ってさっそくビール。この水玉コップはベトナムによくある柄ですが、レトロ&キッチュなベトナム雑貨の可愛げが凝縮されていると思う。
店内奥ではなにやら人だかりが見えるのですが、
ホワイトローズの仕込み中!
「撮ってええ?」
「ええよ」
ってな感じで撮らせてもらったのですが、ホールスタッフでもないのに全員ユニフォームを合わせているあたり、見られることを意識している気がします。この仕込む風景を見られるというところも、ちょっとした観光スポット的要素を兼ねていますね。
ホワイトローズの形状には二種類あり、
バラのように形を整えた生地に餡を添えたものと、
ふつうに餡を包んだ餃子タイプ。
それを茹でたものがこちら!フライドオニオンを散らして華やかさを増したら、完成です。
なお、このフライドオニオン、ベトナム料理で使われがちです。スープ麺の上に散らしたり、炒め物に散らしたり。スーパーへ行けば、ビン詰めになって売られています。どんな料理でも簡単に香ばしさと塩気となにより食感を加えられるので、いっとき私も自炊していた頃は重宝しておりました。
パパイヤと蓮の茎を混ぜ合わせたサラダにも砕いたピーナッツをまぶしたりと、ベトナム料理はクリスピー感を重視する傾向があると感じます。その点ではタイ料理の方がより強い気はするけれど。
こういうのね。
プルプル揺れてテラテラ光って、実に食欲をそそる見た目。
ヌクマム(魚醤)を薄く伸ばしたソースにチョンとつけ…
あ
ひゅっ
ビール
あひゅっビールあひゅっビールあひゅっビールあひゅっビール
左肩がかゆい
あひゅっビールあひゅっビールあひゅっビールあひゅっビール
左肩がどうしてもかゆい
と、自分で遊んでみましたがいかがでしたでしょうか(なにがや)。
場末で昼間から酒呑んでるどうしようもないおっさん感がすごいですが、よくよく考えてみたらこの店も観光エリアのはずれなので、寸分たがわず、場末で昼間から酒呑んでるどうしようもないおっさんです。左肩がかゆかったのはたまたまです。
米粉を使っているためでしょうか、食感は思っている以上にコシが強い。ワンタンというイメージからすると意外ですが、この歯ごたえは日本人好みかもしれません(そもそも日本人人気の名物だという気もする)。その噛み締める中でフライドオニオンがパリパリと砕けて、いい仕事をしてくれます。
主観ですが、餡とワンタンそのものは淡泊な味なので、ヌクマムベースのソースがないと物足りなさはあるでしょう。全体的にあっさりとした印象です。
ちなみにこのお店、名前もさきほどお伝えしたように「ホワイトローズ」なのですが、
揚げワンタンもあります!
こちらに関してはホワイトローズにくらべて、地元のお店でも出している傾向がありますね。まぁ、衛生上の観点からも路上店などで揚げ物は出しやすいし、なによりワンタンを揚げてさっと調味料なりソースなりをかければ成立こそします。単に手間の問題かもしれません。
こちらは酢豚のようなあんかけで、ホワイトローズとは真逆にパンチのある甘酸っぱさ。なので食いではすごく感じるのですが、
…
!
ちょっと、いやだいぶ食べづらい…。
ワンタンを皿代わりに、あんかけを受け止めて食べたいところですが、単純にワンタン一枚が大きくパリパリと崩れるので、あらかじめ砕いてから食べた方が吉。
なおこのホワイトローズ、今回お見せした数が一皿分(一人前)で、ひとりではけっこうボリューミーです(ハーフを用意すればいいのに…言えばいけたのかな?)。なので、二人以上で来られることをオススメします。旧市街の中には上品できれいめなお店があり選択肢も多く、一方でこちらは少しはずれになるので、「ホワイトローズが食べたいんや!」「我はホワイトローズを食べるべく生まれた存在…」みたいな方にぜひ行ってもらいたいかと。ただ周辺に宿はあるので、近くで泊まったらさっと行けそうですね。
ホワイトローズ(Bông Hồng Trắng)
住所:533 Hai Bà Trưng, Phường Cẩm Phổ, Hội An, Quảng Nam